【感想・ネタバレ】あい色神話のレビュー

あらすじ

学生運動が終焉を迎えた1970年。頭脳明晰でしっかり者のケーコさんのクラスに、季節はずれの転校生コースケがやってきた。問題児でお調子者のコースケに振り回されつつも、ひたむきに映画監督の夢を追う彼に惹かれていくケーコさん。が、そんな自分の気持ちに気づいた時、彼の隣には親友の響子がいて――!? 表題作他、美しい従姉妹と過ごしたひと夏を描く『ねむり草の夢』を収録。大和和紀の"胸に残る"愛の名作!

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Posted by ブクログ

高校では生徒会役員、東大に入って、品行方正な男子と結婚が決まって……っていう人生を歩いていた桂子さんの1974年から1980年までを描いた小編。鷲田清一氏がこの本をジェンダー的な束縛のたとえとして引いていたのだけど、この本は十年愛の物語として読んでしまうと、小編ということもあり、細部が端折られてしまっているような感じがすると思う。それよりもやはりジェンダーの視点で読んだほうが面白い。いつの間にか小走りでしか走ることのなくなっていた桂子さん。「君は働かなくていいよ」という男と結婚しかけた桂子さん。世の中には自分らしさの前に、女らしさとか男らしさってものが立ちはだかっている。考えもせず自らそういう壁で囲おうとする人もいる。

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2010年12月30日

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