あらすじ
脳の病を患い、ほとんどすべての記憶を失いつつある母・千鶴。彼女に残されたのは、幼い頃に経験したというすさまじい恐怖の記憶だけだった。死に瀕した彼女を今なお苦しめる、「最後の記憶」の正体とは?
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Posted by ブクログ
15年ほど積読だった本書をやっと読んだ。巻末の解説ではジャンルにとらわれない読み方について書かれていたが、私としては、きっちり収めるところに収めてくれる方が好きだ。唯とのバディで最後まで行ってほしかった。
Posted by ブクログ
カテゴリーは一応ミステリーとしたが、ミステリーでもあり、ホラーでもあり、サイコサスペンス、幻想小説、SF・・・どのジャンルとも言えるけど、どのジャンルにもピタッとハマらない内容。
「囁きシリーズ」に近いタッチだけど、そこまでホラーじゃないですね。
特殊な痴呆病に冒された母親の唯一消せない恐怖の記憶が何なのかをたどる過程を描いた作品なのだが、妙に鬱気味な主人公はエヴァのシンジ君を連想させる。
勝手な予想だが、若い人は本作を楽しめないんじゃないだろうかと思う。僕自身も今の歳に読んだのが幸いだったように思う。
ストーリー自体は単純な造りだが、読みごたえは十分。
嵐の山荘や孤島での密室殺人事件も面白いが、こういう綾辻さんの作品がもっと評価されても良いんじゃないかなと思う。
Posted by ブクログ
初の綾辻作品…だと思う。若年性アルツハイマーを患った母の、恐ろしい記憶を辿る物語…なんだけど、前半は精神的な問題もあって、主人公のモタモタする感じがあまり楽しくない。中盤あたりから幼馴染が尻を叩いてくれたから謎解きも進んでいくものの、ホラーというよりかはファンタジー的なオチで終わってしまったのが何とも言えない感じだった。色々引っ張った結果がこれなのがちょっと残念。文章は読みやすくてとても良かったので、他の作品を読んでみたい。
Posted by ブクログ
綾辻さんは「十角館の殺人」しか読んだことなかった。それとはまた趣の違う作品。
後半が結構夢かうつつか、みたいな感じになるので前半の方が好きだったかな。
病気のこととか詳しく出てきて。理系脳の主人公ほどじゃないと思うけど、科学的に説明がつく方が安心はする。
オチ?はなるほど面白いとは思ったけど、現実的に考えてしまうとハテナも残るので、、。
解説が結構自分には刺さったかも。
何せ自分も本や映画をジャンル分けして楽しんじゃうようなところがあるので…。
この作品も期待してたものと少し違ったので拍子抜けしてしまったというのが本音。
中盤のパートの、柳の家や咲谷の家で過去を探っていくところが特に面白かったかな。
「愚行録」や「傲慢と善良」でも思ったけど、本人不在でその人のことが少しずつわかっていくのが面白い。よりリアルな姿が浮き出てくると思う。
ただ、これも小説のジャンルこそバラバラなだけで、パターンに当てはめているという点では上に書いたようなことと変わらないのかも…。