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Posted by ブクログ
ピーター・ティールがスタンフォード大学で行った講義を基に構成された本書は、革新的な思考法と起業家精神についての洞察に満ちた一冊です。彼の主張は、単なる技術的進歩ではなく、ゼロから全く新しい価値を生み出すことが真のイノベーションであるというものです。
本書は、ペイパルの創設者であり、テスラ・モーターズやスペースXなどの企業を支援する投資家でもあるティールの経験に基づいています。彼は、成功した企業は単に既存の市場に参入するのではなく、新たな市場を創造し、そこで独占的な地位を築くことが重要だと説いています。これは、競争よりも独占が好ましいという、従来のビジネス理論に対する挑戦的な視点です。
ティールはまた、スタートアップが直面する困難や、成功への道のりで重要な要素についても語っています。彼のアプローチは、失敗を恐れずに大胆な賭けをすることの重要性を強調し、既成概念にとらわれず、自らの道を切り開く勇気を持つよう促しています。
この書籍は、イノベーションとは何か、そしてそれをどのようにして達成するかについてのティールの独自の視点を提供しており、起業家だけでなく、新しい価値を生み出したいと考えるすべての人にとって価値ある読み物です。彼の教えは、読む者に対して、単に既存のものを改善するのではなく、全く新しいものを創造することの重要性を教えてくれます。
私は、この書籍が提供する知識と、それを実生活に応用する可能性によって豊かになりました。本書の教えは、今後、行動するための推進力となるでしょう。
Posted by ブクログ
この本のここがお気に入り
「ネットワーク効果を狙う企業は、かならず小さな市場から始めなければならない。フェイスブックはハーバードの学生だけの間で始まった。マーク・ザッカーバーグの最初の目的は同級生全員を加入させることで、全世界の人口を狙ったわけではなかった」
Posted by ブクログ
【未来をつくるものは争わない。】
前書きを読んだらまず素晴らしかった。無知は私はこの著者が何者かを知らなかった。ペイパルの共同創設者であり、優れたエンジェル投資家であり、その他ビジネス界においてとても業績のある方。
スタートアップ理論、みたいな形で実際の大学での講義をもとに書かれた本。私は特に起業やベンチャー企業への投資をしよう、と思っているわけでも何でもないけれど、誰にでもわかりやすく面白く描いて頂いているのはとてもありがたい。
著者は、逆張りで取り組むことを勧める。まず、競争することを否定する。変化する社会においては、新しいアイデアで新しい市場を作ること、つまり独占は善となりうる。それこそが、スタートアップができること、つまり未来をつくること。ビジネス用語的には差別化、それなくして誰も勝たない、と。
このゼロサムではない考え方、そして長期的に勝つために、目先の競争に加わらないことが大事、といっていたと思う。
さらに公判では、あいまいな楽観主義について問題提起する。そのあいまいさは、たとえば、ポートフォリオを分散することで、どこかで辺りが出ればいい、といったリスク分散の考え方や、リーン・デザインで、少しずつ改善していってやっているうちにベストを作って行こうとする手法や、人々がお金を使ってできることよりも、お金自体に価値を見出している状況、などなど、の今日の主流に一石を投じる。
そして成功者の話にもなり、人生はポートフォリオじゃない、ガチャじゃない、といった論を続ける。重要なのは何をするか。それを覚悟して明確な未来を描いて一つ一つ一つ取り組むか。(私は痛い。)
そう、ビジネス界での勝ち組について書いている、ともいえるのかもしれない。
先日読み終えた、人新世の資本論では、閉鎖的な技術を批判し、オープンな技術、経営の民主化、みたいなことを言っていた。一方この本は、ザ・資本主義でどう勝つか、でもあり、ビジネスとしては新しい希少性を全力で作り出すことをすすめているようにもとれる。もちろん、そのビジネスと技術の活用は人間を豊かにする、という前提がある。(マルクスら19世紀の思想家の明確なビジョンという点については肯定していた。)
やっぱりビジネス界トップ人たちは一流の考え方をするのだろう、とただ思ってしまったりもするけれど、この視点はとても参考になった。ただ成り行きに任せて大きなことを達成する人はいない。それは絶対に忘れてはいけない、あいまいにしてはいけない、と思った。
Posted by ブクログ
新しいテクノロジーを生み出すのは、だいたいベンチャー企業だ!理由は単純で、大組織では新しいものは開発しづらく、官僚的な組織は動きが鈍いし、既得権者はリスクを避けたがる!機能不全が極まった組織では、実際に仕事を片付けるよりも鋭意努力中だとアピールした方が昇進しやすい!!
ベンチャーキャピタルが投資するアーリーステージのスタートアップでは、CEOの年収は15万ドルを超えてはならない!政治家のように、現状維持のインセンティブが働いてしまう。
Posted by ブクログ
【要約】
著者の課題
人類には奇跡を起こすテクノロジーを生み出せる力がある。テクノロジーはゼロを1にすることができる。今は過去の成果をコピーしてばかりで、水平にしか進歩しない。ビジネスに二度と同じ瞬間はない。
解決方法
ゼロから1を生み出す企業をどう立ち上げるかを教えるためにスタンフォードで教えている内容を本にまとめてより多くの人に知ってもらおうと思った。スタンフォードやシリコンバレーだけに独占させていいわけがない。
内容
ドットコムバブルの教訓によって、スタートアップには次のような戒律が生まれた。「少しずつ進める」「無駄なくリーンに」「ライバルの改良をする」「プロダクト重視」といったものだ。しかし、この逆を張るほうが遥かに進歩する。
成功している企業は、競争ではなく独占している。Googleが検索市場で戦っているとすればYahoo!やBingと競争していることになる。しかしGoogleは独占していないと嘘をついているだけ。アルゴリズムで圧倒している。
独占すればいいので、先行者(ファースト・ムーバー・アドバンテージ)にならずともで、終盤で勝てばいい(ラスト・ムーバー・アドバンテージ)。チェスで勝つために終盤を学ぶように。
隠された真実を探すべきだ。「賛成する人がほとんどいない大切な真実は?」という問いに多くの人に答えられない。真実とは「重要だけど知られていない、難しいが実行可能な何か」。多くの人は探求心を失っているので発見しにくくなっている。
もし、真実を見つけることができたらどうするか。
ティールの法則と呼ばれており、実際にティールが投資する基準にもなっている。誰と始めるかが大事、フルタイムで働く、CEOの給与は15万ドル以下…。スタートアップのメンバーは同じパーカーをいるが、それぞれが別のミッションを担い責任を持つ。しかし目指すものは同じであり、これはマイルドなカルトだ。
【まとめ】
ティールは競争よりも独占を良しとしており、小さな市場を独占することから始める事が正しいと考えている。
競い合う人たちの間には違いがあまりないということです。ライバルを気にすると、本質を見失う。
ファーストムーバーアドバンテージという言葉があり、私たちは市場に初期に参入することで利用者を誰よりも早く囲い込むことが大事と考えるが、後から容易に模倣されるようではいけない。
終盤を制するために何を考えるべきかが重要。
本書の中では、「賛成する人がほとんどいない、大切な真実は何か」という問いが繰り返し出てくる。
その問いの答えを抽象的に表現すると、「重要だけど知られていない、難しいが実行可能な何か」です。それは定説(簡単)と解けない謎(不可能)の中間にあるもの。
①隠された真実を見つける
これは競争の延長線上では見つけられないもので、今まで価値があることに気が付かなかったことに気づくということ。起業におけるいくつかのメソッドで、「競争」を意識しないことを考えるのであれば、格段に確度が高くなる気がします。
②隠された真実を形にする
これだというものを見つけったら、将来キャッシュフローを生み出す構図を描くことが重要。さらに実現に向けては誰を同じバスに乗せるのか、マイルドなカルト創り出す。
③競争ではなく独占
「ライバルはいない」と言えるようにする。
Posted by ブクログ
ペイパルを創業したシリコンバレー屈指のベンチャー投資家による本。
ここで書かれているのはベンチャーで成功する方法ではない。冒頭で著者が述べているように、成功するかどうか分からないからベンチャーであり、成功する方法を一般化する事は出来ない。
本書の内容は、著者による世の中をどのように見ているかという哲学的な思想が中心になっている。彼のこれまでの具体的な投資の事例などには詳しく書かれていないので、そうした期待に対して応える本ではない。
世の中で成功するには、良い教育を受け、良い成績を上げて有名大学に進学して有名企業に就職、そこで実績を上げて上級職になっていくという過程が標準になっている。この点は日本も全く一緒といって良い。全てが競争であり、それが資本主義の本質であり、良い事であるとされていると。しかし競争の行く末は、利益が低下し、誰も得をしない結果になると著者は極論を述べる。目指すべきは競争ではなく、独占、誰もやっていないことをやるという事が述べられている。
ブルーオーシャンという言葉が言われるように、競争戦略としては目指すべき理想的な姿ではある。。。が、言うは易しで簡単に出来る事ではない。ただ、彼が言いたいのは、競争社会の中でせっかくの優秀な人間がつまらない人生を送るのであれば、もっとみんなが気づいていない事、書中では「隠れた真実」と書かれている、の存在を信じて、それを探し当てる事にその才能と浸かったらどうだい?という事。
非凡すぎる著者ゆえの結論だろうが、やはり一般人が簡単に真似を出来る話ではない。こうした哲学的な話しが中心なので、正直それほど読んでいて面白くは無かったし、ある意味変人である著者から学べる事は少なかったのが感想。