【感想・ネタバレ】イスラームと世界史のレビュー

あらすじ

世界は新たな対立と緊張に直面している。中東和平や中央アジアの動向は今後どのような展開をみせるのだろうか? 世界史への登場以来、先進的な文化を誇ってきたイスラームは、けっして異質で非寛容な文明などではない。世界史と日本史をつなぐ歴史的な視点を軸に、21世紀の国際政治を世界史的視点から問う。

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Posted by ブクログ

[多様な入射角から]二十世紀の終わりを目前にして、日本人のイスラーム研究の第一人者である筆者が、歴史について様々な思考を試みたエッセイ集。 タイトルにあるイスラームを始め、中央アジアやロシア、日本史や歴史観など、多様な角度から歴史の本質に迫る言及がなされています。著者は、『イスラームと国際政治』、『ラディカル・ヒストリー』など多数の著作を有する山内昌之。


(本書のタイトルが少し内容に鑑みてミス・リーディングな気はしますが)歴史の面白さ、そしてそれに深い洞察を有することにより見えてくる異なる地平の有意義さがひしひしと感じられる作品でした。エッセイが書かれた時期は今から15年ほど遡るのですが、今顧みてもまったく古さを感じさせない内容になっています。これも目先のことばかりでなく、一つ遠くを思いやる著者の時間感覚がある故のことなのでしょうか......。

〜「文明の衝突」とは、存在するものではなく、つくられるものなのである。そして、その神話をつくりだすのは、欧米だけとは限らない。欧米とくにアメリカの実力を無視したイスラーム主義者による挑発も、「文明の衝突」を現実化する要因であることを忘れてはならない。〜

知識量とそれを活かす鷹揚さがスゴい☆5つ

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2016年06月22日

Posted by ブクログ

[ 内容 ]
民族宗教紛争の多発により世界は新たな対立と緊張に直面している。
中東和平や中央アジアの動向は今後どのような展開をみせるのだろうか?
世界史への登場以来、先進的な文化を誇ってきたイスラームは、けっして異質で非寛容な文明なのではない。
日本人にとっては、日本という独自の枠組にこだわることで、かれらとの協調と理解の地平はおのずと見えてくるにちがいない。
では、イスラームという入射角から光を照射すれば、世界史はどのように現れてくるのか?
世界史と日本史をつなぐ歴史的な視点を軸に、21世紀に向かう現代世界とイスラームがかかえる課題を問いなおす現代人のための一冊。

[ 目次 ]
序章 20世紀―戦争と革命の世界像
第1章 世界史の十字路―中央ユーラシア
第2章 現代史のなかのイスラーム
第3章 中東の運命
第4章 歴史家の眼
第5章 国際社会のなかの日本
終章にかえて イスラエルのバラク政権と中東和平

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2014年10月30日

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