あらすじ
眼鏡が印象的な青年“りんた”と、明るく情熱的な女の子“さじ”。恋人同士のはずなのに、ふたりはなぜか微妙な関係。それは彼らの行くところ、予想を裏切る恐怖と不条理が待ち受けているから…。繊細で緻密な独特のタッチと、ユニークなキャラクターが新鮮な著者の初コミックス。リアルな現実と、悪夢のような非現実が交錯し読者を奇妙な世界へといざなう、予想を裏切る面白さの異色青春ホラー連作シリーズ。
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ブックライブの企画から
他のおすすめ作品は見るからに怖かったので、読みやすそうなこちらを読んでみました。1話目が1番怖かったです……絵も話も………………。。。
これは良いオカルト
間違いなく今まで読んだオカルトホラーの最高峰。どこからが怪異でどこまでが現実なのか、読後感のもやつき、足元グラグラ感がたまらない。また繊細な絵の雰囲気も良い。合ってる。
イラスト表現自体は怖くない。絵はむしろ可愛い。グロもない。見開きビックリ系でもない。でもちゃんとある種怖い。今まで読んだことないタイプ。
ストーリー展開が、最高。良質な推理小説のように前提がドサッと覆る。有吉佐和子ばりの関西弁もまた良い。
此岸から彼岸への移動がスムーズすぎて、もう何がマトモでどこを信じて良いのやら。語り手の目線に読者が鮮やかに絡め取られる所がちょっと京極夏彦っぽくもある。これをマンガ表現で堂々とやれる所がすごい。ミスリードの名手。1度目はさじ視点、2度目はりんた視点で毎回読み直す。
キャラクター設定も秀逸。一見頼りになりそうで全員が危うい。探偵役のりんたも絶対ではない。正常と異常の地軸をジワリとずらされる。読者に足場を許さない。
舞台も大学だし、大好きなウニ氏の洒落怖師匠シリーズを彷彿とさせる。3話目の味の人から祖母のクセだったハズの齧りグセがさじに定着するのも師匠シリーズっぽくて好き。
全編を覆う独特の浮遊感。突然足元が崩れる驚きとそれを期待してドキドキ読み進むお化け屋敷感、そして予想を超える場所を崩される、裏切られる快感。
物語を読む幸福が全て詰まった、そんなオカルトホラー。1話目の炬燵の人と5話目の鳴く人が特に好き。
こんなオカルトを求めていた。もっと評価されるべき。ぜひとも続編出て欲しいし、この人の他の作品も読みたい。
叶うならば大好きな師匠シリーズをぜひこの人にコミカライズして欲しいなぁ。既に別の人で何話かコミカライズされていて、そちらの絵も綺麗で素晴らしいけれど、キャラの不穏さとか、幽霊の儚い感じとか、コマ割りとか、ぜひぜひオガツ版も読みたい…切なる希望です。
追記・オガツカヅオ氏他の作品出てました。ある意味続編みたいなものだけど、世界観と続投のキャラ設定が微妙に変わっちゃった(それもまたちょっと師匠シリーズを彷彿とさせて萌えるけれど)。原作者さんがついてページ数も増えて、絵柄も展開も揺らぎというか危うさが減った感が残念。やはりこの世界観とタッチのまま、メンバーもそのままで続編ぜひ読みたいですね。
Posted by ブクログ
りんたはクールでかっこいいし、さじは元気で素直で可愛らしい。
なのに起きる事件は皆不条理。二人は立ち向かったり立ち向かわなかったり。
素敵なトラウマになること請け合いです
Posted by ブクログ
話がひっくり返る快感とホラーは相性がいい。悪意少なめな世界観も読みやすく、キャラ配置もシンプルながら魅力的。大半関西弁なのでセリフの区別が所々難しかったり、本筋と関係ないところでけつまずくとこはあった。
Posted by ブクログ
リンタ君は良いメガネですね!!(鼻血
奇妙でグロテスクでかなしくこわい世界が覗けます。
続編希望!
ふと思ったんですけど、「バイトの先輩」達のあの有様を見ているとリンタ君にも「何か」あるんじゃないか…なんて思ってしまって背筋が寒くなりました…