あらすじ
摩訶不思議な「異界ツアー」へようこそ。猫の君子・夜見闇君の命を受けて旅に出た「私」はーー。現代版・御伽草紙。動物植物昆虫にこの世あの世が入り乱れる奇妙奇天烈、珍妙な世界を、リズミカルな擬古文調でユーモラスに描き、読者を摩訶不思議な世界へと誘い込む表題作はじめ「かげろう草紙」「行方」を収録。詩人にして野間文芸新人賞作家の新境地傑作!
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Posted by ブクログ
ヒグチユウコさんの絵が先か物語が先か。
あまりに絵とお話が合いすぎて、不気味な不思議世界にどっぷりとつかる。
とくに表題の佐左目谷行の彼が畳に身を任せ、擦りつける様子がたまらない。。。
不穏なのにユーモラスで、まくしたてる台詞は滑稽なのに闇を感じる、そんな3篇。
宿なしで居所も定まらない「私」を御屋敷に招き入れてくれた夜見闇君。
お座敷で恋文などをしたためたりとごろごろと過ごしていたら、繭君の日終(ひねもす)君を友人の佐左目谷君のところまでお連れしてほしいと頼まれて。
影を追って海辺の小屋へたどり着いた彼女。
小屋には娘のこと綴った黄色い表紙の本があり。
境内の夜店で自分の草紙を売る男が出会った面を売る男たち。
「もうひとりのアリス」を聴きながら。