あらすじ
現在も多くのリーダーが「最も尊敬する人物」として挙げる西郷隆盛の考えを知ることができる『南洲翁遺訓』。同書を編纂した荘内藩は、江戸市中取り締まりの任にあった際、江戸薩摩藩邸を焼き討ちにした経緯もあり、報復処分を覚悟していた。しかし、維新後、同藩に対して武士道に則った寛大な処置がとられ、それが後に、西郷隆盛の内示だったことを知り、感銘を受けたという。その対応に尊敬の念を深め、荘内藩有志によってまとめられた『南洲翁遺訓』は、著書を残さなかった西郷隆盛、唯一の「著書」ともいえる。本書は、41項目と追加2項目の43項目からなることばを、テーマごとにまとめ、インタビュー風のわかりやすい現代語訳と、西郷隆盛を理解する上でかかせない歴史事実や重大事件について解説を加えた。天を敬い、人を愛した西郷が残した珠玉のことばは、混迷の時代のいまこそ読んでおきたい。
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Posted by ブクログ
鹿児島の方は、今も西郷隆盛を尊敬や親しみを込めて西郷さん、西郷どんなどと呼ぶそうですが、この本を読むと自分もそうお呼びしたいと自然と思えるようになります。恥ずかしながら上野の銅像の人ぐらいの知識しかありませんでしたが、大きな人物だったのだと感じさせられました。
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西郷さんが本書で有名にした「敬天愛人」。日本人のDNAに刻まれた美徳や厳しさが、深い愛を以って書かれています。
日本を守って来てくれたご先祖様への感謝が一層深まりました。
”ほんとうに文明の国々なら、遅れた国には優しい心で親切に説得し、その国の人々に納得してもらった上で、その国を発展させる方向に導いてやるんじゃないかな”という一節は、何度読んでも背筋が伸びる思いがします。
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西郷さんを覆っている「悪役イメージ」を、全て払拭してしまわなければ、日本人に誇りを取り戻すことはできないだろう。
西郷さんの思いのみならず、彼を取り巻いていた幕末の人間模様(橋本左内、藤田東湖など)がありありと浮かんでくる。
幕末の志士の中で、相当上位にランク付けしたい大人物だと思えるようになった。
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晩年の西郷隆盛が好んで用いたという“敬天愛人”という語だが…本書を読むと、少し輪郭がハッキリして、自身の中に入って来るような気がする…本書は、「南洲翁遺訓」に掲載されている談話の背景に在ったかもしれない史実、西郷隆盛の伝記的な挿話が多く取り上げられていて、同時に「昨今の様相は本当にこれで善いのか?」という著者の想いも込められている。また、本書は「悩める若者」にも奨めたいと思わせる一冊に仕上がっている…
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西郷さんの教えを記した本。「南州翁遺訓」は現在既に多くの現代語訳が出ているが、本書は出来るだけ分かり易く、話し言葉に訳してあり、西郷さんがそばにいて話してくれているかのような文章となっている。
内容は政治の事や、人生の事、修養の事等、リーダーとして、人として、日本人としてどう有るべきか、指針を与えてくれる事間違いなし。
線を引きすぎて全てを紹介する事は出来ないが、私が本書を通じて学んだ事は「独りを慎む」という事。「誰が見ていなくても、正しい行いをし、正しい言葉を使う。」西郷さんの有名な言葉で言えば、「人を相手にせず、天を相手にする」という事。
仕事をする上でも生活の上でも、効率ばかりを追い求めてきた自分。
これからようやく、じっくりと自己鍛錬をしよう、出来る、そう覚悟した1冊です。
Posted by ブクログ
西郷隆盛さんの残した言葉を解説付きで教えてくれる本です。少々、昔の人の考え方だなぁ、と思う部分もあるのですが、全体的にはためになりました。自分という存在に対する執着をなくしていきたいと思えました。
西郷隆盛さんの理解も少し深まった気がします。
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現代語訳された西郷さんの言葉に違和感を感じた。爽やかに描きすぎている。
西郷さんの教え、考えを知りたいのだが、幾分著者の主張が多過ぎるところも気になる。
但し、西郷さんの教え自体は素晴らしいものであり、大いに影響を受けたい。
諸悪の根源は自分への執着。肝に銘じた。
Posted by ブクログ
西郷隆盛の話は、司馬遼太郎の小説で見てきたつもりだが、この人の考えにフォーカスしたことはなかったので、結構興味深く読むことができた。
小人になってはならず、人を気にせず天を気にし、聖人・賢人に肩を並べる心持ちで日常を過ごす、というのはかなりレベルが高いがそういうことが、維新当時は必要だったろうし、現代にも必要なんだろう。必要以上に小人が求められている気がするしな。
そして、一番大切なのは己に克つ、克己ということ。自らを律し、正しいことを正しくやることで、成長していけるんだと思う。環境のせいにせず、へこたれずに前に進んでいけば、お天道様は見てくれていると信じるしかないだろう。
Posted by ブクログ
自分の考え方・生き方を再度改めさせられる内容でした。
ただ、作者の方の現代の社会に対する批判が少し多かったのが、良い内容の本だけにちょっと残念でした。
Posted by ブクログ
西郷さんを好きになる本。大西郷って使いたくなる。
明治維新ほど死人の出なかった革命はない。
戊辰戦争の前に、庄内藩と戦い降伏させた。黒田清隆が降伏条件を申し渡す際に上座から伝え、その後下座に回って、御無礼をお許しくださいと言った。西郷さんの指示。