あらすじ
カラスたちを世話している少女と命を狙われているヤクザの男の心の交流を描いた『カラスと少女とヤクザ』。父親と二人暮らしの女子高生の多感で不安定な心理を描いた『きっとかわいい女の子だから』。とある連続殺人鬼を題材にした舞台に臨む学生劇団の人間模様を描いた『神様なんて信じていない僕らのために』。とっておきの三編を収録した遠藤浩輝の珠玉の短編集、ここに完成。
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Posted by ブクログ
未レビュー消化。カラスにとって負け犬のような行動も関係ないただ生きるという意味では純粋な本能に従ってるだけとおもうと人間なんて動物にも自分たちの価値観を押し付けるクソみたいな存在だなと小一時間考えさせられました。そういった考えも生命の循環から見たら他愛もないことっていうのがカラスと少女のヤクザの言いたいことだったのかなと思ってみたり、他の2作品も死生観について色々疑問を投げかけてくるような物語で面白かったです。あと、神様なんて~を見てから草野の最後のセリフはいつも心の中に置いてます。
Posted by ブクログ
人は死んで焼かれて灰になり 土に返っていくし〕
〔煙は空に上がり雨になって植物の花を咲かせ〕
〔食べられた動物も糞になって土に返り養分となって花を咲かせる〕
〔同じことだと思わない?〕
〔だから弱い生き物として生まれたからといって 嘆くことなんかないんだよ〕
(カラスと少女とヤクザ)
Posted by ブクログ
連載漫画のEDENよりも短編の方がおもしろい?遠藤浩輝短編集!必見は「神様なんて信じていない僕らのために」。今まで見たことないような短編が読めます。
Posted by ブクログ
遠藤浩輝短編集(1)
『カラスと少女とヤクザ』
『きっとかわいい女の子だから』
『神様なんて信じていない僕らのために』
の3編を収録。
孤独な少女がカラスと住む廃墟に、追われたヤクザが転がり込んで・・・ 「もし私が死んだら・・・」少女がカラスと交わしていた約束が切ないです。
思春期の少女の激しく揺れ動く心、思い描く理想の自分と今の自分とのギャップ、事故で亡くなった姉と比べられるコンプレックス、父の再婚話。心の揺れが限界を超えてしまい壊れた心の行き先は・・・
連続大量殺人鬼と弟を殺され犯された女性との獄中の対話劇。DVが止められないその劇の脚本・演出家と恋人、主人公を演じる女性と育ちの良い弟役の恋。アングラ演劇の舞台裏がリアリティあふれる描写で描かれています。希望が見えない若者にほのかに見える希望とは・・・
いづれの短編も、心が痛む話であるにも関わらず、そんなに暗澹たる印象ではありません。自然の摂理、人間の理なんてこんなもんさ!という諦観がどの物語にも流れているからかもしれません。
竹蔵
Posted by ブクログ
久々に生々しいというか、人の生き死にがストレートに表現されるマンガを読んだ。でも、それが全然イヤな感じではなかったかな。中でも「神様なんて信じていない僕らのために」が一番好き。自分が演劇をやっているからってのもあるかもしれないけれど、独特の手法で描かれる“劇空間”というものがとてもおもしろかった。