あらすじ
これまで各社は「売る技術」を磨いてきた。月間売上目標を達成するために売ってきたのだ。しかし、商品が成熟した現在、「売る技術」はもう通用しない。企業の都合で「売る」ことはできなくなった。顧客が「買う」のである。顧客が売上をつくる唯一の存在なのである。これまでは、1回しか買ってくれない顧客ばかりでも売上目標を達成できた。これからは、そうはいかない。各社の「売る技術」が横並びになってしまったからだ。顧客をケアしなければ、買ってくれることはない。心地いいケアを受けている顧客が、売上をつくってくれるのだ。本書では、顧客をケアするとはどういうことか、どうすれば顧客をケアできるのかを実例とともに解説する。
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Posted by ブクログ
・顧客は常に、自分が心地よいか、自分が特かを図って行動する存在なのだ。
・価格で奪い取った顧客は価格で奪い取られるという鉄則である。
・顧客ケアのマーケティングと情報システムを駆使しながら、きわめて人間的な知性を持って、営業の全プロセスで様々な状態にある顧客の心をつなぎ止め、心を動かし、顧客と長期的に良好な関係を構築する。顧客との関係深化度を可視化しながら、顧客との関係を深化させて、結果として案件発生を知り、顧客の購入プロセスを知り、適切な対応をすることによってビジネスプロセスを契約に向かって進め、売上を伸ばし続け、LTVを最大限に押し上げることが出きる仕組みを構築し実戦している企業
・顧客は決まったようにきちんとケアされる。リズムをもってきちんとケアされる。定期的であることで、顧客はリズムをつかむ。
・顧客ケアは
・①定期的、計画的であること
・②長期的なシナリオへ基づくこと
・③心地よいケアをすること
・④信頼されるケアをすること
・⑤気配りを感じさせるケアをすること
・⑥待ちこがれられるケアをすること
・⑦情で理解されるケアをすること
・⑧理で理解されるケアをすること
・⑨利を理で理解されるケアをすること
・顧客ケアを実現するには、シナリオを搭載するとアクションを自動生成し、担当部署、担当者に指示を出す機能を持つ情報システムが必要になる
・お客にお買い物をしていただいたことを基点とするケア。翌日礼状、チョイスの正しさ、7日後、3か月後、6か月後
・通販業の顧客はすべてGR分析(G:かこ累計購買金額、R:最終購買日)
・高額の靴を購入した顧客を、翌日にはシステムが自動的に発見し、すぐに高額靴を購入していただいたお礼状を出すことから始まり、その靴を選択したお目の高さをほめ、その靴がなぜよく、高価であるのかの顧客学習を促進し、商品の理解を求めてファンになっていただき、次にははき心地のよさを確認し、商品の保管や手入れの方法を案内し、そして梅雨の時期になったらカビを気遣う
・顧客学習促進シナリオ
・感動が覚めやらない時期に、その感動の源である製品のすばらしさを理解して学習していただくと、またその学習が永続していくと感動は消えていかない
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
いまや製品は成熟してしまっている。
機能で差別化することは難しい。
各社が磨いてきた「売る技術」も、通用しなくなってきている。
しかも、人口が減少し、市場規模は逓減している。
そんな時代に必要なのは「顧客をケアする技術」だ。
顧客が主役の時代になったのだ。
本書では、顧客をケアするとはどういうことなのかを解説する。
さらに、それを形式知化することで顧客ケア企業になる方法も解説。
[ 目次 ]
第1章 ポイントが敗れる日
第2章 1回しか売れない本当の理由
第3章 顧客をケアするための原則
第4章 顧客ケア企業になるために
第5章 顧客を育成するシナリオを描く
第6章 変わる営業変わるメディア
第7章 顧客ケア企業はもう動き出している
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
顧客ケアとは何をするのか?
→価格で奪い取った顧客は価格で奪い取られる
営業マンの仕事は顧客と関係を深めるためにケアすることであら、
売る技術+購入していただく技術であり購入の購入プロセスを探る
顧客ケアマーケティングは、顧客のケアすることによりLTVの最大化を目標とする
LTVの最大化遠い将来に到達するものではなく、日々の積み重ねが集大成されたもの
Posted by ブクログ
全般的に述べられているのは、CRMをより活用すべきであるという内容である。
中でも特になるほどな、と思ったのが、
家電製品のポイント制度がもはや機能しない、という箇所や、
さらにビジネスプロセスをより細かく分ける、といった点は、
まさにFIでも学んだ点である。
Posted by ブクログ
著者は「顧客ケア」という考え方のもと、
企業にとっての顧客の価値をLTVに置き、
CRMの重要性について記述している。
とかく、ポイントカードの発行だけに留まり、
結果として単なる値引きに陥っている小売が多い。
顧客データを活用してこそのCRMである点は本著も同じ。
そのデータを使っての顧客ケアという考えであるが、
LTVの最大化を目的として、顧客満足を最大化するもの。
考え方は理解できるが、やや具体性に欠けていると感じた。
一律の答えなどないのは理解できる。
「情」に訴える内容であるため、仕方のない面もあるが、
費用対効果を問うてはいけないなど、
実務面での実行可能性という面では、完全に納得できない。
但し、CRMの有効性・必要性と抱える問題などについても
一通り言及されており、CRMについて理解を深める目的で
読むのであれば、2008年の発行という新しさも加わって、
極めて十分な内容であった。