【感想・ネタバレ】毒薬としての文学 倉橋由美子エッセイ選のレビュー

あらすじ

学生時代、マスメディアに劇的に登場、常に現代文学に挑戦し続ける著者の『わたしのなかのかれへ』『迷路の旅人』『磁石のない旅』『最後から二番目の毒想』『夢幻の宴』の全エッセイ集から、1.日常と文学の周辺、2.作家・詩人関係に集約編集。「性と文学」「文学的人間を排す」他、坂口安吾、澁澤龍彦、三島、埴谷等、35篇。独創的世界を展開する著者の文学観、発想の源流を示す文芸文庫版エッセイ集。

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Posted by ブクログ

著者の5つのエッセイ集からピックアップされた選集本。
日常生活と文学の関わりや、偏愛する作家について綴られている。
毒にも薬にもならぬという貶し言葉があるが、
著者はそういう文学を嫌悪し、軽蔑していたのかもしれない。
毒にも薬にもならない小説というのは、キャラクターが、延いては作者自身が、
ぬるま湯に浸かって思考停止に陥っているものを指す気がする。
……だとしたら、憎むべき敵の、なんと数多いことか。

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2012年08月15日

Posted by ブクログ

吉田健一への追悼文が載っていて、これを読むと、著者が吉田の文体模倣を意識的にやっていたことがわかる。自ら模倣を認めてしまうのがこの著者の得意技で、食えないところ。模倣で収まらないところを承知しているから、堂々と開き直れるのであって、その意味で本質的な皮肉屋、嘘つきである。

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2011年07月31日

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