あらすじ
17歳の障害騎手ベンが突然厩舎を解雇されたのは、父親ジョージの策略だった。ジョージは下院議員選に勝利するため、唯一の家族であるベンを必要としていたのだ。激しい反発を覚えながらも、やがて父親に説得されたベンは選挙活動への協力を誓う。しかし、選挙区では、ジョージに対するスキャンダル攻撃と暗殺工作が待ちかまえていた!十代の少年を主人公に据え、生きることの厳しさと真の男の勇気を描くシリーズ第36作。
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Posted by ブクログ
競馬シリーズ36作目。
こんな17才はいない、と思っていたら、
佐々木譲氏が解説で同じことを書いていた。
障害騎手を目指いしてた17才の少年ベンは、
父親に騎手生活から引きはがされ、下院議員の選挙活動を手伝うように言われる。
父親と言っても、若くして結婚し、ベンが産まれた際に母親が亡くなると、
母親の姉に養育を任せ、近くで見守ってはいなかった。
それでも、信頼されていることは知っており、
集票のため選挙活動に同道し、運転手役をつとめることにする。
父親は狙撃されかかったり、
車のブレーキオイルタンクに細工されたり、
選挙事務所兼宿泊場所が火事になったりと、
妨害工作に遭いながら、当選する…。
誠実でありながら、人を惹きつける魅力をもって選挙民の心をつかんでいく、
父親の選挙戦が面白かった。
下院議員に当選したところで話が終わるのかと思いきや、
その後、首相に選ばれるまでになるとは思っていなかった。
もちろん主人公のベンも、賢く、自分を律することができ、我慢強くもあり、
紳士でもある少年で、読んでいて楽しかった。
父親を襲った犯人は誰か、というミステリーの部分を忘れてしまうぐらい。