あらすじ
「あ?」 僕の乗っているバスが、交通事故に巻き込まれた。隕石が落ちてきたような、とても大きい音がした。それと同時に、僕の隣に偶然座っていた、とてもかわいい女の子と、激しくぶつかりあう。 事故に遭ったことを瞬時に理解できず、僕の頭の中は真っ白になっていた。唯一記憶しているのは、その衝撃によって、自分の『右目』を失ってしまったこと。そして、隣に座っていたかわいい女の子と、ファーストキスを交わしたこと――。 『片目』と『初恋』を描く『静電気の季節』ほか、『ひかりの消える朝』『みんなおかしい(ぼく含む)』、最新書きおろしエピソードを加えた短編集。
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Posted by ブクログ
短編集でしたが、それぞれの雰囲気が素晴らしかったです。特に「ひかりの消える朝」の触れたら壊れてしまうような儚い文章は素敵でした。
(2013/11/09)
Posted by ブクログ
短篇集ってちょっとCDアルバムに似ている。
収録順で雰囲気を異にする部分で。今作は収録数的にミニアルバムと言ったところか。
ダーク路線の入間節が炸裂している「ひかりの消える朝」は物凄く綺麗。
名作と言われつつ、今回の文庫化で初めて読んだ。
後ろ暗くて、でも物凄く綺麗。これを一発目に持ってくるのかと。
愚直にブレないという点で「静電気の季節」がやはり好き。
王道の入間人間作品。シングルカットするならこれ。
一曲目で雰囲気を作って、二曲目にキャッチーなのを持ってくる。CDと一緒。
合間にホラー調で重めな「みんなおかしい(ぼく含む)」を挟み、
ちょっと壮大過ぎるだろと思わないでもない表題曲「瞳のさがしもの」。
短篇という枠で収めるにはラストの邂逅が出来過ぎていて、でもそれでいいやと思わせられる。バラードの位置付け。
そのまま小奇麗に終わるのかと思いきや。
書き下ろしの「にゃんと素敵な」が最高だった。
まさかとこぶしくん(猫)に、今作最大のブレない主人公気質を見るとは思わなかった。泣いた。にゃいた。
彼の軽妙な語りとブレないらぶ、感動しつつも滑稽な展開に全部持って行かれた。
トータルして、シュール。
最後にこの書下ろしが収録されることで、濃い内容であるはずのアルバムがあっさりとした不思議な後味となったと思う。
Posted by ブクログ
何とも不思議なテイストの本である(^ ^;
短編集で、基本的には「片目を失う」ことがテーマ。
テーマがテーマだけに、中々に血腥い描写も多く(^ ^;
登場人物の多くがケガをしてたり命を落としたり...
ストーリーや世界観につながりがあったり無かったり。
どこかで見たような殺し屋が登場したり(^ ^;
入間ファンには楽しめる仕掛けも隠れてる。
ストーリーやキャラクターは統一性が無いが、
それを一冊の本たらしめているのは、
登場人物達の「倒壊している様」かも知れない。
それを、思いっきりウエットな描写ですら
淡々と読ませてしまう独特の文体がつないでいく。
何とも不思議な、でも魅力ある一冊である。
Posted by ブクログ
瞳に関する短編集でどれも片想いな話です。
とはいえ、あっさりした青春な話ばかりでなくて「にゃんと素敵にゃ」を除くとそれなりに暗い展開が待ち合わせしている。特に「ひかりの消える朝」「みんなおかしい(ぼく含む)」あたりはちょいとぐろめなシーンもあったりするかもしれません。
# ひかりの消える朝
ひどく疲れている時に読んだせいでもあるけれども、どこまでいっても彼女の一番にはなれず、特別になれず、それでも特別だったけども、そんなどうしようもない現実が僕を突き刺していった。彼らはまだ子供だから物語はまだまだここから続いてくといいなと思うのでした。
# 静電気の季節
失なったものが大きいほど生きる世界が変わってしまう。それでも現実を見ようとする彼女に惹かれてしまうね。お互い片目を失ったもの同士彼女は同情だなんていうし、似たもの同士だからなんて言うのだけど、決してそんな理由ではなくて、出会った瞬間からはじまっていたんだと思いたい。良い話。
# みんなおかしい(ぼく含む)
若干ミステリ感な展開。強い想いというのは怖い。例え体の一部だとしても。
# 瞳のさがしもの
ぼくはこれがたぶん一番好きだ。いやでもこれは小さいときにフラグがたってるじゃねーか。振られるだけの人生で、上手いこと行きそうな流れなんて全部うそっぱちである。そんな人の話。
失明するかも、なんて現実をつきつけられて、その時点で上手いこといってれば違うかもしれないけど、恋愛ってところには大きな壁が見えてしまう。関係ないなんていうけど現実は厳しい。そりゃもともと厳しいからね。仕事なんてやってられないさ。
そうとはいえ希望は残ってる。そんなことをまだまだ思えているのです。
## にゃんと素敵にゃ
「な」が「にゃ」になっててときどき読みにくいのは仕様です。やっぱり最初の言葉は大きい。最初の素直な言葉はずっとずっと心に残る。だから、一途って素敵でややこしい。
Posted by ブクログ
「ひかりの消える朝」★★★
「静電気の季節」★★★
「みんなおかしい(ぼく含む)」★★
「瞳のさがしもの」★★★
「にゃんと素敵にゃ」★★
Posted by ブクログ
「ひかりの消える朝」
情景描写が、とても良かった。思春期のヒリヒリした感じ。グロい描写もあるけれど、意外と「なんかフツーに綺麗にまとまった」感アリな一作
Posted by ブクログ
失くしたと思ってたけど出てきて良かった。
「静電気の季節」と「みんなおかしい(ぼく含む)」が好きかなー。痛い描写が多いのはちょっとあれだけども。まあ入間さんだしそこはしかたないか…。
「ひかりの消える朝」はその後でハッピーになれたので良かった。
Posted by ブクログ
眼球をテーマにしたものを集めた短編集。
中二くさいのがまた好きです。
最後の猫の話だけほのぼのしていて、あとはずれていたり狂っていたりしている話。
Posted by ブクログ
入間先生は個人的にはしっくりくる作品とこない作品のギャップがある作家で、この本は瞳を題材に入間ワールドを展開してて、なかにはいいなと思った話もあったが正直理解できなかった。雰囲気は今回も好きだと感じただけど改めて考えるとなんにもいえないです。