【感想・ネタバレ】彼の愛した翠色【イラストあり】のレビュー

あらすじ

翠を守るために、僕は生まれた……幼い頃、森岡翠の中に生まれた別人格・スイ。そのスイを残し、身体の持ち主である翠が消えた…。二人の幼馴染である笠野真優が翠に告白した数日後のことだった。それから一年。大学生になった今でも翠が帰ってくると信じて疑わない真優に、スイは苛立ちにも似たもどかしさを感じている。翠への失望と諦めから自分を選べばいいと迫るスイだけど、真優は決して頷いてはくれなくて……。番外編SS、松岡なお先生の口絵・挿絵収録。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

随分と前に読んだものの、胸が詰まって上手く感想が書けそうになかったので、
そのまま放置してたんですが、再読してやっぱり胸が詰まった(笑)
結局、どうしたって上手く書けないので、消化するためにメモメモ。
【あなたに恋はしたくない】と共通部分があるにはありますが、
こっちの出来の方が遥かに良かったという印象。

主人公の翠は幼少期の辛い経験から、自分の中にスイという人格を
作り出したんですが、とある事件を境に翠の方が消えてしまい、
スイの方が残されてしまいます。
そんな翠のことが好きな幼馴染みの真優や、翠を優しく見守る義両親、
精神科の橋本先生や同じ養護施設で暮らした嘉人など、
翠を取り巻く環境は信じられないくらい優しいです。

この手の話に、嫌な人間がひとりも存在しないというのが、なんとも
違和感があるのですが、逆に胸糞悪くなる人間がいないので、真綿に
くるまれたような優しい世界観を味わえます。
内容について触れると、どこをとっても最悪なネタバレになって
しまいそうなので……。
文庫としては結構な分厚さに尻込みするかもしれませんが、ぜひとも
最後まで読んで頂きたいです。

最後のページ、最後の1行を読んだ時、ぶわっと涙が溢れました。
この1行のために、あの長い話があったのかな、と思ったほど。
でもそう考えると、肝心の恋愛部分の印象が薄くなってしまうので、
凄く評価に困りました。

個人的には真優より嘉人の方と結ばれたらよかったのに……と
思ったりもしたり。
BLの当て馬って魅力的な男が多いです。
そして一番惜しいのが挿絵。
表紙は美しいのですが、最近ありがちなカラーは綺麗だけどモノクロ残念の
典型パターンです。挿絵なしのがスムーズに読めます。

0
2015年04月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

初読みの作家さんで、あらすじを読んで購入しました。
多重人格の子と幼馴染みの話。
実の父親のDV被害にあって、別の人格「スイ」を作り出してしまった翠だったけれど、ある日スイを残して翠が消えてしまった。翠“が”好きな幼馴染みの真優は、翠が戻ってくるまで待つという。
スイはそれを聞いて「僕にすればいいのに」と云い続けていたけれど。

詳しい感想を書くと、ネタバレになるのでそこらへんはふれないように。
多重人格は、有名どころの「ビリーミリガン」を読んで、これは「ああ、すごいなあ。不可解な事が世界にはあるんだなあ」と理解出来ましたが、色々TVのドキュメンタリーを観ていて、これ人格じゃないんじゃ?というものもあったり。まあ、実際、人格が変わるといえども自分が作り出した物だから、過度の妄想とレべルが変わらなくても仕方ないのですよね。
そういう認識で読んでいるので、スイが翠を大好きというのも、当たり前ですが極度の自己愛だと思うと、うーうーん。まだまだ理解が足りないようです。
傷ついた子が皆に優しくされて立ち直るのはとてもいい話なのですが、少しだけ引っかかるのは翠の年齢が行き過ぎてること。
これが中学生、高校生だったら、もっとすんなり入ってきた話な気がします。あ、でもそれだとエロ展開はきついですなあ。
社会人だと更に微妙なので、矢張り大学生くらいが一番いいのですかね。

オチはハッピーエンドなので、良いと思います。
一番可哀想なのは、嘉人くんかも。

0
2014年07月13日

「BL小説」ランキング