あらすじ
ーー火が付いている間に思った妄想が具現化する「妄想燐寸」は要りませんか? ただし、妄想用であって願望用ではありません――。謎の少女りんが誘う少し不思議な日常。ココロざわつく寓話集を貴方へ。
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Posted by ブクログ
いやー、ゾワッゾワッと来ました
第一線で活躍する漫画家たるもの、自分だけの画風を掴んでいるのが必須だけど、鈴木先生の絵柄はとびっきりに独特。そんな画が、読み手の心を無遠慮に抉るストーリーに、これまた、マッチしているんですわ
内容は、大雑把に説明すると、自制心が脆いタイプの人間が、膨らませ過ぎた妄想に押し殺されるって感じ
妄想は、誰だってする。描く内容はともかくとして、妄想は実行に移されない限り、良いも悪いもなく、する事は犯罪でもない。妄想の怖さ云々より、“自分”に振り回される人間の愛おしいほどの愚かさをリアルに描いているので、正直、空想が暴走しやすい自覚のある人は読まない方がイイかな?
私は一度くらいは火を点けてみたいが、自分の妄想の手綱を巧く捌く自信が今イチないから、多分、使えないで終わっちゃうかも
それでいて、自滅オチだけでなく、ほっこり泣ける話や、ケラケラ笑える話も描けるのだから、ホント、鈴木先生の間合いは広い
基本、一話ずつ、主役(・・・リンちゃんに妄想マッチを手渡される人間)が変わるスタイルなのだが、個人的に好きなキャラはやはり、クラゲさん(変貌前も、変貌後も)
好きな話は、第5話『妄想の休日』なのだが、最も鳥肌がブッ立ったのは、第3話『心の裏』
この一巻のラストの話では、リンちゃんの商売敵(?)であるろうそく売りのチムさんが登場し、ますます面白く、人の心の暗部に迫り、それを浮き彫りにしそうな予感がする
Posted by ブクログ
お代は寿命1年分。妄想を具現化するマッチを売る少女。欲望を煽って、いい気にさせて、調子に乗り過ぎたところで「ドーン‼︎」てタイプのお話です。
少しダークで可愛らしい画風は好みですし、それぞれのお話も良く出来ています。でも、もっと突き抜けたところがあれば、わけがわからないところがあればいいのになぁと思うのです。これは私の好みの問題ですけど。
Posted by ブクログ
おお……『ホクサイ~』と全然違うでないか……。人間を信じてる系ピープルの頬を歪んだ笑みで平手打ちにするような、嘲笑と悪意に満ちた連作短編集。毎話毎話、切り口の多彩さには驚かされるし、ちゃんとハートウォーミング系のストーリーも用意しておくバランス感覚も、やっぱり上手い。だからあとは本当に、好みですよね……。
〈悪臭を撒き散らせ!!!〉
Posted by ブクログ
なるほどメルヘンチックな笑うセールスマンか、と思いきや、後半から早くも変化球を入れ始めてて舌を巻く。東京タワーのエピソードで不意をつかれた。ネタ切れせずにどうシナリオを回していくかが気がかりであり、楽しみ。