あらすじ
小学四年生のみどり。おばあちゃんの病気をきっかけに、原爆のことを考えはじめるが……。現代の小学生の目線で原爆を追体験する書き下ろしストーリーと、実際に原爆を体験した人たちが作った原爆詩20編を収録。【小学中級から ★★】
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Posted by ブクログ
現代の子どもを主人公にした物語と、原爆詩で構成された一冊。
「みどり」という名前なんて、いや、という主人公。でも、その名前には祖母が広島で亡くした妹への祈りがこめられていた。子どもの頃、祖母への反感から、大事にしていた遺品のおもちゃを川に捨ててしまう。祖母は叱らなかったが、ひどく後悔した出来事。その祖母が、ついに入院することになった。
物語は素直で読みやすく、これがあることで、後半の実際に原爆や戦争を体験した方たちの詩が、より理解しやすくなっていると思う。子どもたちに、ぜひ、お薦めしたい。
余談だが、この原爆詩の中に、「とまとが食べたい」とねだる妹の話が出てくる。これが、松谷みよ子の「まちんと」の元になったのではないのかなあ…。