【感想・ネタバレ】「想定外」の罠 大震災と原発のレビュー

あらすじ

事故論の第一人者が突く、この国の「失敗の本質」。
なぜ「想定外」という免罪符がまかり通る日本になったのか。福島第一原発の事故調査・検証委員も務めた著者が、50年にわたりあらゆる被災地を歩き、見て、分析し続けた結果、得た教訓を明らかにする。広島・長崎の原爆、チェルノブイリ、スリーマイル、東海村臨界事故、阪神・淡路大震災、新潟中越地震、そして福島。これぞ事故分析のバイブルというべき一冊!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

私が柳田邦夫氏の著作を初めて読んだのは「日本の逆転した日」という文庫本でした。中学生のときだったと思います。自動車のロータリーエンジンや、製鉄での転炉など1980年代に日本の工業時術力が世界に追いつき、そして世界一になるドラマを様々な業界の実話をもとに丁寧な取材で詳しく述べられていました。工業技術や巨大システムを論じさせれば随一の視点をお持ちの柳田氏が福島原発事故やJCO東海事業所での臨界事故などにどのような視点をお持ちであるか、興味深く読みました。「複雑で高度な技術してステムではシステム中枢部は安全確保に万全の配慮をした設計になっているが、システムの縁に当たる部分でまさかと思われるミスなどが起きやすく、それが引き金となってシステム全体の破壊を招く」という柳田氏の「辺縁事故」という概念は、非常用発電機の不備によって重大な事故に至った福島原発事故の本質を的確に押さえていると思いました。

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2014年04月15日

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