【感想・ネタバレ】チームが機能するとはどういうことか ― 「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2023年10月15日

企業の研究開発をリードする立場として、たくさんの知見を得られた。
軽く流し読みして終えるつもりだったが、重要なことが多く書かれており、熟読してしまった。一度に消化しきれる内容ではなく、思い出しと定着のために再読することになりそう。

※書き途中

0

Posted by ブクログ 2021年01月21日

タイトルのとおり「チーミング」に軸足を置いた一冊だが、そのまなざしは生み出すべき価値へと向いている。
変化に適応し、課題と向き合い、価値を創出してゆく。そのために組織は学習する必要があり、チーミングが必要とされる。
いわゆる「心理的安全性」について深く学ぶという点はもちろんだが、変化の過程で起きうる...続きを読む事象(一時的に「悪くなった」ようにみえることなど)や周囲の巻き込み方が非常に参考になる。

0

Posted by ブクログ 2018年05月20日

Google のプロジェクトアリストテレスにより、成功するチームの共通的な特徴が解明されている。それはチームの心理的安全性が高いことであった。
トップダウンのチーム運営はもはや古く、機能不全を起こしていると巷で言われて久しい。では、実際にリーダーとワーカーという関係ではなく、チーム全体で成果を上げる...続きを読むにはどうすればよいかということはまだまだ普及していないと思う。
自分の能力だけでチームを引っ張ることに無理を感じているリーダーや、チームメンバーの自立制の低さに悩んでいるリーダー、リーダーの強権的な態度に違和感を感じているメンバーは、その解決策へと続く理論と実践を本書は与えてくれると思う。

0

Posted by ブクログ 2018年01月31日

組織やチームで目的を目指し心1つに束ねて向かう基礎力の全ては心理的安全性だと思う。人間関係全てがそうだ。心理的安全性だ。何でも話せる関係こそアイデンティティが高まる。そして行動から起こる上手くいくこと上手くいかないことの反応全てに学びがあり、失敗を恐れることなく安心して学び、昨日より明日の自分たちが...続きを読む賢くなっていけば働くこと引いては生きることはずっと楽で、楽しい。地球すべてのシーンに喜び満ちたチームを!学びを!

0

Posted by ブクログ 2016年01月02日

「チーミング」について理論的な裏付けと実践編についてバランス良くかかれた本。「学習する組織」にも関連していて、何度も読み直したくなる。

0

Posted by ブクログ 2014年10月06日

■チームを率いるすべての人におすすめ

この本はタイトルの通り「チーム」についての研究です。

チームとしてうまくまとまるチーム、まとまらないチーム。
うまく結果を出せるチーム、出せないチーム。

誰しも色んなチームを見たり、自分で経験したりしてると思いますが、
そういうチームというものの運営に興味...続きを読むのある人はぜひぜひ読んでみて欲しい1冊。

基本的にビジネス書に分類される本だと思いますし、ベースとなっているのはさまざまな経営理論の知見です。しかし、チームというのはビジネスの場だけのものではもちろんなくて、NPOなどNon Profitな様々な組織にも活かせるし、学校の教室運営なんかにも応用可能な内容が盛りだくさんでした。

■最新の理論をチームにおける「リーダーシップ」の観点から再定義

付箋貼ったとこ全部取り上げていたらきりがないので、ざっくりとまとめますと、
この本の価値はリーダーの役割を再定義したこと、でしょう。

古今東西の様々な経営理論、リーダーシップ論に加えて、心理学などの最新の成果を盛り込みつつ、著者自身によるインタビューや実験などの研究結果の集大成と言える本なのですが、
いろいろな理論を参照しているのでこの手の本を読み慣れている人にとっては、前提の整理自体は目新しいものではないと思います。

・チームが立ち向かう課題は分類することができる
・ルーチン業務、複雑な業務、イノベーションの業務
・それぞれのチームが関わる課題が何なのかを見極めることが大切である
・業務によって目指すべきチームの形は変わる
・いまの時代、これまでのルーチン業務で対処できる問題ばかりではなく、イノベーションの業務が増えている
・イノベーションの業務には上手に失敗し、早く成功する「学習する組織(チーム)」を作ることが大切である

特に後半、学習する組織という議論自体は、近年言われているリーンスタートアップとほぼ重複する内容です。引かれている理想事例もトヨタウェイであったり、IDEOであったりと、おなじみの顔ぶれ。

ただ、リーンスタートアップを読んだ時もそうだったんですが、
うん、そういう体制作れたらすごいよね、
とは思うんだけど、じゃあ実際にどうしたらいいの?ってなるんですよね。

その大切さはわかったけど、自分一人その大切さが分かっても仕方がなくて、
リーンなチームに生まれ変わるために、チームメイトにどう働きかけていけばいいの?っていう部分がよく分からない本が多かった。

それに対してこの本は、適切なチーミングを発揮していくためにリーダーが果たすべき役割を示すことに重点を置いています。
各章の終わりには必ず「リーダーシップのまとめ」が行われ、さまざまに展開する議論をリーダーとしての役割から整理し直してくれます。


■フレーミングの大切さ

おそらく自分自身がどのような課題をもって、どのような組織に関わっているかによって、深く考えるポイントは人それぞれなのではないかと思います。

僕がものすごく大切だな、と感じたのは「フレーミング」というリーダーの役割。
チームをどのような組織として定義づけるか、というようなことですが、そこにはいくつかの段階がある。

・リーダーの役割…リーダーは専門家としてフレーミングするか、それともメンバーと相互依存する存在としてフレーミングするか
・チームの役割…チームのメンバーは技術に長けた補助スタッフとしてフレーミングするか、権限を与えられたパートナーとしてフレーミングされるか
・プロジェクトの目的…プロジェクトの目的が、受け身で消極的なものとして伝えられるか、向上心あふれるものとして伝えられるか

「これから新しいことやるから、よろしく」みたいな掛け声はよく聞く。イノベーションの課題に立ち向かうチームを作ろうとしている場面で。声をかけているリーダー自身も、良いチームを作ろうとして声をかけているが、うまくいかないことがあるのは、きっと3つの要素のうちの何かが欠けているんだろう。
リーダー自身の関わり方が微妙であったり、目的自体の設定が微妙であったり、これまで関わってきたいくつかのチームを振り返って、ものすごくなるほどな、と思った。
また、チームの役割という部分もなかなか難しくて、メンバー間に理解の差があるとたぶんうまくいかない。自分たちは権限を与えられたパートナーなんだ、主体的に関わっていくべきだと全員が認識しなくてはならないし、チーム内に専門家が混ざっている場合もその専門性があるからといって無意味な序列を残してはいけない。ここらへんをチームのスタートの段階で、手を抜かずに、丁寧に行う必要がある。

他のメンバーはそれぞれに別の視点を持っていること、自分とは違った角度からものを見たり解釈しているかもしれないことをはっきりと意識し、お互いに話し合うこと

これこそが学習する組織としての本質である。そして著者はこうした状況は「企業その他の組織的環境において生じることはまずない」と言い切る。これはリーダーの役割なのだ。

フレーミングにおけるステップは「登録」「準備」「試行」「省察」の4段階があるが、このうちリーダーのフレーミングとして特に大切だと感じたのは一番最初の「登録」段階。

登録とはチームに加わってもらうメンバーをリーダーが厳選するステップとされます。
「このステップの重要な特徴は、プロジェクトや役割のために特別に選ばれていることを、本人にはっきりと伝えることだ。これにより、専門技術の上でも気持ちの上でもその仕事に深くかかわる用意が整うのである」

チームの作られ方にはいろいろあるので、必ずしもリーダー自身が厳選したメンバーではないこともあるだろうし、現実的に専門性やスキルの面で選ばれた特別チームを率いるなんて場面は少ないと思う。それでもこの段階の大切さは変わらないでしょう。むしろ客観的な専門性に裏付けされていないチームのときの方が大切でしょうね。メンバー側に自分でいいのだろうか、とか自分たちでできるんだろうかという不安があるわけだから。

例えば自分の経験に照らすと、課題解決型のNPOの現場でボランティアチームを率いる場合、ボランティアメンバーにはその分野における専門性なんかはまったくない場合がほとんど。むしろリーダーすうら専門職ではない場合すらある。それでもそうした課題解決型のNPOが直面する現場というのは明らかに正解のないイノベーションが求められる現場です。であるならば、初心者であっても、知識がなくてもそれに臆することなく、試行を繰り返していくための大切なメンバーであり、コミュニケーションをオープンにしていくことを、初期の段階でしっかりとフレーミングする必要がある、ということですね。

■不安を取り除きコミュニケーションをオープンにする

また、このコミュニケーションをオープンにするということのためにも、リーダーは心を砕く必要がある。
基本的に人は組織におけるコミュニケーションに心理的な不安を感じているから。
その不安には、いくつかのパターンがある。

・無知だと思われる不安
・無能だと思われる不安
・ネガディブだと思われる不安
・邪魔をする人だと思われる不安

率直に話ができる環境でなくては課題解決を続けていくことはむずかしい。
では、こうした不安を取り除くためにリーダーが採るべき行動は、

・直接話しのできる、親しみやすい人になる
・現在持っている知識の限界を認める
・自分もよく間違うことを積極的に示す
・参加を促す
・失敗は学習する機会であることを強調する
・具体的な言葉を使う
・境界を設ける…非難に値する行動をできる限り明確にする
・境界を超えたことについてメンバーに責任を負わせる…受け入れられない行動は公正に対処されることを示す

■失敗を歓迎することの意味

組織内の不安を取り除くという意味ではメンバー間のコミュニケーションと並んで、試行を繰り返してい行くことが重要だが、そのためには失敗の必然性と価値の両方を理解しているというメッセージを打ち出すことが大切である。

失敗も価値あるものであり、インセンティブを与えるべきである。

「多くのマネージャーは、社員が失敗は成功と同じくらい良いものだと考え始めてしまうのではないかと思って、何でも許される気ままな雰囲気が作られてしまうことを懸念している。しかし現実には、ほとんどの人が成功したいと高い意欲を持つようになる。誰しも成功したい、能力を認められたいという願いをもともと持っているのだ」
「正式な評価基準や報奨金の問題ではなく、失敗から学んだ教訓を公式ではない場で認めたり祝ったりするかどうかの問題である」

これはなるほどと思うと同時に同感。筆者が言う「ほとんどの人が成功したいと高い意欲を持つようになる」と言うのは、無闇にヒトの性善性を信じるというのとは違って、ヒトの社会的欲求を軸とした考え方であり、ポジティブな感情が力を発揮できるようにすることである。うん、これは大切だね。

■すべてがこうあってほしいと思うくらいにベストだったか?

さて、最後に引用するのは、チームにコミュニケーションを促し、ポジティブな試行に取り組ませるようにするためのリーダーの質問のパワー。
複雑でミスが起こりやすい(必然とさえ捉えられている)医療現場という環境において、医療ミスについての改善を促すために、リーダーが放った質問は
「じゃあ今週、各部署で、担当の感情について、実際にどんなことを経験したか、教えてもらえる?すべてがこうあってほしいと思うのと同じくらいに安全だったかしら」

単に「安全でないことがありませんでしたか」と問うのとは意味がまったく異なる。これはシンプルだけど、ものすごい大切ですよね。どれだけ言いやすい、考えやすい環境を作れるか。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年09月18日

(チーミングとは?)……チームワークという考え方やその実践によって、主に生み出されるものである、休む間のないチームワークだ。
(実行するための組織づくりとは?)……決まった手順の繰り返し⇒確実で先の見える組み立てラインのプロセス。
(チームをつくるための学習って?)……学習やイノベーションに関する複...続きを読む雑な相互依存には対人能力――意見の相違に折り合いをつけたり、専門用語を克服したり、解決策が生まれるまでアイデアや問題を検討したりといったチーミングによって後押しされるすべての活動に必要な能力が欠かせない、今日の組織で学習するには、互恵的な相互依存が不可欠であり、コミュニケーションとの協調があって初めてきちんと仕事ができるようになる。
(新たなリードの仕方とは?)……新しい働き方を理解している店長なら、従業員に駐車場をゴミのない状態にしておく責任があることを伝える、最善の方法は従業員が見つける。
(失敗から学ぶのは難しい?)……失敗に対しておよそ誰もがする強力な心理的、社会的反応にある、そして自信過剰になったり世間体を守ったりする利己的な傾向が、そうした障壁をいっそう強固にする。
(学習しながら実行する)……組織が学ぶと同時に前進できるようなやり方で活動することだ、作業グループや部門や会社全体が、調整したり即座に行動したり革新したりするのと平行して、製品やサービスをしっかり顧客に提供すること。

0

Posted by ブクログ 2023年09月07日

今の会社の教科書的な本で、社員全員で読書会をして共通認識を持てるようにしました。

この本で学んだことで、実行フレームと学習フレームという言葉があり、今までわたしは実行フレームでメンバーに指示してきてしまったことにすごく反省をしました。
メンバーにとっては何も考えずにやるべきことがわかりやりやすいだ...続きを読むろうと思いますが、マネージャーである自分自身の首を絞め続けることになるので本当にやめないと…

この本をメンバーも読んだことで、マネージャーのわたしの指示の意図も汲み取ってもらえるようになり、チームが活性化しました!

0

Posted by ブクログ 2023年03月27日

2部読みかけ。

組織の心理的安全性は何度も読んでいるが、そもそも心理的安全性がなぜ大事なのかというと、レジリエンスの高い組織、失敗し学習する組織を作るために大事なのかなとおもった。

自分のチームは、チームとして良い成果を上げてきているが、部として会社として果たすべき役割を真に全うしているかと問わ...続きを読むれると疑問が湧いてくる。

部の機能を全うするために課として果たすべきことはなにか?まで思い至っておらず、他人事の人が多いのではないかなと思った。

チームが機能するとはどういうことか、最終的には会社が機能するとはどういうことか?だと思う。考えながら読み進めたい。

0

Posted by ブクログ 2022年03月08日

仕事の成功を収めるに当たって専門知識が必要になるが、近年多くの専門分野が狭くなってきているにも関わらず、世の中で解決すべき課題は一向に小さく狭くなってはいない。

仕事の成功には様々な分野とのコラボレーションが要求され、企業内外や分野内外の境界線を越えて問題解決を行うことが増加しているのではないか。...続きを読むそんな中、たゆまぬイノベーションを続けていくにはどうしたら良いのか。

必勝法は、チーミング。学習しながら実行する組織・チームを如何に作るかがキモとなる。

これから最も成功するリーダーは、周囲の人達の才能を伸ばせる人だ。
はっきり意見を言い合い、協働することを求め、試み、試みた結果の失敗を振り返り知識として共有して次の行動に活かしていく。

自分を含めた人の心理を理解して、情熱を持って仕事にあたり、周囲を信じる。
人が自然と保身心理に陥ることを認識して、失敗を恐れず勇気をもって行動する。

0

Posted by ブクログ 2021年10月30日

第1章 新しい働き方
 学習は不可欠であり、究極的には、支配を手放すことが求められる。基本的な組織の能力として適応力の創造に積極的に取り組むことも必須だ。柔軟性と判断力も欠かせない。組織が不確実性-新たなテクノロジーや顧客の好みの変化や複雑なシステムによって生まれる―に直面しているときに機能する管理...続きを読む手法も必要になる。成功するためには、実行するための組織づくりから、協働やイノベーションや組織学習を支持する新たな働き方へとシフトすることが不可欠なのである。

■集団的学習を経験しているときの個人の学習行動
・質問する
・情報を共有する
・支援を求める
・証明されていない行動を試みる
・失敗について話す
・意見を求める

■Lessons&Actions
・今日の複雑で変わりやすいビジネス環境で成功するには、柔軟さと協力と協働が不可欠だ。
・チーミングはダイナミックな仕事の仕方であり、しっかりとしたチーム構造という安楽さ(あるいは堅固さ)を持つことなく、必要な協力と協働をもたらす。
・チーミングとそれに関連するメンバー間の行動によって、組織学習が後押しされ、また、最適な結果を得られるよう適切なリーダーシップの考え方が要求される。こうした仕事の仕方によって、 従業員は個人としても専門家としても成長する。これに対し、伝統的なトップダウン・マネジメ ントが行われる組み立てラインの工場では、労働者はするべきことを指示される必要のある子どものように扱われていた。
・前述したリーダーシップの考え方を表すのが、学習するための組織づくりである。これは率直に話し、質問し、アイデアを共有することを促して集団的学習を促進するリードの方法である。
・学習しながら実行するというのは、絶え間ない学習を日々の作業プロセスの中に織り込む活動の仕方のことである。ふつう、これはチームの中で生まれ、学習するための組織づくりというリーダーシップの実践によって後押しされる。

第2章 学習とイノベーションと競争
 …、リーダーが特定の態度と行動を示せば、はっきりと意見を述べるよう促せることも、研究で明らかになっている。何より重要なのは、従業員を尊敬していることをリーダーが明確に伝えると、従業員が進んで知識を提供しやすくなる点だ。具体的には、人々が持つ知識やスキルの必要性を認めると、リーダーは意見をはっきり述べてほしいということを、人々が信頼できる形で広く知らせることになる。とりわけ、ミスについて報告されたり話し合われたりする場合は、前向きに励ます必要がある。
 要するに、意見というのは組織の中ではなかなかはっきり言えないが、もしリーダーが率直であることについて積極的に模範を示し、奨励し、報いるなら、できないことではないし、実際できるということだ。対照的に、近寄りがたさがあると、すなわち人々の知識やスキルを求めているという弱さをリーダーが認められないと、人々はそれらを出し渋り、チーミング行動が持つ対人リスクを招くことになる。

■Lessons&Actions
・チーミングは今日の組織に必須だが、チームであれ組織であれそれを自然にうまく行えるようになることはない。
・チーミングの成功には四つの行動、すなわち、はっきり意見を言うこと、協働すること、試みること、そして省察することが必要である。
・そうした行動はサイクルの繰り返しによって成立する。 新たなサイクルは毎回、前のサイクルの結果によって性格づけられ、望みどおりの結果が得られるまでサイクルは続いていく。
・チーミングにはいくつかのメリットがある。 メリットは大きく二つのグループ、すなわち、組織のパフォーマンスが上がることと、魅力とやりがいあふれる職場環境になることに分けられる。
・しかしながら、チーミングに不可欠な協調的行動はチームの中に緊張や対立を生む。対立がチーミングにとって望ましいものであることを理解していないリーダーや、対立に取り組むうえで必要なスキルを学ばないリーダーは、失敗する運命にある。
・対立を収めるためには、リーダーは、対立の性質を明らかにし、優れたコミュニケーションを具現化し、共通の目標を明らかにし、難しい話し合いから逃げずに取り組まなければならない。
・チーミングには取り組みがいのあるチャレンジが多々あるため、リーダーシップの役割にとくに注意を払う必要がある。 学習するための組織づくりという考え方を持ち、実践すると、チーミングと学習の両方を行うことができる。
・学習するための組織づくりをうまく実行に移すには、四つのリーダーシップ行動が必要だ。学習するための骨組みをつくる、心理的に安全な場をつくる、失敗から学ぶ、職業的、文化的な境界をつなぐ、の四つである。

第3章 フレーミングの力
 学習する組織においては、問題やミスは報告されなければならず、そのために全員が学習することができる。ところが、仕事ぶりが完璧だと、ほかの人にかかわってもらうことができない。さらにいえば、組織のプロセスには、盲従して実行するのではなく、挑戦する必要もある。…学習する組織をつくりたいと思っているマネジャーは、自分の考える理想的な社員をリフレーミングし、現状をそのままでよしとしない、うるさいほど質問する人を歓迎できるようにならなければならない、と。そうした組織学習ができる人は今のやり方について、単に受け容れて使うのではなく、絶えず疑いの目を向け、改善し続けるのである。


■Lessons&Actions
・フレームとは解釈であり、これを使って人は環境を感じて理解する。およそつねにフレームは自然に生まれる。
・リフレーミングは、自分の行動を変えたり人々に変わってもらったりするための強力なリーダーシップ・ツールである。
・組織で働く人、とりわけリーダーの立場にある人がどのようにプロジェクトをフレームするかによって、成功するか失敗するかが左右される。
・チーミングと学習を必要とする新たな取り組みをうまくフレーミングするには、役割と目標-リーダーの役割、メンバーの役割、チーミングの目標や目的-が大きく影響する。
・自分の役割をフレーミングするにあたっては、リーダーは自分が相互依存していることをはっきり述べ、自分も間違う場合があることと協働を必要としていることを伝えなければならない。
・チームメンバーの役割を定義するにあたっては、リーダーはメンバーがプロジェクトの成功に不可欠な優れた人物として厳選されていることを強く伝える必要がある。
・メンバーのやる気を高め、団結させるために、リーダーは明確で説得力のある目標をはっきり伝えなければならない。
・学習フレームの確立には四つの反復されるステップがある。 登録、準備、試行、省察の四つである。
・学習フレームを強固にするためにすべきこと。 まず、言葉と目を使った会話をする。期待される対人行動と協調的行動を、具体的な言葉を使って説明する。新たな手順がうまく進み、自信を高めやすくなるような行動を始める。さまざまな結果を使って、学習フレームの要素を視覚的に強固にする。
・チーミングや学習においてよりよい結果を得るには、個人として行う次の戦術を使ってみよう。このプロジェクトは胸の躍るような機会に満ちている、と自分に言い聞かせる。プロジェクトの成功に自分は不可欠だと考える。ほかのメンバーはプロジェクトの成功にとって重要である、と自分に言い聞かせる。以上の三つについて、それらがまさしく本当であるかのように、ほかの人に話す。

第4章 心理的に安全な場をつくる
■Lessons&Actions
・心理的安全は、職場環境での対人リスクがもたらす影響について、個人がどのように認識しているかを示している。
・職場で直面する明確なイメージリスクとは、無知、無能、ネガティブ、あるいは邪魔をする人だと思われることである。
・心理的に安全な環境では、信頼と尊敬の両方が特徴になっており、人々は間違ったり支援を求めたりしても罰を受けることはないと信じることができる。
・心理的に安全があると自己表現や実りある話し合いが促されるため、それはチーミングや組織学習にとってなくてはならないものになっている。
・心理的安全は仲良くなることともパフォーマンス基準を下げることとも関係ない。むしろ、グループが高い目標を設定し、協働と集団的学習によってその目標をめざして努力できるようにするものである。
・心理的安全によって明確に七つのメリットがもたらされることが、研究から明らかになっている。心理的安全があると、率直に話すことが促され、考えを明晰にすることができ、意義ある対立が後押しされ、失敗が緩和され、イノベーションが促進され、目標とパフォーマンスの関係が穏やかになり、従業員の責任が向上するのである。
・序列とそれが生み出す不安は心理的安全にネガティブな影響をもたらす。一般に、序列が下位であるチームメンバーは上位のメンバーほど安全性を感じていないことが研究から明らかになっている。
・組織の心理的安全を高めるうえで、リーダーは重要な役割を果たす。しかし心理的安全は断じて、「好きにつくってよいものでも命令されて生み出すものでもない。むしろ特定のリーダーシップ行動を必要とするものである。
・心理的に安全な環境をつくろうとするときには、グループの仕事や、それがどのように変化してきているかや、しっかりやり遂げるために何が必要かといったことに焦点を当てるべき である。これにより、心理的安全が必要であるという結論を、人々がみずから見出すことになる。
・心理的に安全な環境をつくるために、リーダーは、直接話のできる親しみやすい人になり、 現在持っている知識の限界を認め、自分もよく間違うことを積極的に示し、参加を促し、失敗した人に制裁を科すのをやめ、具体的な言葉を使い、境界を設け、境界を超えたことについてメンバーに責任を負わせる必要がある。

第5章 上手に失敗して、早く成功する
■Lessons&Actions
・観点もスキルもさまざまである人々を一つにまとめる場合、技術面でのチャレンジと人間関係上のチャレンジのために、失敗は避けられないものになる。
・失敗がもたらす貴重な情報のおかげで、組織はいっそう生産的、革新的になり、成功できるようになる。しかし、失敗に対して心理的、社会的に強く反応してしまうために、ほとんどの人が失敗を許されないものだと考えてしまう。
・人間というのは、頭では組織の中で起きる多くの失敗が避けがたいものだと理解できるが、心では失敗すれば非難を受けるものだとどうしても思ってしまう。これによって処罰に対する反応が起き、多くの失敗が報告されなかったり誤った判断がされたりするようになる。
・失敗の原因はプロセス知識スペクトルのどこに位置するかによって異なる。ルーチンの業務では、失敗はふつうプロセスから少し逸脱することによって起きる。 複雑な業務での失敗はたいてい、プロセスに欠陥があるか、 システムが機能停止するのが原因だ。イノベーションの業務では、不確実性や試みに原因があることが多い。
・組織の中にはうまくいかないかもしれないことが数え切れないほどあるが、失敗は三つのカテゴリー、すなわち、避けうる失敗、複雑な失敗、知的な失敗に大別できる。
・失敗に対する学習アプローチを開発しようと思うリーダーは、好奇心と忍耐力と、曖昧さに対する寛容さを反映する探究志向を採り入れる必要がある。すると、失敗について安心して話せる環境ができ、率直さという規範がたしかなものになる。
・失敗に気づくこと、失敗を分析すること、意図的な試みを行うことは、失敗から学ぶのに不可欠である。
・失敗に気づくのを促進するためには、リーダーは、問題を報告した人を歓迎すること、データを集め、意見を求めること、失敗に気づいたらインセンティブを与えることが必要である。
・失敗を分析するのを後押しするためには、リーダーは、さまざまな専門分野から人材を集め、体系的にデータを分析しなければならない。
・意図的な試みを促進するためには、リーダーは、試みとそれに伴う失敗にインセンティブを与えること、失敗から学ぶことに対する心理的障壁を取り払うような言葉を使うこと、より多くの賢い失敗が生まれる知的な試みをデザインすることが必要である。

第6章 境界を超えたチーミング
■Lessons&Actions
・今日の職場でチームを組む人々が、同じ信念や考え方や意見を持っていることはまずない。そうした差異は、意識して注意深く管理されなければ、 協働の邪魔をするかもしれない。
・「境界」という言葉は、ジェンダーや職業や国籍を含め、人々の間にある目に見える領域と目に見えない領域の両方にあてはまる。また、境界は、人々がさまざまなグループの中で持つ当たり前になっている思い込みや多様な考え方がもとになって存在する。
・境界をつなぐには、あらゆる種類のグループ内やグループ間に存在する障壁を超えて通じ合おうとする意図的な試みが必要になる。 技術の急速な発展やグローバル化の重視により、今日の職場環境においては境界をつなぐ重要性が非常に高まってきている。
・チーミングを行うときに最も多くぶつかる境界は三つある。物理的な距離(場所に関する相違)、知識に基づくもの(組織や専門知識に関する相違)、地位(序列や職業的な地位に関する相違)の三つである。
・上位の目標を設定し、関心を深め、プロセスの指針を示すのは、境界を超えたよいコミュニケー ションを促進するための重要なリーダーシップ行動である。
・地理的な境界を克服するために、グループメンバーは定期的に他のメンバーの職場を訪れ、その職場特有の知識にしっかりと注意を払い、知識の保存と交換に貢献すべきである。
・組織の多様性によって生まれた知識の境界を克服するために、グループメンバーは一人ひとりの観点を共有し、各組織がもたらす価値を重視し、集団的アイデンティティを確立すべきである。
・組織の多様性によって生まれた知識の境界を克服するために、グループは専門技術に基づく知識を共有し、集団的アイデンティティを確立し、図面、モデル、試作品のようなバウンダリー・オブジェクトを活用すべきである。
・ピラミッド型組織の境界を克服し、経験される地位による相違を最小限にするために、リーダーはどんなものでも受け容れる姿勢を持ち、 事前対策的にグループメンバーと会話をすべきである。

第7章 チーミングと学習を仕事に活かす
・学習しながら実行するというのは、今行っている仕事に学習を組み込んだ活動の仕方である。
・学習しながら実行する活動の仕方と対照をなすのが、効率を追求しながら実行する活動の仕方である。これは柔軟性よりも支配を、試すことより忠実さを重視し、不安によって支配と順応を促進することがしばしばある。
・学習しながら実行することは、状況を診断して、その状況がプロセス知識スペクトルのどこに位置しているかを考えることから始まる。
・人はつい、自分の仕事はルーチンだ、ニーズに応じて変更される、あるいは創造的だと当たり前のように思ってしまう。そのため、少し時間をとってじっくり診断することが重要である。
・過去に例のない状況が誤って診断された場合、効率を追求しながら学習する活動の仕方が当たり前のように使われていると、サービスに著しい不具合が生じる可能性がある。
・学習しながら実行することは四つのきわめて重要なステップ―診断、デザイン、アクション、省察-から成り立っており、プロセス知識スペクトルのどこに位置する仕事かによって違いがある。
・学習しながら実行し続けるには、リーダーシップが不可欠である。

0

Posted by ブクログ 2020年05月21日

組織・チームが機能するためには、各メンバーの心理的安全が不可欠であることを学んだ。
組織は「実行すること」に集中しすぎ、「学習すること」をおろそかにしがちである。両輪として考えるべき。

そして、心理的に安全な場は、組織の中で学習していくため=時として失敗していくために=時として正しい指摘をしていく...続きを読むために、不可欠な環境である。

学習しながら実行するため組織は、ルーチンの業務、複雑な業務、イノベーションの業務と3つに分けられる業務それぞれに応じたの4つのステップ(診断する・デザインする・行動する・省察する)を実行している。これが学習するための組織づくりの土台。つまり、ルーチンの業務においても、学習し実行していくことは機能し続けるために重要なのである。

0

Posted by ブクログ 2019年05月22日

各所で目にする学習する組織におけるリーダーシップや心理的安全性の話が体系的に説明される。業務がルーチン業務、複雑な業務、イノベーションの3つに分類され、それぞれのチーミングや指標について整理されている点が良い。

0

Posted by ブクログ 2018年11月12日

機能するチームを作るためのリーダーシップに着目した本。チーミングと称してこれまで静的な活動とされていたチーム作りを、動的な言葉で定義しなおしている。色々着目点ははあるが、特に心理的な安全性に着目している点に興味を引いた。

0

Posted by ブクログ 2018年10月07日

出版されたのはこちらが先だが「チーム オブ チームズ」「サイロエフェクト」と同様の結論となっている気がする。要はフレデリック・テイラー的な科学的管理法を採用しているチームでは柔軟に対応できない、チームは常に学習して「改善」を繰り返す必要がある という主張。"個人的に勉強になったのが、何かし...続きを読むらの行為について「省察(=振り返り)」が必要になるという事

0

Posted by ブクログ 2018年07月02日

学習しながら実行する組織=チーミングについて、詳細な分析と深い考察によって書かれています。

個人だけではなく組織自体が常に学び、常に変革していくという考えは、ビジネスだけでなく、全ての組織に活かせると思いました。

失敗を学びに変える方法
チーミングにおけるリーダーシップ
などが、様々な具体的事例...続きを読むとともに紹介されています。

星をひとつ減らしたのは、文章が硬く私が一度通読しただけでは、内容の半分も理解ができなかったからです。
読み飛ばしてしまった部分にも、きっと大切な要素があったと思うので、いつか改めて腰を据えて読んでみたい、自分なりにまとめてみたいと思います。

0

Posted by ブクログ 2016年10月10日

印象に残ったのはこんな感じの一節(正確な表現は忘れた)。
「マイノリティによる情報はチームにおける意思決定において、それが重大であってもしばしば無視される」

心理的安全性を向上してチームが言いたいことを好きなように言えるような構造を作るところまでは実感を持って何となく理解できるのだけど、情報が出て...続きを読むきたところから先にどのようにチームが進んでいくのか?という構造については課題を感じていたりする。

その辺の課題感に刺さるのがこの一節、情報収集というのはボトムアップだろうがフラット組織だろうが呼ぶ方は何でもいいんだけど幅広く集めるのには重要だし、それなりに出来ている組織も多い印象だけども、集めた情報は最終的に判断という行為の材料として使われるので、そこが集団的思考でいいんだっけ?というのが目下の課題だったりする。

そういった課題に対して本書が用意するのは失敗から学習しつつ成長する組織であったり、ビジョンと課題範囲を定めたリーダーシップという回答である。つまりは情報収集と意思決定だけを心理的安全性が担保されたチームによって為されても不足していて、学習や範囲の認識がその後の成否を分ける重大な運用であると認識できる。

最終章に記載があったIDEOとシモンズのフェーズゼロによる事例がまさにそれで、チームの範囲を取り違えると如何に良い情報収集と判断がされても結果が出ないという事になったりする。この辺の具体的なプラクティスについては本書にもいくつか記載あるが、そこから抽象化された共通概念は見えてこなくて、相変わらず悩みながら組織毎に合わせて進む他ないのかな、というのがざっくりした感触である。

じゃあ自分の組織で明日からどうするの?という疑問に対しての解は本書だけでは得られないかもしれないが、少なくとも問を理解して持ち続ける人を増やす助けにはなると感じる。

全体的に満足で繰り返し読みたい内容だが訳の相性が悪く、非常に読み進めづらかったのでマイナス1

0

Posted by ブクログ 2015年06月08日

複雑性が高く、先を見通すことが困難な時代に、多様な人材が集うチームが成功するにはどうすれば良いのか。「チーミング」という概念と新たなリーダーシップにより、「学習しながら実行する組織」をつくるための理論と実践の書。

「チーミング」とは、チームメンバーが常に「素直に意見を言い合い」ながら「協働」し、「...続きを読む試しにやってみる」ことと「振り返る」ことを繰り返す行動様式であり、これを可能にするためにはリーダーが、チームとは"指示命令の対象"ではなく、"共に学ぶ主体"であるという意識改革(リフレーミング)を行い、メンバーが安心して行動し、失敗から学び、様々な壁を越えて相互依存できる環境を整える必要があると説く。

「学習しながら実行する」ための方法論や阻害要因(例えば組織が失敗を許容することの難しさ)について、①ルーチン業務、②複雑な業務、③イノベーション業務ごとに異なる事情をふまえて整理するなど、人々の「仕事の実態」に即して緻密に組み立てられた内容となっており、決して手軽に読める分量ではないが、読み手の誰もが自身の所属するチームにあてはめて考え、行動することができる良書。

0

Posted by ブクログ 2015年01月10日

チームが機能するための条件があった。
チームに所属する各メンバーのベクトルを合わせていくものだと思っていたが、本に書かれている事例は医療などの緊急で集まった急造チームによるチーミング
参考にはなったが、難しい本。

0

Posted by ブクログ 2024年03月16日

様々な資料に基づいたチーミングの問題と具体的な解決例成功例が載っている。
エピソードが多くチーミングの課題に即していないときに読むと、冗長に感じる。具体的な問題に直面したら辞書的に読みたい。

0

Posted by ブクログ 2022年02月08日

内容は柔軟なはずだが、和訳が硬いのか、コンテンツの良さが引き立たない。ややもすると、ピーター・センゲの学習する組織に帰結してしまう。

0

Posted by ブクログ 2022年01月19日

当初はなんとなく本を読み進めていて、内容には共感しまくりだった一方で著者のことはほとんど知らなかった。それが最近になり心理的安全性についてもう一度勉強してみたら、まさかこの人が生みの親だとは知らずに驚いた。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年06月26日

訳の問題なのか、読みづらい。あとタイトルとは違う。実践アプローチではない。この本を読んでも次に何をするかは具体的にはわからない。「チーミング」って出てくるけど、それは何をするのかはよくわからない。ただヒントとかどういう状態であれば望ましいかはわかるので、そこにどう持っていくかは状況をみて自分で試すっ...続きを読むてことなんだろう。

0

Posted by ブクログ 2020年03月01日

ナックする内容だが、完全に自分のものには出来てない感覚。自分自身で実践するためのプラクティスを考えながらもう一度読み直したい。

0

Posted by ブクログ 2018年07月08日

・はっきり意見を言う
・学習しながら実行する
▶︎答えを与えるのでなく、方向性を定める
・思い込み(認知フレーム)をなくし、同じ状況を、異なる観点からみる(リフレーミング)
・心理的安全性を高める
▶︎メンバーを尊敬していることをはっきり伝える
▶︎自分もよく間違える、知識の限界があることを示す
...続きを読む︎具体的な言葉を使う
▶︎個人として親しみやすい人になる
・学習するための組織づくり
▶︎ミスから素早く学ぶこと、その学びを共有すること

心理的安全が低いと、優れた知識やアイディアがあっても組織で発言されない。リーダーが話しやすい環境を作らなければならない。

0

Posted by ブクログ 2016年11月20日

チームが名詞で、チーミングは動詞である。チーミングとは、新たなアイデアを生み、答えを探し、問題を解決するために人々を団結させる働き方のこと、また、チーミングとは境界を超えてつながり合うこと、つまり境界をつなぐことである。
人々に積極的に貢献してもらえるようになることが、チーミングでのリーダーシップの...続きを読む最も重要な仕事である。チーミングを成功させるためには4つのリーダーシップ行動が必要である。
①学習するための骨組みをつくる
②(失敗してもよいという)心理的に安全な場をつくる
③失敗から学ぶ
④職業的、文化的な境界をつなぐ
失敗とは期待される結果から外れていることである。それには、避けられる不幸と、試みなどリスクを伴う行動につきものの避けられない結果の両方が含まれる。素晴らしいパフォーマンスを上げるには、それらの失敗からすばやく学ぶこと、その学びを広く共有すること、それこそが学習するための組織づくりの本質なのである。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年04月30日

割と当たり前のことが書いてある印象。
・仕事上の対立と人間関係の対立が分けられないものだと認める
・議論に勝っても最良の解決策はふつう生まれない
あたりがヒットかな。

再読してみた。(2019/8)
病院でのMICS(低侵襲性心臓手術)導入に関して、成功するチーム、失敗するチームの比較が記載されて...続きを読むいる。この辺(目標設定)にコツがあるのでは?
・成功するチームはMICS導入を困難で、かつ挑戦しがいがあるチャレンジと捉えている。
・失敗するチームは技術的な課題と捉え、必要最低限の対応をすれば良いと考えている。
一方、ToBE像は書いてあるものの、そこにどうたどり着くのかはよく分からない。これは "THE CATALYST"の領域か。

0

Posted by ブクログ 2014年09月27日

一言で言えば使える本である。チームの失敗に真摯に向き合い、きちんと分析してあり、実務に活かせる内容である。
実は今まさに仕事で悩んでいた事について悩んでいたので手にとってみた。もし読まなければ、間違った選択をしてしまいそうだった。そう言う意味でも感謝したい。
結局のところ、他人は変えられないが、環境...続きを読む、本書ではフレーミングの記述されるものを変化させる事で、チームをより良い方向に向かわせる。その鍵になるのが、心理的な安全を高め、上手に失敗するメンタリティを持たせる事である。
以前私が失敗したのは、恐怖政治にしてしまったことだと気付いた。安全を感じれば小さな失敗をクヨクヨしない。北風と太陽の話はやはり大事である。
「運用」という仕事は、ルーチン、複雑、イノベーションと三種類のものがどんどん出てくる。さらに緊急度の高いものも少なくない。自分に芯を持ってあたらなければ、心が折れそうになる。
そういう意味でもこの本は、自分で頑張りすぎず、他者を巻き込む時の勘所を再認識させてくれた。この知見を活かし今の仕事をより良くしていく。

0

「ビジネス・経済」ランキング