【感想・ネタバレ】ツチノコの民俗学 妖怪から未確認動物へのレビュー

あらすじ

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江戸期には「妖怪」として畏怖されたツチノコは、1970年代に「幻のヘビ」として全国を騒がせ、「未確認動物」になってマンガや子ども向けの読み物で描かれて、いまも実在と不在の渦のなかで夢を与えつづけている。民間伝承では恐怖の存在だったツチノコがマンガや観光資源になり、海外でも受容されるようになるまでの足跡をたどる。

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Posted by ブクログ

ツチノコについて、広く網羅した一冊だがあくまで視点と手法は民俗学のそれとなっている。故に、実在についてはあまり言及されていない。あくまで『ツチノコ』というモノが人間にとってどういうものなのか?そして、どう扱ってきたものなのかについての本。
読んでまず思ったのが、存外と狭い界隈なのだなと思う。
知られている割に既知のものが多い。ツチノコの目撃譚も取り上げられているが、記録はあくまで目撃譚で、具体的な物証はない。『ないものは、ないことは証明できない』という言葉が浮かび、人間というものは厄介だなあと感じた。
論の展開は丁寧で、参考文献も多く説得力がある。
その中で、多くを占めている『逃げろツチノコ』に興味がわくが、多分自分は読まない気がしている。この精神性こそが、ツチノコをツチノコたらしめているのだと、私は知っている。この本を読んだなら、それを理解出来るように思う。

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2025年03月27日

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