あらすじ
人間をどう見るか? 昔から二つの見方があった。「性善説」と「性悪説」である。中国古典のなかで、性善説の立場をとっているのが孔子・孟子の教え、すなわち儒教である。これに対し、荀子は孔子の教えを受け継ぎながら、あえて性悪説を唱えた。人間の本性が悪だとすれば、放っておくと、社会そのものが成り立たなくなる。そこで荀子が重視したのは「教育」である。守るべき規範を定め、それをしっかりと教え込む必要があるのだという。日本は性善説で対応してきた社会。曲がりなりにもそれで治安が保たれてきたのは、世界でも稀な例だという。しかし、いまはその伝統も大きく揺らいできた。そこで、
・先人の失敗に学ぶ
・取ろうとするなら与えよ
・好調を持続するコツ
・知らないことは知らないと言う
・名君と暗君の違い
・臣下としての心得
・上にどう仕えるのか
など、現代にこそ必要な人としての基本を、わかりやすい解説で読む。
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Posted by ブクログ
たいへん分かりやすく、読みやすいです。現代においても「礼」や「義」が大切であると感じました。また、現代において「礼」や「義」を具体的すると、どのようなものがあるだろうかと考えるきっかけになりました。
Posted by ブクログ
「知は疑いを棄つるよりも大なるはなく、行は過ちなきよりも大なるはなく、事は悔いなきよりも大なるはなし」どんなに緻密な作戦を立てても人間のやることに完璧はあり得ない。情勢は常に変化している。たった一回の判断ミスが命取りになれば、常に緊張を高め、冷静かつ慎重に対処しなければならない。しかるに、失敗したとしても思い悩むことはない。勝敗は兵家の常。反省を加えたら、後は気持ちを切り替えて次の課題に挑戦すればよい。荀子の中でも優れた名言79を見開き2ページで紹介している。荀子が生きたのは、政治が混迷を深め国が乱れに乱れた春秋戦国時代。現代も様々な価値観が入り乱れ混沌を極めている。2000年の叡智は今もなお行き続ける。