【感想・ネタバレ】忍びの国のレビュー

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Posted by ブクログ

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傑作の小説だった。話そのものも素晴らしい上に、主人公という主人公がいないのが斬新だった。誰を視点にしても物語を進める事ができ、良いも悪いもない世界で生き延びる人達の姿がよく描写されていた。前作の「のぼうの城」もとても面白かったが、それをも上回る面白さ。テンポの良く、笑える部分もある。リアリティもかなり追求されている。傑作と呼べる一冊に相応しい。時代小説である為、ある程度予備知識などはあった方が読みやすいが、それを抜いても面白かった。

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2022年08月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

父を見返すため、金のため、復讐のためそれぞれの思惑が交錯しながら進んでいくストーリーに引き込まれました。

無門が主人公的立ち位置にあたると思いますが、信雄も裏の主人公に当たるのではないかなという気持ちが読んでいてわいてきました。父、信長の威を借る高圧的な主から自分の弱さを受け止めることで家来からも信頼される主になっていく、そんな成長が見ていて心動かされるものがあります。

主人公にあたりそうな無門はというと他の忍同様、残忍で狡猾で掴みどころがない人物として書かれていますが、時折他の忍とは違った一面を見せます。
その正体が何なのか無門も読者も分からないまま物語は進んでいきますが、最期想い人のお国の死によってそれが無門の中にあった常識的な人の思いを慮ることのできる一面だと気づく事ができます。
無門の中に残っていた優しい一面が最愛の人の死によって明かされる、というのが少し悲しく寂しくもありました。

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2022年10月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

凄腕の忍びの無門、飄々と人を殺めるのだが女房のお国には頭が上がらない。あんだけ冷酷に見えるがお国には甘く弱いギャップが面白い。
他の下人達も感情よりも銭金、損得勘定で簡単に手のひらを返す伊賀者の当たり前が殺伐としているが、あまりにもハッキリしているので気持ち良くも感じる。

最期は無門もお国も互いの大切さに気づくも、時遅かった。その後の無門の復讐の大きさが歴史を動かすほどだったのだ。怒りと愛を感じた。
終わり方も無門と文吾の意地をみせる感じであり、その先も想像を掻き立てられ良かった。
石川五右衛門もこの先も活躍するから、、、どうなんだ?

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2023年10月02日

Posted by ブクログ

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伊賀の忍び「無門」は、腕はいいが無類の怠け者。女房(←無門いわく)のお国にも、いつもやり込められている。伊賀攻略を狙う織田信雄軍と、百地三太夫率いる伊賀忍び軍団との壮絶な戦いが始まった・・・

「のぼうの城」がおもしろくて読んでみた作品だが、最初はあまりページが進まず、途中で一度離脱し、冷却期間をおいた。信雄との戦がクライマックスに入る前あたりからは、テンポよく読み進められた。

伊賀者の金に対する執着と、人の命を何とも思わないあっけらかんとしたカンジは辟易すべきものだが、むしろここまでくると潔い。だからこそ、その中で見せる無門の人間らしい部分にぐっとくる。最後の戦の前の、凛(北畠具教の六女)のくだりと、最後のお国のくだり、鉄を連れて行くくだりは特にそう思った。

それにしても、文吾が後の石川五右衛門とは。若い頃は血気にはやり失敗するタイプだったのに、大泥棒になるのね~。

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2021年02月07日

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