あらすじ
じゃみ、じゃみ、じゃみ。夫と五歳の一人息子と、京都の古民家で暮らす「私」は家の押入れや壁の隙間を這い回る、“異形の家族”を飼っている。それは私の過去の罪の証――。息子とも夫ともあんまり仲良うしたらあかん、“おじゃみ”がへんにし起こすさかい。あっというまにみんな居らんなってしまう――。
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Posted by ブクログ
文庫版再読。新作短編も追加されています。
やっぱり何度読んでも、「おじゃみ」と「前妻さん」が可愛くて仕方ない。異形のものよりもむしろ人間の邪悪さの方にぞくっとさせられちゃうなあ。
新作「勇」も、怖いながらもくすりとさせられてしまった一作。微笑ましいというかなんというか……それでDHAは取れないと思うよ?(笑)
Posted by ブクログ
きもちわるくておそろしい。
でも、読まずにはいられない。この先、どうなるの?このオチどうなるの?が止まらないです。
愛憎表裏一体の「おじゃみ」。
小さな親切大きなお世話の「前妻さん」。
サイコさんたちの「増殖」。
祟りと拝みの「虫籠窓」。
疑惑と執念の「正体見たり」。
漠然とした不安や倦怠の「安全地帯」。
無邪気の邪気の「勇」。
登場人物たちの価値観や判断力が、こちらと認識の齟齬を生み出していて、それが怖さに変わる気がします。
きもちわるいですね。そしておそろしい。
でも、読んじゃうんですよ。オチが気になるから。