【感想・ネタバレ】海を渡った柔術と柔道 日本武道のダイナミズムのレビュー

あらすじ

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世界規模で普及している柔道と、いまや総合格闘技に欠かせない柔術は、いつ・どのように世界に飛び出し、各国でどう受け容れられていったのか。イギリス・フランス・ドイツでの柔術・柔道の人気、ロシアのサンボや柔道強国グルジア、アメリカに渡ったヤマトナデシコ、ブラジリアン柔術の秘話などを紹介して、日本武道のダイナミズムを描く。

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Posted by ブクログ

日本にルーツを持つ格闘技・柔術と柔道。本書ではイギリス・フランス・ドイツでの柔術・柔道の人気、ロシアのサンボや柔道強国グルジア、アメリカに渡ったヤマトナデシコ、ブラジリアン柔術の秘話などを紹介する。

現在でも日本よりも海外での活躍のほうが有名な武道家はおりますが、現在ではそれもわずかであると、聞いたことがあります。本書では、オリンピックの競技をはじめとして世界中に『スポーツ』として普及している柔道と、イギリス、フランス、ドイツなどに根付いた日本の古流柔術。さらには、現代の総合格闘技の世界では必須教養とされる、ブラジリアン柔術について、海外に雄飛した柔術家や柔道家、さらに柔道や柔術の影響を受けて完成されたサンボなどのことや、現地の様子などを紹介し、学術的な考察が加えられているものです。

全体の構成は様々な視点で書かれた7つの論文と7つのコラムから成り立っており、それぞれが独立していて、どこから読んでも面白かったです。特に自分が面白かったのはロシアのサンボにかかわる考察と、『移民』とブラジリアン柔術に関することがかれた箇所でした。

現在ではもう、歴史のかなたに埋もれた日本人が、こんなにも熱く海外に行って、現地に溶け込み、柔術や柔道を指導し、それが現地に根付いて、あるいは土着の格闘技と融合しながら、さまざまに変化しているという話は、本当に興味深いものがありました。

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2013年07月10日

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