あらすじ
画期的な発想や発明は、枠の外(アウトサイド・ボックス)で考えて初めてものにできる、というのがこれまでのビジネス本や自己啓発本の定説でした。ところがコロンビア大学ビジネススクールのゴールデンバーグ教授と、P&Gなどのメーカーでイノベーションを指導してきたボイド氏が、実際に歴史上のイノベーションを400例以上研究したところ、それはまったくの逆だ、ということが判明したのです。
大きなブレイクスルーは、実は「制約の中」(インサイド・ボックス)で考え抜くことで生まれる――この意外な事実を豊富な実例をもとに立証していきます。たとえばアウトサイド・ボックスの代表例としてよく出される走り高跳びの「背面跳び」。従来の飛び方「ベリーロール」の発想を逆転させたといわれてきましたが、実は、これを発明した選手は、はさみ跳びを変化させて背面跳びに行き着いたことを著者二人はつきとめます。他にも、洗剤から汚れを落とす成分を取り去ってみる、携帯電話から電話をかける機能を外してみる、メールの字数を140文字に制限する、など画期的なイノベーションを生んだ「インサイドボックス」の思考法を紹介していきます。脳髄をしぼりながら、徹底的に考える――あなたの仕事にもキキます。
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Posted by ブクログ
インサイドボックスとは、制約の中で考え抜くことで、飛躍的に解決策がみつかる秘密の方法のこと。
各章のあとのまとめページがわかりやすくて親切。
メモ
・5つのテクニック
引き算 何かの要素を取り除く イヤホン、ipodタッチ
分割 構成要素の一部を分離 リモコン、プリンター
掛け算 一部の要素をコピー増量&変更
一石二鳥 一要素に複数機能
関数 無関係な要素を連動させ革新的なサービスを
・二つの原則
閉じた世界の原則 身近な資源に目を向ける
問題解決プロセスの固定観念を置き換える 機能は形式に従う原則
・アウトサイドボックスなブレストは無秩序を生み、革新的な発想を妨げる。閉じた世界の方が創造的になれる!
・分割のテクニック
機能的分割、物理的分割、機能を維持した分割の3つがある。その後空間的組み替えや時間的組み替えにより新しい可能性を模索する。
・掛け算のテクニック
要素を洗い出す、ある要素の数を増やす。コピーに全てオリジナルと異なる特徴を持たせる。ただのコピーにしないことが重要
・一石二鳥のテクニック
アウトソーシング、既存の内部資源の活用、内部要素に外部要素の役割を担わせるなど。
・関数のテクニック
互いに関係のない2つの変数を選び出す
一方の変化に合わせて他方の性質が変わるようにする。新たな価値がうまれる。
・矛盾を構成する三要素
利益や恩恵の要求
利益や恩恵を得るためのコスト
その二つを結びつける連結要素
Posted by ブクログ
①なぜ、制約の中にイノベーションがあるのか?
・背面(高跳び)跳びは、はさみ跳びの延長で生まれた
・閉じた世界の中の要素を用いた経穴策の方が創造的(問題に目をそらさない)
・ブレストによる多すぎるアイデアはあまり意味がない
②引き算
・ウォークマンは、録音機能をスピーカーを除いたマーケティング調査の結果は、散々だったが、1カ月54台→2か月5万台→全世界で5億台売れた
・Ipadはシンプルさとデザイン性(競合製品はたくさんあった)
・ファブリーズは洗剤成分を除いた
③分割
・レコーディングで1曲を分割して、後でつなぎ合わせる
④掛け算
・髭剃り刃を2枚に
⑤一石二鳥
・IPHONEアプリをアウトソース
⑥関数
・ミルクの温度で色が変わる哺乳瓶