あらすじ
初恋相手のヴァンパイア・櫂と伴侶の契りを交わした律也。だが、蜜月期にも関わらずなかなか会いに来てくれない櫂に少し不満な日々。櫂と交わることで次第に体が変化し、ようやく夜の種族の世界で共に過ごせることになり喜ぶ律也だったが、不吉な夢で見た通りにヴァンパイアの始祖・カインを甦らせようとする者たちにさらわれてしまい……!?
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
杉原さんの超絶ファンタジー『薔薇と接吻』の続編。ヴァンパイア氏族の長となった櫂と櫂と共に永遠を生きる決意を固め伴侶となった律也の“新婚篇”
どんなラブラブ甘々が繰り出されるのかと思いきや、意外とシリアスなトーンだった。
でも前作よりもエロの頻度と濃さは五割増しな気も! 新婚さんなだけにww
ファンタジーは物語の世界観を説明する必要があるから冗長になるのはやむを得ないけど、結構ページ数くったなぁと思う。
正直、ファンタジーは得意じゃないので、夜の種族、浄化者、狩人、狼男とか、ふぅーん…(・、・)?って感じで、長の代替わり、氏族同士の争いとか言われてもどっぷり入り込めないんだけど、ヴァンパイアの櫂がビジュアルも性格も超好みなので、それだけでご飯三杯くらいいけそう。
ストーリー自体はただ好きな人と結ばれてずっと一緒に…みたいな夢物語じゃなく、この先果てしなく長い時間がふたりの前にあるけれど、決して永遠を約束するものじゃなくて、いつか終わりはやって来る。何がふたりを分かつのかはわからないけれど、いつか自分が死ぬなら櫂のそばで、櫂が死ぬなら自分のそばで…と律也が共に生きる覚悟を決める、そんなお話だった。
私個人的には、本来サブキャラのレイとフランが、メインカプを喰うくらい印象的だった。ふたりの結末は、それが最善の方法だと頭ではわかっている。なのにこの切なさはなんだろう。
フランにとって、どんな形にしろ、やっとひとつになれたことは幸せかもしれない。二度と離れることはないのだから。
でもやっぱりどうしようもなく悲しい。フランの灰を抱きしめるように、そっと静かに口づけたレイの姿が鮮烈に胸に残った。