あらすじ
数万人に一人が罹り、必ず十代の内に自殺へと追い込む奇病・モーテ。孤児施設に送られた少年・サーシャは美しい少女・マノンに出会い、彼女を救うために動き出す。しかし、そこには驚愕の事実が隠されていた。
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Posted by ブクログ
一人MF文庫祭りを開催中。カズキヨネ氏の美麗なイラストと相まって一つの素敵な物語が作られている。イラストレーターの選別にせよ、カバーの厚みにせよ、編集部が力を入れているのが分かる。そして実際に面白い。館もののミステリを思わせる重厚感、それでいて重苦しさは感じさせないリーダビリティの高い文章、過不足ない登場人物に、光と闇の配分に、傷ついても前へ進むエンディングと、まるで映画のようだ。
語り手が変わることで物語の様相ががらりと変わる。アランという裏事情を知っている男の子が美しい少女マノンに恋をする物語から、見た目で怖がられる男性がきれいな写真を撮る少女マノンと愛を育む物語へと。この設定でしっかりと一本書ききったことが、素晴らしい。
Posted by ブクログ
面白かった!途中、語り手の視点が変わってからぐいぐいと読めた。
ファンタジーな世界観の中で描かれるシリアスなラブストーリーものかと思いきや、途中で作品の雰囲気が一転する。
子どもたちの視点と、おとなの視点とで、同じ事象でもガラリと受け取る印象が異なってしまうのが面白い。その仕掛けもうまく出来ていたし、軸となる切ない恋愛も「その二人か!」と意表を衝かれた。
読み終わるとドゥドゥのことが愛おしくなります。そしてまた頭から読み返したくなる。
ドラマCD化するということで読んだ一冊だったけれど、この話をどうやって音声化するのか興味津々。楽しみです。