【感想・ネタバレ】100年予測のレビュー

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Posted by ブクログ 2020年08月26日

【感想】
歴史好きな人や世界情勢が気になる人はもちろん、想像力を豊かにしたい人や合理性を失わずに大胆な発想をしたい人にオススメの一冊。
温故知新とはこういうことかなと思う。

表紙カバーや目次だけ見ると、
「2050年日本、トルコ、アメリカ、ポーランドが宇宙で戦争」
やら、「2100年メキシコvsア...続きを読むメリカ」
などと書いてあり、一見SFモノかな、と思ってしまうような書きぶり。
ある意味、この感覚がこの本の価値だ。
100年と少し前、
1900年の大英帝国が世界を支配している時代、ロンドンにいたら、今のこの世界を想像できただろうか。
20年後にドイツが一回戦争に負けて、その後もう一度ヨーロッパを支配しかけるけど、また負ける。
さらにその後、アメリカとソ連がヨーロッパを二分し、にらみ合いが続く。
米ソのにらみ合いが終わったら、しばらくしてテロの脅威にさらされる。

1900年に生きていた人が、2000年までの100年間の出来事を知ったら、SFと思うかもしれない。

何が起きてもおかしくない。
そんな未来100年間を、論理性を尊重しつつ描かれている。
小説と言われてもおかしくないストーリーだが、読んでいると歴史と照らし合わせて、何か妙に納得してしまう。

なお、2014年頃に発行された本。

【要約】
・21世紀開始時点で、アメリカは驚くほど強力。中国や日本などに比べても、かなり強い。重要なのは世界の海洋を支配していること。
・アメリカの戦略として、対テロ戦争において、イスラム世界が混沌としていれば、アメリカの勝ち。(地域大国が出没しなければ良い)
・人口爆発の終焉→人口減少とコンピューターが新しい世界を作る
・次の紛争の火種は、中国、日本、旧ソ連、トルコ、メキシコ
・中国は世界的国家になることはない。(過去の日本の経済成長が、理想的な資本主義による成長ではなく、銀行システム、郵便局、その他政治的要素によるものだったのと同じように。)2020年頃アメリカは中国の挑戦を受ける→中国は政治的崩壊で分裂
・2020年を過ぎた頃ロシアは資源輸出国として生まれ変わり、各方面へ進出→ロシアの自壊で終焉
・中国、ロシアの崩壊→アメリカと同盟を組んだ、日本、トルコ、ポーランドが大陸の空白地帯に進出
・2040年、勢力が拡がりすぎた日本、トルコに対してアメリカは締め付けを強くする。宇宙戦争の気配。
・アメリカ、ポーランド対日本、トルコ。宇宙を制していたアメリカの勝ち。
・アメリカの黄金期
・メキシコが経済的に発展。メキシコはアメリカに大量の移民も有してアメリカへの影響力も有しており、アメリカに挑戦する。


【気付き】
・この世界、前提が帝国主義で成り立っていることを、未来予測という形で忘れないようにしてくれる。

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Posted by ブクログ 2018年03月24日

全体に非常に示唆に富む。
想像的であり、かつリアルである。
時間、空間の軸に対する理解が多層的。

P107
次の地政学的大地震が起こる場所はどこか?
①環太平洋地域
②ソ連崩壊後のユーラシア
③ヨーロッパの枠組み
④イスラム世界
⑤アメリカとメキシコ

2020年
中国、ロシアの分裂

アメリカ...続きを読むの一国強国体制は続く
→アメリカに脅威を与える国は限られている。
日本、トルコ、メキシコである。P232まとめ
日本はシーレーンの確保のため、海軍力(宇宙含む)を強化する。
トルコは経済成長に伴い、拡張的になる。
もともと地理的要衝に位置し、ロシアの弱体化、イスラムの混乱に乗じて、指導的イスラム強国として勢力拡大。
それに対するプレーヤーとしてポーランドがある。
ポーランドはロシアの弱体化に伴い東方に緩衝地帯を求め進出する。(ドイツ、ロシアの双方から攻められるという積年の懸念を解消するため)
しかし、南からは不安定なバルカン地域に影響力を拡大したトルコが迫る。
アメリカはトルコの勢力拡大を好ましく思わず、対抗馬としてのポーランドを支援。

また、お決まりの自決主義と民主主義的価値観の原則を持ち出して、日本とトルコを国家主権を脅かし人権を侵害する存在に仕立てあげるだろう。P251

その他気になる考察
①20世紀の世界大戦は大量の銃器、自動車、戦車、戦艦、戦闘機を使用し、生産能力勝負の総力戦だった。
しかし、21世紀は核兵器の登場と、精度の向上で、一撃で強烈なダメージを与えられるようになった。
これは、アメリカが進める衛星と超音速ミサイルを活用した攻撃体制でさらに高まる。
その点で、軍事攻撃に必要な労働力は少なくなり、むしろ科学者、技術者が重要になる。

しかし、領土の占領はいまだに多大な労働力を必要とする。これは軍ではなく警察の仕事に近い。敵と良民を区別する文化的理解が必要とされる。この仕事は今より簡単になることはなく、今後も大国の弱点となるだろう。P270

②技術が雇用を奪うという予測は、これまでも繰り返し立てられてきた。だが、そのたびに正反対のことが起こっている。
2060年頃からは失業率の上昇が見られる。


気になるキーワード
P275 ラグランジュ点
2つの天体からの重力が安定する場所。地球と月のラグランジュ点は宇宙ステーションの候補地とされ、宇宙の地政学的に重要。

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Posted by ブクログ 2017年09月05日

こういう国際情勢分析・予測の類は好きなので、面白く読みました。
分析は鋭く、中国・ロシアにおいては見事に的中しているケースを実際に目の当たりにしています。
これらから先 20、30年の予測については完全に将来予測ですが、一見して信じがたい分析が行われています。曰く、トルコと日本がユーラシアの支配権を...続きを読む強め、アメリカと対立し、最終的には米日、米土戦争が起こるというもの。この分析についてはいろいろと抜け落ちている要素を感じて突っ込みたくなりますが、分析自体は論理的で非常に面白い。

それ以降は戦争計画から実際の戦争に至る予測が続きますが、かなりSF小説的内容になっており、私は興味を失いました。(国際情勢分析を知りたいのであってSF小説が読みたいわけではないので)

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Posted by ブクログ 2017年09月01日

予測の前提としてアメリカの超大国としての地位が続く、更に強くなるというところから始まっている。太平洋、大西洋二つの大洋に面し、双方を支配しているというのはわかるが、その支配が今後100年続くかというと疑問もある。

100年の予測は唯一の超大国アメリカに挑む、時代により移り変わる地域覇権国の興亡を通...続きを読むして描かれる。

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Posted by ブクログ 2014年07月19日

 題名道理の内容の本だった。地政学に基づいて語られる未来の予測は説得力のあるものだった。特に近い未来、2020年代についての内容は過去から現在への時の流れを考えると、とても説得力があった。
 読んでいて興味深く、面白かった。今後、新聞やニュースで国際情勢を知る時、この本のアでプローチの仕方で考えたり...続きを読む、この本の予測と比較していきたいと思う。

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