【感想・ネタバレ】新編 八犬伝綺想のレビュー

あらすじ

曲亭馬琴の代表作『南総里見八犬伝』。歌舞伎でもおなじみのこの長い物語は、はたしてたんなる「勧善懲悪の封建的冒険活劇」なのか。かろやかに境界をとびこえて、綺想を広げてみよう。たとえば、ユートピア・安房の「大いなる母」のもとへ集まる犬士たちは、ミシシッピを筏で流れ下るハックルベリー・フィンだ。浜路を拒絶する犬塚信乃は、オフィーリアの死に安堵するハムレットだ。―「水」や「少年」「竜」などをキーワードに、トウェインやメルヴィルを重ね、イーグルトン、ユングをひきながら、八犬伝に近代の人間像を読み解く、比較文学からの八犬伝論。新編として、「江戸の二重王権」「『八犬伝』の海防思想」の二論文を増補。

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Posted by ブクログ

この人、八犬伝そのものには大して愛着なさそう。だからこそ書けるであろう第六輯以降の犬士への身も蓋もない切り口が面白い。他文学との比較が多すぎて訳わからん辺りは若気の至りか(元は学生論文)。で、あとがきが未だ若気の至りが滲んでて面白かった。「きっと売れてないから本を乱発するんだろう」と福田や宮台に同情している辺り、絶対わかってて書いてると思う。

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2009年10月07日

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