あらすじ
しがらみから離れて、気ままに心の放浪へ。夫婦水いらず、一家団欒、気のおけない仲間。誰かとする旅行は楽しい。だが、本書で語られるのは「男のひとり旅」である。日常のしがらみや仕事のごたごたから解放されたい。わずらわしいことをしばし忘れたい。そして時には家族からも自由になりたい。――そんな願望を抱える人のための本である。どこか遠くへ行きたいと思ったなら、もう旅は始まっている。パックツアーは避け、自分なりのテーマに沿って行き先を決める。自然を求め、季節をたずね、気楽に気ままに、自分だけのために。贅沢をするわけではない。青春時代のような冒険もない。不便なことや寂しくなることも。でも、やっぱりまた行きたくなる。それが、酸いも甘いも噛み分けた大人だけに許された醍醐味なのだ。若者にはわからない愉しみへ読者を誘う。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
いわゆる旅行案内ではありません。
「今までも旅が好きで、これからの自由時間を利用して、大いに旅をしようと考えている人はもちろん、これから暇になるから旅でもしてみるかと考えている人も、さらには、旅には興味はないが、これからの自由時間をどうやって過ごそうと考えている人を含めて、大勢の人たちを、『男なら、ひとり旅』の出発点まで案内したいと思っている」。一読、そうだ出かけてみよう。男が、ひとり旅をしたくなるガイドブックです。
若い頃、結婚したら夫婦で一緒に山を歩いたり、寺を訪ねたりしたいものだ、と憧れていました。今でもそんなご夫婦を見るといいもんだなあ、と羨ましくも感じます。
でも、私は駄目ですねえ。特に近頃。年とともに我儘が嵩じてきたせいが第一。それに残り限りある時間なのだから、お互い自由に、したいことをすればいい、と思ってしまうんです。興味の対象も好みも体力も異なるのに無理してまで付き合うこともない、と。
「長年しがらみの中で生きてきた男たちの欲求を満たすもの。それは男のひとり旅だ」。同感。と、いいつつ、たまにする、お互いにゆずりあい、つきあう旅やワイワイガヤガヤ旅行が新鮮で、その良さを感じたりもします。 (H)