【感想・ネタバレ】きっと優しい夜のレビュー

あらすじ

同性にしか恋ができず、初めての恋人に裏切られ仕事を失い、恋に臆病になっている羽根理。今の仕事を懸命に頑張る理を、上司の堂上永貴は厳しく指導しながらも認め、理もまた、永貴を尊敬している。ある日、堂上に食事に誘われた理は、永貴から告白される。理は永貴の告白を受け入れ体を繋ぐが、その代わりにある条件を出し……。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

初読みの作家さんです。わりと地に足の着いた感じの文体にとても好感が持てます。
前職のアパレルメーカーを横領の濡れ衣をきせられて退職した羽根は、
現在ディスプレイデザイン会社の契約社員をして下積み生活を送っていた。
毎日ひたむきにがんばっているが、元彼に裏切られて罪を着せられた傷はまだ癒えていない。契約社員という先の見えない生活にも不安を募らせている。
いわゆる不幸健気受です。
対するはデザイン会社のチーフを務める寡黙で武骨で男気あふれる会社の先輩堂上。
ある日堂上から食事に誘われ、突然好きだと告白されて驚く羽根。
尊敬はしていたが、恋愛感情は持っていなかった。
自分がゲイであると見抜かれていたことへの不安。
断ったら会社にいられなくなるかもしれないという不安。
羽根は堂上を受け入れる代わりに『正社員になりたい』と交換条件をだしてしまう。
これは身を護るための保険みたいなものだと自分に言い聞かせて。
自分を利用しようとする羽根に落胆したはずの堂上だったが、不思議なほど羽根に優しい。
堂上の懐の深さ、多くは語らないけれど羽根を気遣うやさしさに、割り切って始めたつもりの関係がどんどん苦しくなる。
そんな中、またもや元彼の差し金で不正に巻き込まれそうになった羽根は、堂上に迷惑をかけるくらいならと、そばを離れる決心をする。
こういったひとりよがりで周りが見えていない不幸受は通常あまり好きではないのだけど、うわっついていない堂上の不器用な愛情の好感度との相乗効果もあってか、全然嫌な話じゃなかった。
実はまだアパレル会社にいるころから顔も知らない羽根に潜在的に興味を持っていたというエピソードよかったな。
両想いになってからの甘やかしと堂上のやきもち焼きが微笑ましい。

1
2013年03月19日

「BL小説」ランキング