あらすじ
欲望を植え付けられ幸福感が満たされなくなった現代人。なぜ私たちはこうなってしまったのか。「貧しい者こそむしろ幸福」という、その理由を宗教と経済の観点から分かりやすく解説する。
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Posted by ブクログ
幸福とはゆったりと暮らすこと、という観点から、資本家的発想=「資本の論理」から抜け出し、貧乏人の「お互いさま」精神にのっとった生き方を説く。
【「お客様」の思い上がり】
◯また、わたしたちは買い物に行ったとき、食事のためレストランに行ったときなど、そこの従業員の接客態度を査定しています。言葉遣いのはしばしにいたるまで監視しているのです。その裏には、〈自分は客なんだ〉といった思い上がりがあります。
【清貧ごっこは金持ちの遊び】
◯兼好は、若い頃は朝廷に仕えていました。そして推定年齢三十歳で、彼は出家遁世をして法師になりました。世捨人となったのです。このとき彼は、山城の国の山科の小野庄に水田一町を九十貫文で買い取っています。兼好はこの一町の水田を、四、五人の農民に貸し、年間十石の年貢米を得ていたようです。昔は、人間一人の年間の生活費は米に換算して一石というのが標準でしたから、兼好の世捨人としての生活は相当にリッチであったと想像できます。