あらすじ
〔競馬シリーズ〕最近イギリスの障害レースでは思いがけない大穴が十回以上も続出した。番狂わせを演じた馬には興奮剤投与の形跡が明白であったが、証拠が発見されなかった。そこにはどんなからくりがあるのか? 事件の解明を依頼された牧場経営者ロークは、厩務員に身をやつして、黒い霧の調査に乗り出した!
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Posted by ブクログ
イギリスの作家、ディック・フランシスの競馬シリーズ第三弾。
オーストラリアで牧場を営むダニエルは、イギリス障害レースの理事であるオクトーバー卿から不正の調査を依頼される。幾度とも絶対に勝てない馬が勝ち、勝ち馬は興奮状態にあったが、薬を打たれた形跡もない。ダニエルは厩務員を装い、色々な厩舎を回るが…
前二作と異なり、今作はサスペンス色は薄まり、一方で非常にスパイ小説の色が濃い。これもまた雰囲気が異なり楽しめる。
何より主人公のダニエルは、不行不屈としか言いようがないほどの忍耐強さを見せる。タフガイとはこういうものかと笑。それほどまでに酷い状況に陥るのだが、全ての逆境を耐え切り、乗り越える姿が熱い。ただ、女運は悪い気がする笑
事件の真相も、なるほどと。聞いたことがあるなという程度の仕掛けだが、中々良い。
次作は待ちに待った「大穴」。ほぼ唯一のシリーズキャラクター、ハレーの登場作とのことで非常に楽しみ。
Posted by ブクログ
競馬シリーズ3作目。
いわゆる潜入捜査は好きではない。
ただでさえハラハラするのに、
正体がばれそうになり、
命の危険にさらされるのがお約束なので、
心臓がもたない。
それが、かなりの部分楽しく読めたのは、
主人公の設定というか、人物像だと思う。
父母を亡くし兄弟たちのために牧場経営をするオーストラリア牧場主が、
イギリス貴族に見込まれて、競馬界をゆさぶる不正を暴くべく、
イギリスで厩務員として働きはじめる。
服装や髪形で「危ないやつ」に変わっていくところや、
オーストラリアなまりの英語を直すところ、
雇い主の娘に陥れられたが、それを隠れ蓑として良しとするところと、
嫌がらせや暴力に誇りを失いそうになりながらも、
自分を見失わない強さが印象的だった。
不正のトリックも面白かったし。
お屋敷の家令を相手に、
どれぐらい服装をくずせば、
信用ならない、しかし雇う気になる男になるかを
検討している場面は面白かった。
残念なのは、
陥れた貴族の娘の姉を連れて、オーストラリアに帰るのかと思っていたのに、
真実をみつけ、敵を倒す達成感と充実感を知ってしまい、
工作員となると決心したところかな。
Posted by ブクログ
最近イギリスの障害レースでは思いがけない大穴が十回以上も続出した。番狂わせを演じた馬には興奮剤投与の形跡が明白であったが、証拠が発見されなかった。そこにはどんなからくりがあるのか? 事件の解明を依頼された牧場経営者ロークは、厩務員に身をやつして、黒い霧の調査に乗り出した!
薦められて読んだ本です。元が洋書でしかも結構前のものなので、ちょっとわかりにくい表現や、イメージしにくい物の描写等がありましたが、それを差し引いても面白かったです。