あらすじ
幼児期のたったひとつの父親の思い出から、奔放な母親に翻弄された幼少期、
身長がゆえにいじめられた思春期、荒れた反抗期のなかで見つけたモデルへの道。
アジア人への偏見の中、怒りだけをバネにのし上がっていった二十代。
恋愛、結婚、出産、離婚。引退宣言と母としての葛藤……。
Aiとは、LOVEの愛であり、冨永愛のAiであり、英語のI=「わたし」のAi。
すなわちこれは、2000年代、世界のランウェイを闊歩したトップモデル、冨永愛がはじめて語る、愛と自分自身を探し続けた半生の物語であると同時に、
すべての女性に共通する、「わたし」を探し、居場所を求める、心の叫びの記録でもある。
32歳の今、衣装を脱ぎ、鎧を脱ぎ、メイクを脱ぎ、家族の絆を取り戻し、自分自身を取り戻し、彼女が出会った「本当のわたし」とは?
読むうちに、誰もが、自分と同じ「冨永愛」に涙し、彼女とともに「わたし」に出会い、「愛」に気づき、そして、「再生」していくことになるだろう。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
スーパーモデルの冨永愛が32歳の頃(2014年くらい)の自伝。人生の大きな舵を切った冨永愛さんの決意の背景を描いている。つまりコレクションモデルを引退し長男との生活重視に舵を切った富永愛さんは何を考えていたのか、なぜそう考えていたのか、具体的なエピソードを中心に書き下ろしている。これを読むことで冨永愛さんがどんな生き方をしてきたのか少しだけ知ることができる。
なお、この本のキーメッセージは、終章にある「道とは、わたしたちの後ろにできるもの。」という言葉に代表されていると思う。この本では冨永愛さんの生き方を、怒りや憎しみや復讐といった軸でまとめているが、おそらく富永愛さん自身は、そういう生き方をしてきた自分を今では愛している。「Ai 愛なんて 大っ嫌い」というタイトルは、LOVEも、自分自身も、大っ嫌いだった自分のことであり、しかしそれを含めて自分だと認める本だった。
富永愛さんの力強さ、鋭さ、能動性を知ることができる本であり、しかし同時に自分自身を認めるという愛についても語った本だと思う。とても勇気づけられる。
Posted by ブクログ
私の知った時点ではもうスーパーモデルで、まさか怒りや復讐心だとは思ってもなかった。
華やかな世界の人も裏には影がたくさんあるというのがわかってはいたけど、改めて突きつけられた感じ。
辛くて苦しい環境に身を置いたからこそ、その気持ちをわかる人間になれる、その通りだなあ
Posted by ブクログ
元々大好きだった冨永愛さんだけど、この本を読んでさらに見え方が変わった。
なんて強い人なんだろう。
自分にはハングリー精神が全然足りてないなぁ〜と実感。頑張ろうとやる気に、元気に、でも大切なものは見失わないで。と思える一冊。
Posted by ブクログ
家庭や、自身のコンプレックスに負けず強く生きている彼女の織りなす言葉の深さに泣いてしまった
テレビなどで見たことしかなかったキレイなモデルさんにこんな人生があったなんて。知れてよかった。すごく好きになった
Posted by ブクログ
明け透けだけど、そこがいい。という感じ。
スーパーモデルの原点は、怒りだった。
すごく自分の内面と向き合えているなと思った。
冨永愛さんが一層好きになりました。
Posted by ブクログ
驚くほど「憎い」「ぶっ殺す」を連呼する。華やかな世界で活躍する富永さんからは想像できない、黒い感情を正直にぶつけた本。特殊な環境の家庭で生まれ育ち、憎しみを原動力にスーパーモデルへの道を駆け上がる勢いに、ページを繰る手が止まらない。途中何度も、これは本当にスーパーモデルの自伝なのか?と自問するほど内容が尖っていた。富永さんが母になり、様々な人生経験を積んで立派な大人になっても、父への思いは変わらずあの頃の小さな娘の状態のまま時間が止まっていることが衝撃だった。地位も名誉も手に入れ、最愛の息子を持った富永さんでも、ずっと会えなかった父からの愛に飢えていた。強そうに見えるけれど、私たちと同じ人間なのだと再認識した。川沿いに並んで腰をかけ、「お父さん」と呼んだ時の富永さんの思いを想像したら泣いてしまった。
以下、本書より抜粋。
「人間はすべてを生きる力に変えられる。悲しみも苦しみも、喉の奥が張り裂けて、血を吐くような孤独も、人間と言うのは全て力に変えられる。今私はそれを確信する。」
「もし私が貧しさを知らなかったら、寂しさを知らなかったら、父のいない悲しみを知らなかったら、私のそばにいる人々の苦しみにも、悲しみにも全く気がつかない。ただのマネキンでいただろう。」
かっこよ
生々しい生き様が伝わる秀作。こんなに傷つかないと道は見えないのか。幸せボケしている自分にカツが入るのを感じた。
Posted by ブクログ
表紙の写真。
すごい怖い。
ファッション業界に感じる違和感とかも、至極真っ当。
真っ直ぐで一所懸命な女性であって、真摯に生きているんだな、と感じた。
9歳の息子さんと、毎朝5時半から坂道ダッシュとシャワーとか、方法論が無茶な気はしたが、方法論の良し悪し以上に気持ちが大事で、それが奏功することもあるのかな、とは思う。
面白かった。
モデルやファッション・服飾業界に憧れている人には、受け入れ難い内容ではないだろうか。
Posted by ブクログ
冨永愛の自伝。
彼女が複雑な家庭環境に育ち、周囲になじめずにいる中、高校時代に単身ニューヨークへと渡り、そこで成功をつかむものの、プライベートでは出産・離婚を経験し、そして日本に帰ってタレント活動しながら子供との幸せを掴むまでを描いた一冊。
予想以上に壮絶な環境の中で、常にもがき苦しんできた彼女の半生が想像できた。
Posted by ブクログ
あの成功の原動力がマイナスの力だとしたら、物凄い熱量の負の感情だ。
ファッション業界を俯瞰してみることのできる冷静さや、息子ともがきながら向き合う姿。
本自体は、すぐに読めるくらいのボリュームなのに、ものすごく疲れた。
すごい人だ。
Posted by ブクログ
初耳学内のパリコレ学で愛さんの言葉がとてもよかったため、著書を読めばその源泉がわかるのかなと。
周りに対するくそったれ!みたいな感情をヒシヒシ感じた。
初めて海外のコレクションでいくつもオーディションに通ったりと、ホントとんとん拍子に思えた。悔しい思いをして、努力したことも書いて欲しいかったな。
Posted by ブクログ
自分自身を振り返って、思い出したくない出来事もバネにして糧にして生きてきた
冨永愛さんは強い人なんだなぁ。
母として息子のために生きる姿も潔くって格好いい。
あっさりと
スーパーモデルという言葉を使っているけれど
そこまでのぼりつめることのできる精神力は計り知れないものがあるのだろう。