【感想・ネタバレ】路地裏の資本主義のレビュー

あらすじ

もっとも広く世界で採用された資本主義だが、今や穏健で理想的なシステムというより、格差を拡大させながら、地球規模で迷走し始めた暴力的な収奪システムに変貌しつつあると言えよう。資本主義は何処へ行こうとしているのか。それとも、資本主義に代わりうる経済システムが構想されるのか。実業家・大学教授・文筆家としての顔だけではなく、今年から喫茶店店主としての顔も持つ著者が、商店街や路地裏を歩きながら、身近な経済を通してわたしたち現代社会の問題点と将来のあり方を考察していく。コラムニスト・小田嶋隆氏も「縁の結び目が金の繋ぎ目! 路地裏経済の再生を考える快著」と絶賛!

平川克美(ひらかわ・かつみ)1950年、東京都生まれ。早稲田大学卒業。リナックスカフェ代表のほか、声と語りのダウンロードサイト「ラジオデイズ」代表も務める。2011年より立教大学大学院特任教授。主な著書に『グローバリズムという病』『小商いのすすめ』ほか。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

資本主義生産様式では、日本に起きている問題の拡大が収束することはありません。

 資本主義生産様式では、日本に起きている問題の拡大が加速することはあっても、収束することはありません。もはや、各国単位の問題ではないので、政策で抑え込むことは不可能なのではないかと思われるのです。

>『路地裏の資本主義』は、わたしたちが今生きている、資本主義生産様式の世界を、肌身に感じるやり方で理解したいという思いから名付けられたもの……成熟した資本主義国家の常として、市場が飽和し、人口が減少し、自然過程としての経済成長が望めなくなった今……経済が停滞してから生まれてきた若い人たちの中から、生き延びるための共生へと向かう人たちが現れてきています。シェアハウスという共有空間で暮らす、NPOを働き場所として選ぶ、あるいは地方で生きるという選択も志向され始めています。足下に定常経済は見出せるはずです……。

以上は、この本の「はじめに」から終章にかけての大まかな流れを捉えるために、抽出した言葉です。「マルクスは、資本主義生産様式というものは歴史の必然によって内部矛盾を拡大し続け、ついには自然崩壊するだろうという予見をしたのです。」とのことですが、著者の平川克美さんは、マルクスの予言通りになりつつあると感じているようです。それは、なぜなのか考えてみましょう。

「この十年間の間(第一刷発行2014年9月)の日本に起きているのは、雇用の不安定化であり、格差の確実な拡大であり、中小企業の倒産であり、地方の過疎化であり、高齢者の急激な増加など、数え上げればきりがありません。」資本主義生産様式では、このような問題の拡大が加速することはあっても、収束することはありません。もはや、各国単位の問題ではないので、政策で抑え込むことは不可能なのではないかと思われるのです。

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2020年05月07日

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