あらすじ
マッキンゼー在籍25年、パートナー経験20年のトップコンサルタントが教える
マッキンゼー流 至高の教科書
その戦略は一言で言えるか?
優れた戦略=シンプルな戦略を生み出す道筋がわかれば、戦い方のレベルアップが図れる。
優れた戦略は本来シンプルなものである。
戦略は考え抜き、大胆な判断を下すことで、
シンプルになるまで作り込み、磨き上げるものなのだ。
マッキンゼーにおいて、後進を指導する立場にある著者によれば、「戦略とは何か」の基本を理解しておらず、「戦略の作り方」の基本がわかっていない若手が多いという。
本書では、マッキンゼーならではのフレームワークを随所で紹介、わかりやすい事例もふまえて、現状分析からシンプルな戦略の構築、実行までの基本が学べる。
戦略構築の基本となる6つのステップ
ステップ1:戦略目的を設定する
ステップ2:境界条件を再確認、再定義する
ステップ3:環境を認識し、自社独自の洞察を導く
ステップ4:課題を抽出し、構造化する
ステップ5:戦略的方向性を創出、選択する
ステップ6:戦略としてまとめ上げる
基本の6つのステップをやりぬくことで、特にステップ4~ステップ6は行ったり来たりして質を高めることで、シンプルな戦略ができ上がる。
マッキンゼー日本支社において最も豊富なコンサルティング経験を有し、日本企業に対するコンサルティングをリードしている著者が、日本企業の潜在力を引き出し、戦い方のレベルを上げる実践アプローチの方法を指南する。
【主な内容】
PARTI.今、なぜシンプルな戦略が必要なのか
■その戦略は一言で言えるか
■適切でない戦略、戦略不在が悲喜劇をもたらしている
■シンプルな戦略だけが現状を打破できる
PARTII.戦略構築の基本:そもそも戦略とは何か
■戦略と言えるもの、言えないもの
■戦略構築の基本となる六つのステップ
PARTIII.シンプルな戦略の三つのパターン
■パターン1:基本ステップに沿った簡潔な戦略
■パターン2:軸に沿って広げる戦略
■パターン3:ゴールが引っ張る戦略
PARTIV.シンプルな戦略で成功するために求められるもの
■シンプルな戦略に求められる思考
■シンプルな戦略に求められるディシプリン
■シンプルな戦略に求められるリーダーシップ
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Posted by ブクログ
戦略論の良著。具体例も豊富でわかりやすい。
また読みたいと思える一冊。
<メモ>
・典型的な悪例①具体的な目的、達成する明快な方向性、整合する一連のアクションが備わっていない②顧客、競合、自社という3要素をバランスよく捉えていない③網羅しているが複雑すぎて、要はどんな戦略なのか判然としない。④あれもこれもで的が絞られていない⑤隣の会社にもっていっても通用する、10年後も通用する、独自性・具体性がない
・シンプルな戦略とはどのようなものか①目的や達成したい目標が明快かつ具体的、戦略としての方向性が絞り込まれている②戦略が有効であるか明確で説得力がある。③戦略全体を一言で言え、わかりやすく伝えやすい。④戦略の3大基本要件を満たしている。顧客に喜ばれ、競争に勝て、儲かる⑤ぶれない継続性や組織の一体感とエキサイトメントを生み出し、現状打破、難題解決を促進できる。
・トップは戦略を作り、徹底させ、デボトルネッキングする三つの意味でリーダーシップが必要。
・課題をうまく構造かすることによって、二つか三つのの答えで解決すること
・シンプルな戦略構築の6つのステップ
①戦略の目的を具体的に明文化する
②戦略の策定・実行における境界条件を極力広く再定義する③経営環境を多面的に捉え、独自の洞察を創出する
④目的達成に向けた重要課題を抽出。構造化し真の重要課題を絞り込む
⑤方向性のオプションを導出、選択、方向性に沿ったアクションを設計する。
⑥戦略全体を所定のフォーマットにまとめ上げる
・戦略構築、実行における境界条件を明白に。網羅的に書き出してみることが効果的。価値感、戦略方向性、事業モデル、事業領域、経営資源、ビジネスプラクティス
否定をなくすことによって、解決策の選択の幅が広がる。新しい視点や斬新な発想が出やすくなる。
・SCP分析 業界構造、企業行動、結果
・重要課題とはすべての課題から4つか5つに絞り込んだもので、それらを解決すれば目的の8割か9割を達成しうるものをいう。
・構造化とはある特定の視点から複数の課題をまとめて本質的な課題としてくくりなおすのである。
・コインの裏返し的な解決策ではいけない。
・他業界からの発想。食品でipodのアイデアを活かす。食品でナイキになる。など
・戦略構築チェックリスト①戦略目的の設定→目的は明文化され、共有されているか。十分にチャレンジングかつ具体的か②境界条件の再定義→すべての境界条件の候補を網羅できているか。なるべく否定して、境界条件を最小にしたか③環境分析と洞察→環境分析は最新のファクトに基づいて体系的に行ったか。他者ともこれまでとも違う独自の洞察を導出できたか④課題の抽出→戦略課題を構造的に捉えているか。十分に絞り込まれており具体的化⑤戦略的方向性の創出→複数オプションを創出できたか。明確な基準に基づいて1つを選択しているか。重要アクションを絞り込めているか。⑥まとめ上げ→戦略は顧客に嬉しいか、競合と差別化されて、競合に勝るものか、自社に継続的に利益をもたらせるか。
・シンプルな戦略の代表的なパターン①何かを広げることで成長や深化を目指す。できるできないより、どうやるかという発想②目指すゴールからスタートする長い時間軸に適した戦略。
・どんな商品、サービスにもあてはまる顧客ニーズ
①経済性②利便性③ソリューション④品ぞろえ⑤人間関係⑥楽しさ
・3Cで市場、競合、自社に対する意味合いを3つ引き出し、9つの意味合いを組み合わせて新たな3つの意味合いに昇華させる。
・成長の軸 市場(地域)、顧客、商品、チャネル、用途、バリューチェーン、提供物、顧客ニーズ、
・想像と創造の源になるリソースは他業界や他事業、ビジネスの外にいろいろある。自社にあてはめて活用できないか発想するなど
・シンプルな戦略の要件①手法やフレームワーク等に支えられた思考とスキル:論理、分析、洞察、アイデア創出②考え抜き、議論しつくし、腹をくくる③無理だと思われるストレッチゴールと無茶だと思われる境界条件の広さ④トップのビジョナリーで前向きで直接的なリーダーシップ⑤組織全体を巻き込むエキサイトメントやわくわく感
・同じファクトをいかに多面的に見ることができるかが重要。
・洞察は事実や論理に基づいて本質を究めるインサイトと直感的に将来を見通すフォアサイトの双方が重要。
・インサイトはロジカル。自分への問いかけを重ねていく
・洞察はユニークさが大切。人と同じものをみていかに人と違う意味を読みとることができるか。それによってイノベーションや差別化された戦略が導き出される。自分の洞察を人前でいってみること。
・高い目標と境界条件の開放は相互関係にある。片方が高ければもう片方も広くなる。目標を高くすれば境界条件を開放することにつながる。