あらすじ
ある日ドジっ子の神様により、間違えて命を奪われた秋野友昭。お詫びにとチートし放題の転生を持ちかけられ嬉々として受け入れるが、生まれ変わった姿はエルフの女の子だった!それから時は経ち、友昭は才色兼備の受付嬢・イリアとして、ギルド連合リュネヴィル支部で働いていた。剣と魔法の世界で、ギルドの仕事が今日も始まる。「小説家になろう」で大人気、チートな受付嬢が紡ぐ異世界ファンタジーが、全編大幅加筆修正でついに書籍化。書き下ろし番外編『イリアのチートな知人たち』では、web版では描かれなかったタイラントスパイダー戦の模様も収録。
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Posted by ブクログ
普通だったらいの一番に語るであろう、帯にも裏表紙の粗筋にも堂々と書いてある根幹要素が、本編中では「チート能力」のバックボーン程度に留めてあるのには正直感心した。
あくまでもイリヤはこの世界の住人としての主人公であり、かの土地に(浮きつつも)根付いた存在(しかもエルフ)であり、なおかつ美少女であり。それでいて元々はこちらの世界の社会に揉まれた男子であるが故に、読者側の視点としても移入しやすく、しかしながら「前世」の直接的な思考は一切漏らさず、あくまで「イリヤ」という女の子として違和感のない性格設定言葉遣い。更には元男だから恋愛対象は男に向かず、百合上等。という、相反しまくった要素が「裏設定」一つで賄えてるんだから、うん、巧いわ。
表紙と「元男の転生モノ」という設定に惹かれて買ってみたけど、いい意味で見事に裏切られた感。大当たりです。
物語も「チート冒険記」ではなく、それを経た後の、腰を落ち着けた「ギルド組合の受付嬢」という立ち位置に収めたことで、剣と魔法のファンタジー世界でありつつ、元の知識を活かした食・文化・街の発展モノとして楽しめるんだからスキもないわ。