【感想・ネタバレ】食欲の科学 食べるだけでは満たされない絶妙で皮肉なしくみのレビュー

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Posted by ブクログ

肥満研究の歴史を交えながら、食欲の生理学を解説。脳の生理学もすんなり頭に入ってきた。今までの断片的な知識が繋がっていく爽快感。大学時代に講義してもらいたかった。面白い。関連論文読み直してウンウンなるほど頷いた。

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2012年11月03日

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櫻井先生といえば、「オレキシン」という覚醒の維持に関わる神経ペプチド(ナルコレプシーという睡眠障害にも関係する)の研究者として有名な方である。私は前著「睡眠の科学」で先生のことを知り、本書も読むことにした。
睡眠から食行動の研究者に転向されたのかと思ったが、そうではなかった。オレキシンという物質は食欲にも大きく影響を与えおり、そもそも摂食行動を亢進させる物質として最初に発見されたのであった。素人的には「睡眠・覚醒」と「摂食行動」を分けて考えてしまいがちであるが、オレキシン作動性ニューロンを介して密接に繋がっていることが改めてわかった。
また、このニューロンは「行動選択」や「動機付け」に関わる『報酬系』にもアクセスすることができるらしい。人間にとって1番の「報酬」は食べ物という示唆は腑に落ちた。
日常的に食事をした後に眠くなったり、逆に食べないと覚醒してイライラしたりすることは誰しも経験するが、本書を読んでその理由が科学的に理解できた。

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2016年02月24日

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体重は、脳が食欲をコントロールすることによって一定に保たれている。脳内で食欲がどう作り出されるか「ヒトの食欲」のメカニズムを脳生理学が解き明かす。
「食」という字は、「人」を「良」くすると書く。よりよく生きるため、上手に「食欲」と付き合いたい。

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2014年09月28日

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食欲についてかなり詳しく、医学書的な感じで深い知識を得ることができる。詳しすぎて難しくなっていて読み難い部分も屡々あったが、これはブルーバックスの特徴といえば特徴であり、良い点ともいえる。

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2013年04月11日

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ファスティングを始めて1年。きっかけは、昨年9月に盲腸の切除手術でちょっとした縫合ミスがあり、炎症したのがきっかけで3週間入院し、体重が10kg減少したことから。それを健康に維持して、入院前についていた贅肉を付けないように軽い筋トレと食事制限から始めた。
 16時間ダイエットは慣れても常に空腹を感じる。
この空腹がサーチュインという酵素の活性化を促しているサインだということ。
 こういう経験が、この本にあるような生体学の理論と組み合わさると理解が定着し、自分の体と会話するのによく役立つ。流行や一部の人の話しに飲み込まれることなく納得して試みていることを継続できる。

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2022年11月29日

Posted by ブクログ

 ブルーバックスだけあって、少し前に読んだ同じような本よりも、より科学的な内容で読むのに時間もかかったし、専門用語が難しくて手強かった。
ちゃんと理解したとは言い難いけれど、第7章に食欲に関する日常の疑問がQ&A形式でまとめられていて、ありがたかった。
エネルギーの充足と報酬としての満足、ふたつの要素を十分に満たしながら、食欲をうまくコントロールしたい。

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2019年03月29日

Posted by ブクログ

「なぜ人間には食欲があるのか」という疑問は、「生命維持に必要だから」ということで調べるまでもなく理解できるが、「どのようにして空腹/満腹を感じるのか」という疑問に答えられる人は少ないだろう。本書はそんな空腹の欲求と脳の活動の話。
αメラノサイト刺激ホルモン、ニューロペプチドY、プロオピオメラノコルチン、コカイン・アンフェタミン誘導転写産物などの読みくい物質から、弓状核、外側野、室傍核、視交叉上核という読み方すらあやうい脳部分まで説明なしで用いられるため、全てを理解するには新書では足りなすぎる。だが図は豊富なため、かろうじて関連性は理解できる。そして細部は理解できなくとも、食べたものが分解され、血液中に取り込まれ、脳の受容体に到達し、脳内で新たに生成された物質同士が作用し合う構図は、今後、体内物質の流れを勉強する上での基礎となるだろう。加えて脳機能のフェールセーフ性、肥満を解消するための胃バイパス手術、食欲を制御するための脳手術などの驚きも多数楽しめる。
食欲に興味がない人以外には安心してオススメできる一冊。

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2018年10月20日

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仕事がら、生活習慣病の治療に関するあれこれが多いため、その原因の1つである肥満をもたらす”食欲”に関する科学的な研究をクイックに把握したいと思いセレクトした講談社ブルーバックスシリーズの1冊。

様々な欲望の中でも”食欲”に関して、ここまで膨大な研究労力が費やされていた(もちろん、まだそのすべてが解明できているわけではないにせよ)という点に率直に驚いたのが率直な感想。
食欲に関連するホルモンであるレプチンを発見するまでの40年にも渡る先行研究の軌跡や、脳の働きを分析することで食欲発生のメカニズムに働きかける研究など、長年の科学研究の成果をコンパクトに知ることができた。

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2021年11月28日

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おそらく自分の勉強不足も大きく関連していると思うが、かなりの科学に関する専門用語が多く一筋縄では読めなかった。時間をかけて読んでいけば、所々図解などもあるので脳の働きと人間の食欲について体系的な理解を得ることが可能だと思う。
現在の食欲に関する通説に対し、それを根本から覆すような論はこの本の中では多くは見られなかったので食欲と脳に関して大枠で学びたいと言うよりは、専門的なところまで深く知りたいと言う知的好奇心のある方にオススメ。

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2019年09月25日

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「摂食行動の制御システム」は飢えによく対応できるよう必然的に進化したものだったが、それが飢えを克服した飽食の時代には別の問題になっていることがていねいに解説されていて、大変興味深かった。
食欲は究極的には脳がつくっているもの、性格や人格までをも包括したものという話はとても面白い。

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2018年10月21日

Posted by ブクログ

仕事に必要な知識を得るため取り寄せて読んでみた。前半は、生理学・脳科学的な観点から食欲の機序が説明されている。しっかりと説明されているが、もう少したくさん図を入れても良い印象を受けた。通勤電車の中で読んで理解するのは、ちょっと難しかった。後半は実生活と関連した視点で描かれていて良かった。末尾に参考文献が列挙されているのは良いのだが、どの記述部分がどの論文に対応しているのかがよく分からない。論文のように記述内容と参考文献がリンク付けられるとなお良かったように思う。

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2015年02月17日

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食欲の発生するメカニズムについての解説。生命維持のために最も大切な機構であり、今でも全容は解明できておらず、食欲だけを外部的に抑えることは全くできていない。ホルモンや脳に働きかけを行うと性格まで変えてしまうことになる。
短期的には血糖、長期的には脂肪の量が脳にフィードバックされ食欲を促す。その伝達経路は多数あって様々なフェイルセーフが施されている。
食欲を抑えるには地道な方法しかなく。適切な量をゆっくり食べることが重要なようだ。

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2013年02月02日

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体重の恒常性
レプチン、アディポサイトカイン
長期的には体脂肪、短期的には血糖値

レプチンの減少=体脂肪の減少、が飢餓感をもたらす

動物は空腹が長引くと活動が増える=覚醒レベルが上がる

サーチュイン遺伝子は、低栄養状態で活性が高まる=死亡率は定かではないが、健康状態はよくなる。

美味しいと実感して食べること、従ってながら食べ、は厳禁
早食いはNG
夜8時以降は副交感神経が活性化するので食べないこと
水分をとること
別腹は、食欲の報酬系の刺激

食欲抑制剤シプトラミンは、副作用で販売中止

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2016年03月03日

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