あらすじ
……あー、これやばい
なんか美味そう
家族を失い叔父に引き取られるも、身の危険を感じ中卒で独り立ちした幸弥。同じ工場に勤める組立一課班長の関目は、頼れる兄貴分のように幸弥のことを気にかけてくれていた。そんな幸弥の目下の悩みは工務部長・大谷のセクハラ。エスカレートするそれに気づいた関目は同僚の千林の協力のもと、幸弥の部屋に泊まり込むことに。幸弥の質素でつつましい暮らしぶりや小動物のようなたたずまいに、十代はヤンチャで鳴らした関目の庇護欲は次第に捕食欲とないまぜに――!?
紙書籍発売時、フェア用に書き下ろされたSSを完全収録した特別版!
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Posted by ブクログ
なに、このイキモノかわい過ぎて凶悪っ!!
工場作業服ものといえば、鳥城あきらさんの『許可証をください!』なのだけど、あそこまでお仕事色は強くなくて、比較的ラブ多めな感じです。
中三の夏休み土砂崩れの事故で家族すべて失った幸弥。
引き取られた先の叔父の元から逃げるように、中卒で工場に就職を決めた。
独りひたむきに生きている幸弥を見守る周りの目も温かい。
だたひとり、華奢で小動物みたいな幸弥に何かとセクハラを仕掛けている工務部長の大谷を除いては。
幸弥には憧れの人がいる。同じ工場の組立一課で班長をしている関目だ。
長身で精悍な顔立ち。面倒見がよい兄貴肌。
年下だけど同期入社の幸弥を何かと気にかけてくれる。
幸弥といつも昼食を共にしている千林は工場にはめずらしいワイシャツ・ネクタイ組で、関目に対する幸弥の気持ちをあっさり見抜いてしまい、
それとなく関目としゃべるきっかけを作ってくれる。
工務部長のセクハラがエスカレートしたことをきっかけに、千林の協力もあって、幸弥のアパートに泊まり込みをすることになった関目。
元々何事にも一生懸命な幸弥を憎からず思っていたところに、同居してみてさらに好意を深めていく。
とにかく傍にいたら、かわいがらずにいられない幸弥をみるにつけ、
今までかわいい弟をかばうみたいな庇護欲とは別に、捕食欲を抑えきれなくなり懊悩する関目。
このお話。視点が幸弥と関目と交互にスイッチする。
なのでそれぞれの気持ちが読者には丸わかり。
お互いの立場に配慮しても抑えきれない気持ちが全てわかっているだけに、早く早くとじれったい。でもそこもいい。
幸弥が本当に健気でかわいくて、近くにいたら絶対なでくりまわしたくなるタイプ。
好意を隠せない熱っぽい目で無自覚に誘いかける幸弥に関目が壊したい壊したくない衝動の狭間でのたうちまわるのを見てると、こっちも床ローリングしたくなります。
ほんっと、このイキモノかわい過ぎてまいる…
なんか色々萌え萌えして癒された。
そして攻の関目が、ナチュラルにいい男だった。
一瞬当て馬かと思いきや、だたの親切な同僚だった千林も、
インテリ眼鏡ビジュアル含め、ちょっと腹黒くて策士なとこもすごく好み。