あらすじ
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盲腸の手術でがんであることを知った検事総長伊藤栄樹。戦後検察の第一期生として、造船疑獄以来、文字通り巨悪と闘い続けてきた彼が最後に対決したのはがんであった。家族や友人への深い思いに溢れた強い意志の記録。
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感情タグBEST3
Posted by ブクログ
斎藤孝さんの著書の中でおススメとして出ていた事から気になっていた一冊。著者は何の因果か、本日亡くなられた第二次中曽根内閣の時の検事総長。
本書は手術から癌が発覚し、1988年に亡くなるまでの手記。法曹として、法律を片手に『悪い奴を退治する』検事として活躍。故に非科学的なものとは距離を保ち、現実主義的。死後の世界、の存在等は性に合わず。
「僕は、人は、死んだ瞬間、ただの物質、つまりホコリと同じようなものになってしまうのだと思うよ。死の向こうに死者の世界とか霊界といったようなものは無いと思う。死んでしまったら、当人は、まったくのゴミみたいなものと化して、意識のようなものは残らないだろうよ」再発より。
死後の世界を認めなかったからこそ、生きている時間を無駄せず、粛々と身辺を整理している様子が男らしく映った考えさせられる一冊。