あらすじ
北アルプスの稜線から日本海までつづく、夢の縦走路を拓いた男たちの苦闘と感動を描く!
北アルプス最北部、朝日岳から日本海親不知海岸へ向けて、真っ直ぐに北上する一本の縦走路・栂海新道(つがみしんどう)。 多くの登山者にとって憧れの登山コースとなっている、この全長27km、標高差2500mに及ぶ長大なルートを、わずかなメンバーで10年の月日をかけて開拓した地元「さわがに山岳会」の感動的記録と、その後36年の月日を経て国による整備が開始されるまでの維持管理の苦労を語る。 昭和45年刊行の『山族野郎の青春』(小野健著・山と溪谷社)を底本として、全面改稿のうえ、開通後の維持管理、通好みの縦走路として人気の高まり、そして36年を経て環境省が整備をするとの連絡を受ける等、前著にはない内容を大幅加筆して、まったく新しい本として生まれ変わりました。
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Posted by ブクログ
グッとくる一冊でした!
本を読んで、著者の小野さんは山と自然にめちゃくちゃ造詣深く、それをものすごく愛していて、仲間を心から大切にしていることが偽りなく伝わってきた。
何故栂海新道は開通に至れたのか、この本を読むとすごくわかり、それは読者が人生を歩む上でのヒントにもなる気がする。
ある程度の山ヤさんにはおなじみな高山植物や動物、そして周辺の沢名や山名が頻繁に登場したりもして、それもすごく良い。
栂海新道は、ここ最近、雑誌で頻繁に取り上げられ有名になってしまった感があって思い入れ感は正直薄れてしまっていた。でも、この本を読み終えた今、絶対に歩きたいトレイルへと変わったことは言うまでもない。
Posted by ブクログ
日本海の海抜0mから白鳥山(1,286.9m)、犬ヶ岳(1,593m)を経て朝日岳(2,418m)を結ぶ北アルプス最北部の縦走路、「栂海新道」を切り拓いたさわがに山岳会。
そのリーダーで、栂海新道を拓くことに一生をかけたといっても過言でない、著者の記録。
いままでどこの道を歩くにも、「この道はどうやって出来たのだろう」と不思議に思っていた。
山を歩くようになって5年過ぎた今、その疑問が、本書を読むことによってようやく解消されました。
登山道が完成するまでに10年。
その後の維持は現在も続く。
そのご苦労は肉体的にも政治的にも、生半可なものではなかったと思われる。
今後この道を歩く機会に恵まれたら、新道の景色を堪能するだけでなく、新道を切り拓いた人たちに感謝をしながら歩きたい。
そして、著者のご家族にも敬意を表したい。
きっと、苦労されただろう。