あらすじ
【「EVIL HEART」シリーズ第5巻】【ページ数が多いビッグボリューム版!】兄の暴力から家族を守るため、合気道に力を求めた中学生・正木梅夫。キレやすい問題児の梅だったが、合気道と出会い徐々に気持ちを変化させていく…。しかし、Xデーは迫っていた。兄・滋を刺傷する事件を起こし服役中の母がまもなく出所するのだ。復讐に燃える兄から梅は母を守ることができるのか。梅とその周囲がざわつき始める…。
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Posted by ブクログ
読者はこれまでの巻を読んできて主人公はもう大丈夫だなって思えてる。
もうこれは争いは起こらないんじゃないか?と。
でも争いは起こる。
主人公はまた間違える。
乗り越えたように見えた暴力衝動に飲み込まれる。
この姿はとりもなおさず自分たちの日常だ。
まるで物語の結末のような解決や成長、
そう感じられるものは自分たちの日常にもある。
だけど僕たちはまたその後で、何度でも同じ間違いを繰り返す。
キレイに解決したはずの、乗り越えたはずの問題に何度だって悩まされる。
その展開に作者のフェアな精神と読み手への優しさを感じる。
だから合気道の「動き」、つまり習慣を通して、再びの暴力衝動から抜け出す主人公の姿に励まされるのは必然。
何度間違えても何度でもやり直せるさ、というストレートなあったかいメッセージ。
この作品に会えてよかった。