あらすじ
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心身のハンディを軽減させる音楽療法とは何なのか、音楽療法士になるにはどういったことが必要なのか-。そんな疑問に音楽療法士が明快に答える。受験対策から音楽療法の実際までをコンパクトにまとめた格好の入門書。
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Posted by ブクログ
音楽療法士という仕事があることを本書で初めて知った。筆者曰く「一言でどんな仕事か説明しづらい」ものだが、音楽の持つ働きを用いて心身の障害の回復、機能の維持改善、生活の質の向上を図るという仕事と定義づけられている。本書では主に精神疾患を持つ子供たちとの交流や具体的な療法、事例を紹介しその意義を啓蒙している。
2007年の本。音楽療法士は現在でもまだ国家資格ではなく、資格を持っていなくてもその役割を果たしている人も、資格を有効活用できていない人もいると本書で述べられている。療法士は音楽の技術だけでなく子供たち一人一人の個性と、彼らの集団の中での雰囲気に丁寧に寄り添って対応することが求められていることがわかる。「言って聞かせる」「教える、指導する」ではなく本当に「寄り添う」感じだ。非常に神経を使う仕事と思えるが、逆に療法士が神経質になりすぎても子供たちはその雰囲気を敏感に察知してしまうという。
大変な仕事なのに報酬は高くはなく、携わる人たちの意志に支えられて成り立っているようで頭が下がる。