あらすじ
『野ブタ。をプロデュース』から10年。絞り出すように綴る、本音小説。
30代の結婚は、好きだけじゃ無理。
過去に大ヒット作を出したきり、売れなくなった作家の佑人、仕事は真面目にやりつつ、掃除も料理もできない編集者の里奈。同棲を経て婚約した二人だが、その前途には、障壁がいっぱいだ。学歴、会社、実家、仕事、元カノ、年収、料理、貯金額、浮気……etc.考えれば考えるほど、したい理由より、したくない理由が積み重なっていく(「結婚問題」)。円満な離婚の後、のしかかってきたのは、生活レベルを落としたくないがゆえに、子どもをあてにする母親だった(「葉子の離婚」)。「好き」だけではどうにもならない30代の結婚を、正面からとらえて描く2編。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
よかった。まさに今、このまま結婚してしまうかどうかを迷っている身としては、ぶっ刺さって一気に読みました。
結婚、ハッピー!って感じではなく、終始モヤモヤしながらも、結局は波長の合う2人が良いなぁと思いながら読みました。
自分も里奈に近い感情を抱いていたけど、相手の優しさを当たり前に思いつつあって、感謝が足りてないような気がしました。
自分と一緒にいたいって真剣に言ってくれる人の存在は、ありがたいものだと思う。結婚しようかなあ。。
Posted by ブクログ
この人が絶対に自分にとっての運命の人!と確信して結婚できる人がどれくらいいるんだろう‥
少ないからこそ結婚することが当たり前ではなくなってるのはではないだろうか
未婚でいることは何も悪いことではないのに、なぜか焦ってしまうこの現象を最近ひしひし感じている
Posted by ブクログ
結婚ってなんだろうと、改めて考えさせられた。
結婚生活って、結局ただの日常、
そんな里奈の言葉に共感。
でも、その当たり前が幸せなのかもしれない。
Posted by ブクログ
こんなふうにていねいに心の動きを描かれたら、そりゃあ、素晴らしいと思うしかないよ。なんか、ほんとよかった。しばらく気持ちがしんどかったんだけど、久しぶりにほんわかした気分。人って、複雑なのだ。
Posted by ブクログ
すげー好きになったりとかさ、大事やなって思う人ができたりするともう一人の人が自分の人生に入ってくる。どうあがいても無視できない存在になる。身軽ではなくなるけどその分得るものもある。
結婚はドライブの助手席に乗って欲しいひと。
渋滞の時どう対応して欲しいか。別に優しいことが正解でもないし人それぞれの物差し。
Posted by ブクログ
結婚する前こんな風に心が揺れ動くのだろうなぁと思った。
「たとえ傷口がふさがっても、傷あとは長いあいだ残るんだ。何もかもが元通りになるわけじゃない」
にその通り!と思った
Posted by ブクログ
結婚を控えたヒットを一本だけ放ったことのある作家と出版社勤務の編集者。優しい気持ちの中に残酷さや甘えが混じって、関係が悪化していく。
ケンカするときってこうだよな。
一緒に暮らすってそうだよな。
大切な人って言い表すの難しいよなと思わせてくれる。
作家が語る言葉が、硬くもなく気分に流されることもなく、心地よい。
Posted by ブクログ
時代が進んだから所々男女の役割とか職場の様子にモヤッとする部分はあったけど、楽しめた。まだ20代前半だから今後こんな感じになるのかなあ結婚大変だなんて思いながら読めました。
Posted by ブクログ
30のときに読みたいに登録した本。
残念ながら読めたのは33になった今。
「想像がちゃんとできてないってことだからね?」
一言で人の印象が大きく変わる。
こういう目線で見ないとね。
Posted by ブクログ
未婚30歳の女性が結婚相手を選定していく話かと思い手に取ったが、実際主人公は29歳で婚約もしていた。
結婚に対しても結婚式に対してもたいして憧れや葛藤がなかった私には少々共感に欠けたけれど、婚約者の言葉が心に刺さり→魅力的に見えていた他の男性が急に薄っぺらに感じられ→今まで自分を優先させ婚約者に対しての気づかいを忘れていた自分に気づき→やっぱり結婚したいと伝える一連のシーンが好きだった。王道なパターンではあるけれど、つい忘れがちな相手への感謝や愛情をやっぱり思い出させてくれる。
Posted by ブクログ
『結婚問題』
結婚って、「素敵!めでたい!うつくしい!」って言われるけど、実際そりゃめちゃめちゃ怖いもんだよな!
だって先のことが全然わからない中で、これからの未来のある程度の道筋を決定しなきゃいけないんだから。
しかもそれは自分一人のじゃない、もう一人の人の未来も大きく左右する。
ある意味ギャンブル。
2人は、「今の気持ち」で結婚を決断してた。
「これからは気持ちを入れ替えよう」と誓うけど、「私のことだからまた戻ってしまうだろうけど、誓わないよりはここで誓ったほうがいい。」と続く。
「晴れやかな日は結婚式だけで、結婚したことを後悔する時がくるかも、人生最大の過ちになるかも」と思うけど、でも結婚してよかったとまっすぐ思っている。
未来に自信はない。お互いのだめなところはそう簡単に変えられない。でも今結婚したいと思う。だからする。
今いっさい嘘がなければ、きちんと納得できれば、間違った選択にはならないし、無駄にはならないのかもしれない。
絶対に間違いでない選択かどうかなんてきっと一生わからないし。
実際家族や未来の子供のことまで考えると、そう簡単には決められないけど。
だからこの文「私は幸せになりにいく。」がすごく印象的だった。
幸せは怖い!
勇気がいる、気合がいるもんだ。
花婿は、花嫁は勇ましい。
『葉子の離婚』
悲しいことでもちゃんと向き合って思いっきり気が済むまで悲しまないと、次の悲しくない世界にいけないんだなあ。
悲しく思う時間が無駄ではないのは嬉しいけど、しんどいことに変わりない。
でも少し肩の力を抜けた気がする。
結婚って、相手にはもちろんだけど自分にも向き合うものなんだなあ。
急にすんなり行きすぎじゃね、とか弟への態度なんかきもくね、とか色々つっこみどころはあるけど、結婚について考えられておもしろかった。
相手を信じる。自分を信じる。
それが結婚・・・か?な??
所詮結婚も日常のひとつだし、重く考えすぎなくてもいいのかもだけど、どんな日常が未来に欲しいかってことかなあ。
私も私なりの、スッキリできる、嘘のない答えが見つけられたらいいなと思う。
Posted by ブクログ
過去に1作当てた29歳の専門学校卒の作家。これ作者のことじゃないか。デビューから出した本の冊数とかも同じだし。そう当てはめて読むとなんかすごい葛藤を感じる。すごく個人的な作品なんじゃないかと勘ぐりたくなる。この時期に作者が結婚というものに向き合っていたらそう感じたくなる。里奈に言い寄っていた男は結局かませ犬にすらなれなかったなぁ。里奈の気持ちも結局そこまでぐらついていないし。装丁は水風船。「葉子の離婚」の印象的なアイテムだ。
Posted by ブクログ
婚約中の佑人と里奈。
作家として生活はしているが年収も定まらず
不安定な毎日を過ごす佑人。
里奈の揺れ動く気持ちに佑人も気付いてはいるが・・
「結婚問題」
傷ついても、ちゃんと悲しむことのできない葉子・・
「葉子の離婚」2編が収録されている。
佑人と里奈の、もっとドロドロとした愛憎劇が描かれていても良かった。
どちらも好い人過ぎる。
サラッとした展開に少しの物足りなさを感じた。
「葉子の離婚」悲しみを閉じ込めてしまう葉子の葛藤は共感できる部分がある。次回作も楽しみ。