あらすじ
宮沢賢治は生涯独身を貫いた。それを自己犠牲による高邁な思想と捉えず、彼の作品を性的妄想がうずまく不純な産物として読みなおすと、これまでとは違う賢治像に出会える。「童貞」として、他者との関係を自ら断っていく賢治の生き方は、現代のさまざまなコミュニケーション障害の病につながり、また絶対的な他者との同一化を目指すテロリズムの思想にも親和性をもつ。まったく新しい宮沢賢治の世界を俯瞰する、挑戦的な一冊。
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Posted by ブクログ
性的なものから解き放たれた聖人になりたいと考えるあまりにそれに固執しているみたいな宮沢賢治。
賢治の作品に繰り返し見られるある種行き過ぎた自己犠牲的な行動はその最たるものではないか的な。
この辺りまで読んで、自己犠牲とDTってすごい相性がいいんだなぁと思ったんですよね。全てが自分の中で完結している。他人が入り込む余地がない。
愛し合うには自分の醜いところもさらけ出さないといけないから、賢治はそういうところを他人に見せることを良しとしなかったのかもしれない。ただ自分を捧げるだけ捧げて、誰かの中に綺麗に残りたいというのは高潔なようでいて、ひどく幼稚だなというような感想を抱いた。
最後の方に「贈与」っていう概念が出てきます。
「贈与は贈与と認識された瞬間に、(返済が必要な)負債となる。そうならないためには贈与であることを忘れ無ければならないが、そうすると贈与として成立しなくなる」みたいな禅問答が割とすき。この辺は『セロ弾きのゴーシュ』らしい。