あらすじ
【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。
捕物帳作品といえば、江戸時代の江戸市中を舞台にしたものが主流の中で、本作は、時代も舞台も異色中の異色として大喝采を浴び、1978年、第八十回直木賞を受賞。81年には、桂枝雀主演によりNHKでテレビドラマ化された作品。ユーモアに溢れ、痛快至極の有明ワールドが完全復刊。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
時代もので人情ものでもありますがコージーミステリに分類。謎解きはしっかりしているし登場人物は勝手にしゃべりだしそうなほど生き生きとしている上質の連作。明治維新直後の大阪を舞台に、ご一新で制度や服装や作法もがらりと変わったものの生きてる人間は同じなのでなかなかボタンひとつで切り替わるというようには行かず、旧幕時代の名残もありつつ、という面白い時代。旧幕時代は奉行所に仕えていた源蔵親方は現在は警察組織には属さないものの外部委託のような格好で協力をしています。その風貌から<海坊主の親方>との異名をもつ源蔵が糸口を見出すところまでは直接語りなのに、いかように謎を解き事件を解決したのかという一番いいところは、近所の大店のご隠居徳兵衛が新聞に投稿した事件顛末記事で語られる、というのが定番。リズムの良い大阪弁の口語と、徳兵衛の記事の独特な名調子の語り口も、読んでいて心地よくなってきます。桂枝雀主演でNHKでドラマ化されたそうです。ドラマも見たくなりました。