あらすじ
〔競馬シリーズ〕黒ずくめの誘拐者がニューマーケットでも有数の厩舎に押入った。何故……この疑惑は一味の首領が現われたとき重苦しい不安に変った。ダービイの本命馬に一味の指定する騎手を乗せろというのだ。果して、その真の目的とは? ダービイを控え、本格的仕上げ調整に入った厩舎を襲う妄執の影!/掲出の書影は底本のものです
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Posted by ブクログ
競馬シリーズ10作目。
二組の父と息子の話。
息子をコントロールしようとする父親たちと、
父のもとから逃れた息子とその影響下にあることもよくわかっていない息子。
車の事故で骨折をした父の代わりに、
厩舎を管理することになったニールは、突然誘拐される。
経験のない若者を騎手として優勝馬に乗せてダービーに出せ、と脅される。
厩舎を守るために受け入れたニールだったが、
若者は生意気で鼻持ちならず馬丁頭や馬丁たちともめる。
もちろん、そう簡単に実績のない騎手を優勝場に乗せるわけにはいかず…。
ミステリーというよりは、
若者の父との葛藤、そして成長物語だろう。
父親たちが二人とも死んでしまう、という最後は少し残念だが、
若者が騎手として、自分の足で歩いて行けるようで良かった。
他の小説に出て来たポストオフィスタワーの回転レストランのことが、
ちらっと出て来たのがチャームポイント。