あらすじ
W推薦!! 志村貴子&橋口亮輔
涙をこらえつつ読みましたが壮ちゃんの涙に持っていかれてしまいました。
おとこのこもおんなのこも、みんなが幸せになってくれたらいいな。
――志村貴子
人は、みんな何かになりたい。
張りつめて、途方に暮れて、すりむいて、ひりひりして、
それでも生きて行く。そして、自分になっていく。
それだけのことだ。
――橋口亮輔
性に悩む二人の青年の葛藤と成長を、みずみずしく描いた単行本デビュー作。
あらすじ
女装してクラブで働く淵野辺壮と、ピザ配達のバイトをしている菊名修次。
ある夜偶然出逢った二人には、それぞれ秘密があった――。
※「ぽこぽこ」連載時、反響を呼んだ『ふぞろいの空の下』を改題。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「あるべきわたしになる」ための主人公の紆余曲折が自然で、主人公たちを取り巻く周りの反応も自然で、いい作品でした。妹ちゃんかわいい。
それまで違和感ばかりを感じてうまく生きられなかった人が標を持って歩き出す様や、それまで迷わないように生きていた人が迷い出して崩れてしまう、かたくてもろい感じがすごくぐっときました。
Posted by ブクログ
本当に簡単に言ってしまえば、「性に悩む二人の青年の葛藤と成長を、みずみずしく描いた」作品。お互いがお互いに影響されあって、話は進んでいく。一冊読み切りなので、あっという間に読み終わる。確か5話か6話くらいの構成だった気がする。
紙幅の関係からか、比較的展開が早くて二人の感情の動きとか、考え方の変化があまり読みとれないように私は感じたかな(登場人物の性格上、あまりやりすぎると設定が壊れるのかもしれないけど)。
それと、二人を二項対立的に捉えるのは安易にすぎる気もするけど、後半の修次はとっても素敵だったなー。この手の本ではよくある展開なのかもしれないけど、でも憧れる。
ついでに『青い花』『放浪息子』で有名な志村貴子さんが、帯で絶賛していた。だいたいこの本の内容はその系統、という感じではあるかな。
Posted by ブクログ
大きな感動、というよりも、じわっと心にくる感じのお話。
簡単に言ってしまうと、男性性を否定され続けて挙句体が女性的になってしまった男の子と、性同一性障害を持った(たぶんゲイではないのか?)女性性に憧れる男の子のお話。
淡々と進んだり、急に加速したり、物語の緩急がよくって、それに伴って動く登場人物たちの心がまたよかった。
台詞周りが特別なわけでもないのだけど、一瞬の間や表情、そういうものがすごく張りつめた空気感や、そこから動き出す解放感を描くのがうまい作家さんだなと思った。
Posted by ブクログ
性に悩む二人の少年の、あるべき姿を手に入れるための葛藤。精神を病んでいる母親の影響で女装する男のこ(染色体異常で体も女性的)と、女の子になりたい男の子。