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Posted by ブクログ 2017年06月03日
読書録「小さな博物誌」3
著者 河合雅雄
出版 小学館
p202より引用
“ 百万年に百キロしか移動しないアオイの
船に乗り、ギフチョウは中部以西の日本一帯
にすみついた。その無量の進化の営為が、珍
物漁りの文明人に今、無残に狩り獲られよう
としている。”
目次から抜粋引用
“漆の名刀
すも...続きを読むもとゴリラ
子猫を育てる猿
一万年に一キロの旅
枯木立の中の緑の灯”
霊長類研究の第一人者である著者による、
生物との思い出等を記したエッセイ集。
過去他社刊行、「小さな博物誌」と「森の歳
時記」加筆・訂正・文庫版。
子供の頃の生き物との出来事から四季を彩
る動植物の生態についてまで、情緒に溢れた
文章で描かれています。
上記の引用は、ギフチョウとその幼虫のえ
さになるカンアオイについて書かれた話での
一節。本当に自然を思いやるのならば、人間
があまり近寄らないというのも、一つの考え
なのではと思います。観光で経済が良くなっ
ても、経済で取り戻せない損失が出てしまう
事もあるのでなないでしょうか。
サルの研究だけでなく、著者の多方面の生
物に対する造詣と愛情が記された一冊です。
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