あらすじ
「あの山の上には、誰も見た事がない蝶が飛んでいるに違いない!」物心ついたときから虫が大好きで、昆虫標本商になってしまった著者が、魅力に満ちあふれた虫の世界を語る。
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Posted by ブクログ
昆虫採集がメインのタイトルでありながら、著者の川村さんの生き様についても書かれている。好きなことを優先するために、あらゆるリスクも背負って虫(特に蝶)に執着する。生きる事に不器用なのかもしれないし、読む限りでは今後の生活が保証されているわけでもなさそうだ。ただ、中途半端にせず、その道をまっすぐ目指してブレずにきたのはすごい。ある意味、波乱万丈な人生とも言える。タイトルからはもっと学術的な内容、子供向けの内容と思ってしまったため、ギャップが面白かった。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
「あの山の上には、誰も見た事がない蝶が飛んでいるに違いない!」物心ついたときから虫が大好きだった著者は、世界中の未知の土地で採集を繰り返した。
人間のアイデアが及ばない絶妙の配色に彩られた美しい蝶、驚くべき形をした数々の甲虫との出会い、人生を昆虫に賭けた「虫屋」の人々との交流、収集の楽しみなど、その奥深く、魅力に満ちあふれた虫の世界を「昆虫標本商」の目で語る。
[ 目次 ]
第1章 昆虫に賭ける
第2章 新発見への情熱
第3章 人と蝶の深い関係
第4章 地球上で一番美しい生物
第5章 アグリアス・ロドリゲッツィーを求めて
第6章 蝶を創る
第7章 命を賭けた採集旅行
第8章 収集の楽しみ
第9章 ヨーロッパ博物学の伝統
第10章 蝶と地球
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
『昆虫採集の魅惑』というより、『昆虫収集の魅惑』の方がしっくりくる内容でした。著者は標本の販売業を営んでいる方です。私はあまり「標本の売買」に興味はなく、どちらかというと自分で実際に採って撮る方に理解がある方なのですが、作者の「蝶」に対する熱い思いは文面からも行間からも溢れるようでした。ただ、エピローグの「我々が「昆虫採集」などと言って蝶を採るのは自然界にはなんの影響もない。採集した位で減ってしまう様なヤワな蝶は存在しない。」という言葉には賛成できません。私が蝶の撮影のフィールドとしている九重あたりのゴマシジミやヒメシロチョウは、やはり採集圧が生息地を脅かしているように思えます。一人、二人がとったくらいでは影響はないでしょうが、決まった時期に、200メートル四方くらいの生息地に毎日何人も何匹も採集してったら影響がないはずがありません。そのへんは著者も「採集するのは最低限」といってますが、採集者は常に「採集圧」について心にとどめておくべきだと思います。