あらすじ
天下は豊聡より徳河に移り、太平の世となって久しい。数多の戦を駆けた巨大なる機関甲冑たちが武勇を馳せる場はもうない。しかし、そんな流れに抗うように少年暁月は、黒い機関甲冑〈紅月〉を操り仇敵を追っていた。一方、幕府の軍神こと天部衆の朽葉詩織は、神隠しが頻発する安芸の国へ調査に赴いていた。そして彼らが出会った謎の少女沙霧――その宿縁が繋がるとき、この国に巣食う闇が動きだす! 鋼の機関と導術が織り成すハイブリッド戦国記、第1巻登場!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
第1巻を読破。
あとがきにて「どっちかってーと黒系」という言葉に、「よし、買った」となったのは私です。
笑
私はどっちかってーと黒榊さん系が好きなので(;^-^)
なのでわくわくしながら読みましたー。
すっごくおもしろかったです(*´▽`)
復讐者となった主人公・暁月と、そんな彼を取り巻く女性陣。
なんちゃって時代劇的な背景に、鎧武者型の機関甲冑というロボット。
読んでいてズガーン!! と衝撃を受けました。
やっばい……これ、おもしろいやん……。
暁月と職神(機関甲冑を制御する幽霊【しきがみ】)の関係や、ぼんやりとした(生きる意味を失ってしまった)少女・沙霧。
宴の席で“やらかして”しまった天部衆・詩織嬢。
そんな詩織嬢に着き従う兵衛さん、と――
魅力的な登場人物がたくさん出てきて、続きが楽しみです。
作中、ちょいちょい「何“物”」という表現が出てきて。
首を傾げていたのですが、種明かしでなるほど! となりました。
あと各章の冒頭にある文章とか。
自分を受け入れてくれた村を焼き払われてしまった暁月。
なくしてしまった物。
失ってしまった者。
彼に残されたのは復讐という道で。
そんな彼が出会った不思議な少女・沙霧は、自分の意思とは関係なく生かされる日々に疲弊しきっていて。
生きる意味も目的もなく、ただただ生かされる日々。
自殺もできない沙霧にとって、生きることはつらいことだったのかなあ。
うーん、沙霧の肩書きと……もしかして“血”、血統だけが必要だから、あんな護法獣――という呪いに近い守護をつけられたのかもしれないな。
そこに沙霧自身は必要とされていなくて。
暁月や詩織嬢との出会いで、彼女がどう変化していくのか……。
イラストも女性陣はかわいくて、暁月はかっこよくて。
機関甲冑(鎧武者型ロボ)もすごくかっこいいです。
ファミ通文庫で黒系ってめずらしいんじゃ……と思ったけれど、綾里さんの「アリストクライシ」もダークファンタジーだったわ。
あとがきのように三巻五巻十巻と、長く続いてくれるといいなあ(*´▽`)