【感想・ネタバレ】太陽の子のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2024年01月27日

沖縄の友人はたくさんいましたし、沖縄の歴史についても知ったつもりでした。優しい人が多いし、おおらかでとても気が合う仲間が多い。
でも、その人たちや、その人たちの祖先が沖縄戦のつらい悲しい経験をしてきたからこそ、強く優しいのだと思いました。
ふうちゃんの明るさと素直さ、見習いたいほど魅力のあるとても良...続きを読むい子。こういう子が、この作品を通して増えたらいいなと思います。
心が温かくも悲しく、優しい気持ちになれた不思議な良書です。世の中から悲惨な経験をする人が少しでも減りますように‥また思い出したときに読みたいです。

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Posted by ブクログ 2023年08月15日

テレビや教科書では知ることのない沖縄と沖縄の人たちの苦労が痛烈に心に響く作品。過去の出来事が現在の沖縄にも繋がっている。どの世代でも読むべき必読本

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Posted by ブクログ 2023年08月14日

優しさとは何か、歴史を学ぶとはどういうことなのかが物語を通してじわじわ伝わってくる。沖縄で起きた惨劇は、その時も、その後も社会の中で形を変えて影響し続けた。

ふうちゃんの幼さが人との出会いやお父さんの心の病気を通してどんどん成長していく。そんなふうちゃんの成長に合わせて読者も同じように喜んで、怒っ...続きを読むて、悲しんで、傷ついて、沖縄の歴史や本当の優しさを知っていく。

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Posted by ブクログ 2023年05月24日

最近読んだ小説の中では久しぶりの5つ星。
もちろん「名作」とは聞いていた。初出版(1978年)直後の大学当時で既にその「好評」を耳にし「読んでみよう」と思ったものの、それから丸45年も経つまで一度たりとも書店で手に取ることも無かったとは。斯くも「読書は長く人生は短い」のだ。これからも、死ぬまでに一度...続きを読むたりとも手に取って読むことなく記憶にも残らぬ本が無限に存在するのだと思うと、本当に悲しくなる。
...そんな哀しさすら本気で感じるほど、読み終えるのが惜しいくらいに「いつまでもこの本の世界の中に居続けたい」と思える稀有な読書体験が味わえた。
中でもやはり主人公・ふうちゃんの超弩級の魅力に尽きる。少年時代にこんな娘に巡り合えることが出来たなら、好きにならないワケが無い。そのくらい、人として愛される才能の全てを持ち合わせたスバラシイキャラクター。そしてまた彼女を取り巻く人間模様がまた素敵過ぎる。これはある意味、東京・浅草が舞台の「男はつらいよ」の世界観を、神戸に暮らす沖縄出身者のコミュニティに移し替えたが如し。1980年にさっそく映画化されこれまた大好評だったと聞く映画版も是非観てみたい。

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Posted by ブクログ 2023年01月01日

神戸の沖縄料理店に集まる沖縄出身の人々の過去の秘密や悲しみを、小学6年生のふうちゃんの目を通して描いた物語。

途中までは可もなく不可もなくと言った感じのやや重苦しい作品でしたが、キヨシ君が出てきてからはかなり面白かったですし、またいろいろと心に残る言葉の散りばめられた素晴らしい作品でした☆

最後...続きを読むのピクニックはめっちゃ泣けましたし、ろくさんの娘さんの話のほか、いろいろと心に残った言葉はありますが、なにげに一番心に残ったのは、ときちゃんという地味で目立たない女の子が先生宛てに書いた手紙。あと、重苦しい話も多い中、ギッチョンチョンとれい子さんのデートの話は最高に面白く、かつ、心温まる感じでした☆朝ドラ「ちむどんどん」を見ていてどうにもピンと来なかった人には特におススメ!!
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p256
ギッチョンチョンは本当に嬉しそうだった。そんなギッチョンチョンを見て、良かったと、ふうちゃんは思うのだった。「アカナ」を歌うふうちゃんを、キヨシ少年はじっと見ていた。――あいつ、ええやつやな。チビのくせに、あんなええやつおらへんな。ほんまに、あいつ、ええやつや。
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Posted by ブクログ 2022年12月24日

作者の兄が自殺し、成績重視の教育界に疲れはて、流れついた沖縄で、彼は命は生きているものだけのものだけではなく死んだ命と繋がり生き生かされていること、痛みを分かち合うことを学びました。そのことがこの小説に込められています。
時は1975年。神戸市に住む大嶺芙由子は小学6年生の少女で、周囲からは「ふうち...続きを読むゃん」と呼ばれている。
父は半年前から突然精神状態が不安定になり、心身症と診断されていた。
芙由子の母は、「てだのふぁ・おきなわ亭」という大衆料理店を営み、店には沖縄出身の人々が常連として集う。
その一人が、やはり沖縄出身で母に捨てられたキヨシ少年を店に連れてくる。だが、キヨシはそんな善意を無にするように、相手の金を盗んで姿を消してしまう。
芙由子が沖縄の風習にある風車を常連たちに配ったとき、沖縄戦の集団自決で片手を失ったロクさんは外で風車を握ってすすり泣いた。
芙由子は父が「ふうちゃんが殺されるやろが」と発作の時につぶやいたことを思い出す。父の主治医から「沖縄ではいろいろなことがあったらしいから、それが原因ではないか」と聞いた芙由子は、沖縄について調べ始める。
沖縄料理店が舞台だけに、ラフテーなど美味しそうな沖縄料理が食欲をそそりますけど、メインはふうちゃんが「てだのふぁ」の常連ギッチョンチョンから沖縄戦のことなどを教わるパートやキヨシ少年との交流で、沖縄戦で日本軍は沖縄決戦を前に日本軍は3分の1の兵力を他の地域に移したそのために女性や子供を含めた多数が死んだことなどを知り理解していく中で、本当の優しさは相手の苦しい歴史を知ることそして生きている人の中で死んだ命が生きていることを理解すること、本当の歴史の勉強とは身近な人の歴史を知り勉強することであることを知る展開で、今の日本に欠けているものの正体を考えさせる内容になっています。

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Posted by ブクログ 2022年12月04日

長年読み継がれる児童文学の傑作。神戸の沖縄料理店の娘「ふうちゃん」は、周りの人たちのぬくもりに包まれ、徐々に父たちの過去と現在、未来に向き合いながら、大人になっていく…。

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Posted by ブクログ 2022年09月30日

11歳の少女ふうちゃんの目線で語られていて、人間の喜びや悲しみ、優しさや醜さや愚かさ、戦争の悲惨さなどが、すごくわかりやすく多感に表現されている。
ふうちゃんの感受性の強さ、人から学んでいく心の柔軟さ、そして可愛らしさに心打たれ感動します。
ふうちゃんを取り巻く人々の強さから来る優しさも心に沁みる。...続きを読むそして彼らが告白する沖縄戦の惨状は壮絶を極めており、戦後沖縄の人に対する差別が酷かった事にも衝撃を受け沖縄に対する理解も深まった様に思う。
10代とかもっと早く読んでおけば良かった。しかし歳を重ねないとわからない事もある。知るべき事、理解すべき事はまだまだたくさんあると痛感する。

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Posted by ブクログ 2022年09月03日

昔読んだのは小学校5年生のときだから、もう35年以上も前になる。当時学校も家庭も殺伐とした愛のない環境にいた私には、てだのふぁ沖縄亭の人々の日々がファンタジーのようで、優しく憧れで、愛されているふうちゃんがうらやましくて、そこに一番心を惹かれたように思う。

沖縄の歴史のことも、精神疾患の存在も、こ...続きを読むの本で生まれて始めて認識した。

大人になって今、読み返すと当然ながら、その時気づかなかった作者の色々な視点に気づくようになる。なぜ、ふうちゃんという一人の小学生を通じて、作者は沖縄を伝える必要があったのか。せんせいけらいになれ、の一冊からもわかるように、灰谷健次郎という人は、誰よりも子供の凄さ、鋭さ、怖さを知っていた人だ。ただ純粋で忖度しない子供、そして自分が愛されていると知っている(愛を知っている)、一番「自分自身」を生きている子供の心を通して、灰谷氏は沖縄を伝えたかったのだ。

沖縄を語る現代社会の論調は、むなしい空中戦を見ているようだ。
今生きている自分自身の足元と地続きの歴史として沖縄を語るには、現代人に直接語りかけるだけでは伝わらないと思ったのではないだろうか。ふうちゃんの心という存在が媒体として不可欠だったのだ。悲しみの果てに命が繋がれていまここにいるというリアリティに気づくふうちゃんの成長を通して、ふうちゃんの心という受け皿を読者の中に作って、リアルに沖縄を伝えようとしていたのではないだろうか。

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Posted by ブクログ 2022年08月16日

20年ぶりに読んだ。

読む前は感動した本だということ以外ほとんど覚えていなかったけど、読みだすと覚えているところも。ふうちゃんと同じ年代で読んでおいてよかったと思った。

沖縄のことを考えること、
もっと広い社会について忘れてしまっていることを思い出させてくれる大切なことがたくさん書いてある。

...続きを読む毎年8月に読もうかなと思った。

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Posted by ブクログ 2022年08月13日

石垣島に行った時あまりに貧しい印象を受け帰京し手に取った本。
楽園のような離島が実は沖縄以上に厳しい状況だったことがよく分かった。

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Posted by ブクログ 2022年06月10日

戦場になった沖縄、そこで戦わざるをえなかった人たち。生き残っても心の傷が癒えず、一生苦しみを抱えて生きていかなければならない人もいる。

主人公の12歳の女の子が、ノイローゼになり働けなくなってしまったお父さんを健気に支えながら、なぜお父さんはこんな風になってしまったのか、沖縄で起きた戦争とは、沖縄...続きを読むの人たちの思いとは、などについて一生懸命学んでいこうとする姿に何度も涙が溢れました。

沖縄で起こったことを忘れないように、毎年読もうと思った一冊です。

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Posted by ブクログ 2021年10月01日

【いまも戦争はおわっていない。】
神戸にある沖縄料理屋『てだのふあ・おきなわ亭』に集う人たちの人生を小学生のふうちゃんの純粋な心を介して紐解いていく物語。沖縄とそれ以外の日本との間にある構造的な差別や不平等が登場人物の生と一緒にあぶりだされています。
てだのふあ・おきなわ亭の人たちと触れ合うことで自...続きを読む分自身の生をみつめたキヨシ少年が言っています。「日本は沖縄の心にふれて、だんだんまともになっていくのとちがうやろか。そやなかったら日本は死ぬだけや。」
太陽のような明るい未来への象徴ともいえる、こどもの生に、戦争という暗闇で散っていった命。沖縄戦や原爆で深い苦痛、悲しみを負った人たちの生を対比させていくことで、生と死、過去と未来を対極ではなく、連なり合う一つのものだと伝えてくれています。自分の生がどれほど沢山の人の悲しみの果てにあるのかを思うことで、本当の平和について考えたふうちゃんの心は、今を生きる私たちにも必要な心なのではないでしょうか。(菊地・PITOPE)

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Posted by ブクログ 2021年09月20日

灰谷さんの優しさが溢れ出ている。子供や人間をみる目の優しさがこれでもかというほど詰まっている。悲しくてとか感動して泣くことはあるけど、優しさで泣かされたのはこの本が初めて。嗚咽しながら読んでいた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年02月19日

沖縄出身の両親とともに神戸で生まれ育った「ふうちゃん」と家族が営む「てだのふあ・おきなわ亭」(沖縄の家庭料理の店)を舞台に、そこに集う沖縄出身の人々の物語。

小学6年生のふうちゃんが主人公の物語ではあるが、本作は単なる物語と呼ぶべきではない。

日本人とは、沖縄とは、生きるとは、死ぬとは...

...続きを読む「とんび」(重松清)を読んだ時に感じた「考えさせられる」とはちょっと違いますが、本作もすごく考えさせられる作品でした。

本作の中で少し触れられた先の大戦での沖縄の悲劇。

「悲劇」なんて簡単な一言で済ませてはいけない。

「太陽の子」というタイトルから想像していた内容よりもすごく深い作品でした。


説明
内容紹介
ふうちゃんが六年生になった頃、お父さんが心の病気にかかった。お父さんの病気は、どうやら沖縄と戦争に原因があるらしい。なぜ、お父さんの心の中だけ戦争は続くのだろう? 著者渾身の長編小説!
内容(「BOOK」データベースより)
ふうちゃんは、神戸生まれの女の子。おとうさんとおかあさんは沖縄出身で、神戸の下町で琉球料理の店「てだのふあ・おきなわ亭」を営んでいる。やさしい常連さんたちに囲まれて明るく育ったふうちゃんだが、六年生になった頃、おとうさんが心の病気で苦しむようになる。おとうさんの病気の原因は何なのか?ふうちゃんは、「沖縄と戦争」にその鍵があることに気づきはじめる…。戦争は本当に終わっているのだろうか。なぜおとうさんの心の中でだけ戦争は続くのか?今、日本人が本当に知らなくてはならないことがここにある。

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Posted by ブクログ 2020年07月28日

沖縄の歴史なんて、詳しいわけでも精通しているわけでもないけど、それでも、人は辛い時、苦しい時、悲しい時にこそ、絆というものが一番大切なのだと思う。
それにしても、ふうちゃんのなんと愛らしいこと!
その一途さに、心が震えるほどだ。彼女に愛される全ての人は幸せだ。

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Posted by ブクログ 2019年11月13日

悲しみ、苦しみ、真っ向から生きることのあり方を問いかけてくるような力作です。
どんな人にも読んでほしい。
最後まで読みきり、この本に書かれた悲しみが、胸にぎゅーっと刻み込まれてしまった。
でも、その悲しみは決して辛いだけのものではなくて、生きていくということは、こういう悲しみの一つ一つと向き合うこと...続きを読むでもあるんだなと、強い気持ちになれる。

戦争、沖縄、そんな言葉を他人事のように捉えていた自分がいたけれど、主人公のふうちゃんと一緒に、周りの人たちの優しさ、悲しみ、それを知っていく本です。

文章はシンプルでいて、とても繊細です。
座右の銘にしたくなる言葉にも出会える。
わたしが胸にきた言葉は、
いい人というのは心の中に何人もの人がいる、という言葉。
たくさんの人のことを本当に知ろうとする人は、それだけたくさんの悲しみも抱えることになる。
だからこその思いやり、だからこその優しさがある。

この本は、人に向き合うこと、死に向き合うこと、決して軽い気持ちでは読めない内容をたくさん含んでいます。
それでいて、訛りのまじった言葉遣いや、個性的な登場人物のもつユーモアが、不思議と重さを感じさせない。
ふうちゃんと一緒に勇気を持って沖縄を知ろう、人を知ろう、そんなふうに思わせてくれる。

とても辛い事実がたくさん迫ってきます。
けれど、読み終えた頃には、毎日をもう少し強く生きていこうとおもえる、本当の人としての勇気や、振る舞いはなにかを教えてくれる本です。

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Posted by ブクログ 2019年08月20日

灰谷健次郎の本はほとんど読んでいたけどこれだけは何故か読んでなくて、やっと読んだ
正直こわかった、何度も鳥肌がたった
自分は何も知らなかったんだなと、読んだ後なんかからっぽになる
もっと前、小学生とか中学生のころに読んでいたらよかったなと思う
小学生のころって戦争だめ!だめ!みたいな授業たくさんあっ...続きを読むた気がするから
悪いことをした人だけが罪なんじゃなくて、なんも知らないことも罪だなってそんなことを思った

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Posted by ブクログ 2019年05月27日

中学生ぶりに読んだ。
やっぱり本当にいい本だった。
命の重みを知るならば、一つの命を心から愛することだと改めて教えてもらった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年05月21日

素晴らしい本

太陽の子
小学生のふうちゃんが

死と真剣に向き合う

生きるとはどういうことかを
改めてかんがえさせてくれる

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Posted by ブクログ 2019年01月16日

ふうちゃんが六年生になった頃、お父さんが心の病気にかかった。お父さんの病気は、どうやら「沖縄と戦争」に原因があるらしい。なぜ、お父さんの心の中だけ戦争は続くのだろう?

小学生のふうちゃんの優しさと明るさと真っすぐさに心打たれました。

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Posted by ブクログ 2019年06月24日

強くなろうと思う。

本を読んで声をあげて泣いた作品。
なのに数年後に内容を忘れて読み返してまた声をあげて泣いた作品。(泣きながらのデジャヴ)

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Posted by ブクログ 2022年11月02日

「お父さん」を殺して欲しくなかった。「お父さん」は最初から最後までのっぺらぼうだった。まるでふうちゃんが見てる幻想のような存在だった。もっと他に描きようがなかったのだろうか。彼の苦しみの原因になかな気づかなかったなんて有り得ない。そして安易に周囲は想像する。結末が自死だなんて。もっと「お父さん」を掘...続きを読むり下げて欲しかった。

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Posted by ブクログ 2022年09月24日

古い新潮社版で読んだ。
予備知識なく読み始めて、沖縄に関連する話だと知り、ちょうどちむどんどんを見ているときだったので、よいめぐり合わせだと思った。

年代はおそらく1975年頃。
沖縄出身の両親を持つ12歳の「ふうちゃん」の両親が営む沖縄料理店を舞台に、店に関わりのある人々の交流が描かれる。
皆、...続きを読む戦争に関連して何らかの傷を持っている。戦争を直接経験した人も、戦後に生まれた人も。

ちむどんどんと近い時代を描いているはずなのに、見えている景色はまったく違う。

最初は神戸派だと言っていたふうちゃんも、父の心の病や、キヨシ少年の生い立ちなどを知るにつけ、徐々に自分のルーツである沖縄に思いを寄せていく。

比較的静かな展開で、物語はゆっくりと進む。人々のやり取りがとても丁寧に描かれている。文庫で400ページ超もあるが、あっという間に読めてしまう。

価値観として古い部分が確かにあるので、子供がこの本から何かを学ぶというよりは、ある程度価値観を確立した大人が自分の立ち位置を確かめるために読むのが良いかもしれない。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年09月02日

 本の裏表紙のあらすじを読んでから読むと戦争の話が出てくるまでずっとまだかなまだかなとムズムズしてしまったから何も知らずに読みたかった。

ふうちゃんがすごくいい子だった。

p270.271の梶山先生の歴史を勉強することに対しての考え方は私にとっても大きな学びになった。

幸いにも戦争に関わること...続きを読むのなかった人たちにとっては歴史であるが、実際に経験した人たちからするとずっと記憶として残っているから死ぬまで戦争は終わらないということを知った。今も戦争を経験した過去を持った上でご存命の方々の中では終わってないのだなと思うと心が痛む。

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Posted by ブクログ 2021年10月24日

戦争の話は後半から。戦争が終わっても、沖縄の人たちは苦しんでいたんだな。市民目線で戦争の恐ろしさが分かる。

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Posted by ブクログ 2021年08月29日

 最後は切ないけど、とても心温まる素敵なお話だった。ふうちゃんのお父さんは、沖縄での戦争という一人ではとても背負いきれない経験のために、心を病んでしまった。主人公のふうちゃん自身はもちろん、ふうちゃんの周りの大人たちも同級生のときちゃんも真剣に物事に向き合っている人たちばかり。私も子ども時代、何かと...続きを読む物事を隠しがちな大人は嫌いだったが、時期を考えず何でもかんでも教えてしまってもいけなかったのかと気づいた。
 集団就職や沖縄差別があったことを初めて知った。特に沖縄の人への風当たりが強かったのはなぜだったんだろう。沖縄の人への差別というか、自分の属するコミュニティ以外を区別して排斥しようとする行動はどこにでもあるんだろうな。

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Posted by ブクログ 2021年04月06日

沖縄がかかえる問題、平和な日本の中にある闇を
神戸で沖縄料理を営む家族とお客様が悲しくも明るくも日々を生きていく。てだのふぁおきなわ亭
というお店の名前のように太陽の子、ふうちゃん
が光を与えてくれている。

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Posted by ブクログ 2021年02月21日


神戸の沖縄料理店「太陽の子(てだのふあ)おきなわ亭」。
そこに集まる沖縄出身の人々の過去の秘密や悲しみを、てだのふあを営む夫婦の娘、ふうちゃんの目を通して伝えた物語です。

心の病に苦しむ父、片腕を失ったロクさん。この店に来る人はみんなかなしみを背負って生きています。
つらいことを経験した分、他の...続きを読む人に同じ思いをさせまいと、周りに優しく接しているのです。

現在、戦争は歴史の授業で年号や事がらだけを覚えて、受験が終わったらぜんぶ忘れてしまいます。
しかしそこに人々のどんな思いがあったのかを知り、考え、そしてそれを忘れないでいることが、戦争の本当の学びなんだと思いました。

過去の歴史もきちんと知った上で、またいつか今の美しい沖縄を見に行きたいなと思います。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年08月19日

ブンガク
かかった時間100分くらい

再読。
かつて必要に迫られて読んだとき、この作品は率直にいえば「良い作品なのかもしれないが、強い違和感がある」作品だった。

再読してみて、「強烈な違和感をもたらす作品」になった。

沖縄戦を背景に、神戸に暮らす沖縄出身者たちが、「日本人」がすでにそれを忘れて...続きを読むしまっているにもかかわらず、戦争が生んだ不平等や偏見、トラウマを抱えながらも、やさしく力強く生きていく、という物語だ。
主人公の「ふうちゃん(小学6年生)」は、やさしくあたたかい周囲の人々のふるさととしての沖縄のみを知る少女だった。しかし、父親の精神病の発症や同年代の少年が受けた差別や、身近な沖縄出身者の抱える暗い過去を知り、それらを強く受け止めようと決意するとともに、そのようなつらさを経験したものーーつまり沖縄の人だけが、いろんな人のつらさをわが事のように受け止め、寄り添うことができるのだということに気づく。周囲の、決して金銭的な価値では語れない「すごい」人たちや、若くて熱心な担任の男の先生も、「ふうちゃん」とともに生きることを考え、いろいろな気づきをくれる。
ラストで父親の自殺を目の当たりにした「ふうちゃん」は、同じように「沖縄」がもたらした死によって姉を亡くしたキヨシ少年とともにピクニックに出かけ、「大きくなったら子供を2人産む、ひとりはお父さん、もうひとりはキヨシのお姉さん」と話す。

さて、この話の強烈な違和感はどこから来るのだろうか。

…と格好をつけて書いて放置していたけど、ありがたいことにコメントをいただいたので、ざっくり書いてみる。

作品の中には、「被差別や逆境を痛感している沖縄出身者は、そういうつらい体験を経てきたからこそ人間として尊い」という論理が繰り返し語られる。そして、これは同時に、「ふうちゃん」をはじめとした、バックグラウンドを沖縄にもつ登場人物が、それを克服するためのチカラとして位置づけられている。
つまり、思いっきり単純化していえば、いじめられていた子は、いじめられていた「からこそ」、いじめに立ち向かう力を身につけることができた、ということである。問題を克服するためのファクターとして、当該の問題の存在が位置づけられているのだ。「あのときいじめられていたから、強い心が育ったね。あのときいじめられていたからこそ、私は前を向けるのだ」というように。

もちろん、過去をそのような形で受け入れざるを得ない登場人物の立場はわかるけれども、語り手が手放しにそこを肯定してしまうことは、なんの解決にもつながらないんじゃないかなあと。

まあ、そんな気持ち悪さを感じたのです。

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